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ロックの扉1枚目

12月14日、ELLEGARDENのライブに行った。

中2のとき、クラスメイトが教えてくれて好きになった頃はもう活動休止で、まさか15年経って観れるときが来るなんて思わなかった。再開後、初のワンマンツアーはものすごい倍率だったみたい。チケットは2600円、整理番号は2000分の1965。たぶんぜんぜん見えないかな、でも見れるだけでも人生のご褒美だな。Zeppって羽田にもあるんだね。

14〜16歳までの間はELLEGARDEN以外ほとんど好きな音楽がなかった。ベースだけどエルレのコピーバンドで歌ったりして、僕の最初のロックスターは細美さんだった。冬に出会ったので今でもその頃を思い出したりする。

当時は毎晩、ガラケーの背景が真っ白のサイトで英詞と和訳詞を見ながら再生した。綺麗なメロディには、やるせなさや寂しさが歌われていて、思春期の心の隙間を埋めてくれた。口パクでいつも歌ってたおかげで英語の成績はよかった。コピーバンドがなぜかオリジナル曲をやるバンドに派生して、英語の歌も書いたりしてた。

17歳になり、僕はライブハウスでロックンロールの雷に打たれて、ギターを毎日かき鳴らしながら自分の歌を自分の言葉で作るようになった。

ロックの扉は僕には2枚あって、
最初の扉はELLEGARDENだった。
人前で歌う楽しさを知った。
当たり前だけど、1枚目がないと2枚目もないからね。

ライブハウスの友達が教えてくれた音楽に夢中になり、少し距離は離れたけど、年齢を重ねていくと好きな歌のタイプが、くるっと変わったのも面白かった。とがっていて湿っているような初期のバンドの音はとても魅力がある。

前置き長いけど、いろいろなこと思い出していた。懐かしい人の顔も浮かんだ。僕にエルレを教えてくれた友達に興奮の連絡をした。教えてくれてありがとう。

ライブ、とてもよかった。序盤でしっかり泣いてしまった。なにより選曲が素晴らしかった。人気ないけど俺たちが好きな歌をやるよと言って演奏された曲たちが、予想をこえて渋いのばかりでとても嬉しかった。映像でも今後見れないだろうなと思ってた大好きな歌がアンコールの最後だった。本当にご褒美だった。

後ろの後ろの方で背伸びして、上がった手の隙間から顔が見え隠れする感じだったけど、細美さんの歌う表情が見えた。4人全員が隠れず同時に見える瞬間は5回ぐらい、その並びに少し奇跡を感じた。

僕が歌うとき、楽しそうに歌うように見えたなら、きっと細美さんの影響だと思うし、歌詞がいわゆるちょっとエモいのも、そう。半夏生で演奏している曲の中にも、じつはオマージュがあって、誰かにバレるのをひそかに楽しみにしてる。

とにかく、ライブが見れて、それもいいライブで、幸せだ。

思ったのは、僕が出入りしているライブハウスは小さくて、空いてることが多いけど、背伸びはしなくてもいい。近くで表情も手元も見える。踊りながらステップ踏みながら見れるし、いつでもドリンクを頼んだり気軽にトイレにも行ける。耳打ちして話しかけたりなんかも。それでいいのかとか、このままでいいのかとかは別として、僕はそういうライブハウスが好きだな。2600円であんなライブ見ちゃったら、もっと頑張らなくちゃって思ったよ。それに、退屈な日々だとしても、もう少し笑い飛ばしてみようって今日思えたよ。

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