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カラ梅雨の夏にしびれて

8月到来。カラ梅雨は2018年以来だ。梅雨は敵だった僕は梅雨を憶えている。上京2年は初体験の梅雨に翻弄されて一時帰札の2018年がカラ梅雨。しかもその年は札幌にないはずの梅雨が来たもんでうらめしや。2020年は体感2ヶ月雨続きで、8月のとたんに梅雨が明けた。感染症禍で梅雨への苦手意識はマックスだった。やがて紫陽花、薔薇、クチナシ、冷たい青の背高い花とか夏への段階を知り、銭湯行くとか対抗手段を身につけた。もう怖くはないぞと意気込む今年は、空振りの梅雨。晴れて暑い、それが好きな僕は万々歳である。

無職の6月はこれでもかと遊び、食っちゃ寝。単発バイトとかやるつもりが、気づけばほぼ毎日予定があった。罪悪感など感じる暇もない。いいね。そんでこの休みのあいだにバンド半夏生に転機もあったりして。たくさん考えたけど気がついたらもう前に進めていた。前に進む理由と自信があったのはお前のおかげだ。円満、どころかむしろギラつく未来。うーん、本当に休みでよかった。僕には休みが必要だった。有給万歳。SECHIの企画やレテパの遠征があり、いいライブいい演奏ができた。ひさしぶりの人にも会うことが重なった。物理的に仕事辞めてないと無理な6月、存分に向き合い過ごせたってだけで、僕の決断は正しかったと言える。

そして30歳になると同時に仕事をはじめた。もうすっかり朝型お弁当徒歩通勤健康生活を手に入れて。はじめの1ヶ月はずっと座ったままの研修だったのでバンドのことや新曲の歌詞を覚えて眠気を乗り切った。もちろん真面目にやったつもりだけど、休み期間をふくめて約2ヶ月も神経がすり減らない時間を過ごすことができて、僕は望んだとおりに軽やかになれたんだ。先述のカラ梅雨も相まってね。ようやく先週から自分の脳みそを使って仕事をしてる。きっとうまくやれるだろう。夕焼けと高い空がいつも僕を自由にさせる。一歩外に出れば僕は好きなことだけ考えてりゃいいのだ。たまらないね。

八幡神社の盆踊り、昭和記念公園の花火大会にも行けた。何本かライブを見に行ったり、何度か道で歌ったりもした。心がふるえる映画も見た。嫌でもまだ夏は続くのは、本当に望むところだ。夏にしびれて。欲張りな僕は、手の中にないお金や心にない恋などには執着しないことにした。手に入れていないものに手を伸ばすことは大切だけど、失いようのないものに心を悩ませるのは無駄なことだ。バンドをやることが僕の道だ。こうなったらもう、こわいものはないよ。思ってた30歳と違う、をさらに裏切り開き直りきって、欲張りにうれしい悩みだけが続くよ。

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