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オタク、友達に用意された沼に飛び込む〜天使降臨編〜


「好きだろうから」と唐突に幼馴染から送られてきた曲を聴いたあの日、私はイヤホンの中で歌う天使に出会った。
「苦悩に寄り添うため歌っています」そう記載された彼のbioを見たとき、精神的に限界だったのもあって、なんだか救われたような気がしたのを覚えている。

そしてついに、2022年10月30日、新宿BLAZEで「私と出会うために天界から舞い降りてきた天使」Ashmaze.の双真くんと対面を果たしたのである。

ヴィジュアル系という音楽ジャンルには馴染みがあったものの、ほぼ化石と化した音源ギャでもない私は、コロナ禍だったこともあり、誘われたワンマンライブにも消極的な気持ちで向かっていた。もちろん楽しみではあったけれど、音源を超えるバンドというものはそうそうないので。

でも、Ashmaze.のライブは私のそんな気持ちを簡単に吹き飛ばしていったのだ。

ライブ、めちゃくちゃ楽しかった。
そう、めちゃくちゃ楽しかったのである。

双真くんの歌声は音源以上で、客電が落ちて姿が見えた瞬間、感動しすぎて鳥肌がワーッとなったし、歌声が聞こえた瞬間ちょっと泣いた。
双真くんって本当に生きてるんだって、ちゃんとそこに存在してるんだってびっくりして泣いた。
「自分の存在消したくなったことある?おれはあるよ」って言ってたこともある双真くん、生きててくれてありがとう。
双真くんの声がまた聞けると思うと上司のちくちく言葉もオッサンのセクハラも理不尽な事柄も全部ぜんぶ耐えられるよって思いました。本当に私に希望を与えるために天界から舞い降りた天使、っていうか全ての生き物に希望を与えるために存在してるのでは?はにゃ?ってなった。
もう神の子って名乗って?

BLAZEに行くのは約10年ぶりでほぼバンギャを卒業したオタクの私は令和のノリもよくわからず、とりあえず事前に聞いておいたマナーを守ることと、周りを邪魔せず静かに双真くんの歌声を聞くことを目的としていた。だからこそ後ろのほうで見ようと思ってたし、動き回るわけじゃないから薄着にならなくていいかなって。
それなのに、気づいたら頭を振り回し、拳を掲げ、ビョンビョン跳ねてたのである。

「このバンドってあんまりハートとか作ってる人いないかもです〜」

と隣にいたファンの先輩(可愛い)から教えてもらったのでハートは作らないと思ったんだけど、そんなもの忘れて双真くんにめちゃくちゃハートを飛ばしてた。
だって双真くんを見てたら、なんというか全身から愛という名のなにかが飛びててきそうで。もうとにかくハートを飛ばすことしかできなかった
感情がこぼれスパークリングとかこぼれいくら並にボロボロこぼれていって、周りでやってる人あんまりいないとか理性とか恥じらいとか脳みそからぶっ飛んでしまってた。
ライブハウスの照明を浴びて歌う双真くんは、加工されたどんな写真よりもキラキラしていて楽しそうで、双真くんのいるところだけが輝いて見えた。

そして気づいたらAshmaze.の世界に迷い込んで出られなくなってた。というよりAshmaze.という名の温泉地から出られなくなっているのではないかと思う。温泉って出たくないじゃん。ここにずっといさせて。
…ここで働かせてください!!!!(それは作品が違う。)

ここまで双真くんのことしか話してないけど、本当に彼から目が離せなくて他のメンバーをあんまり見られなかった。双真くんも言ってたけど、Ashmaze.の下手にはリアルFFって言われるくらいのメンバーがふたりもいるのでちょっとくらい凝視しておけばよかったと思う。でも外見よりね、このバンドって曲が良い。本当にずっと曲と歌声に集中していられた時間だった。

帰り道に「え~、11月7日?ちょっと忙しいんだよね…」って言ってたくせに、新曲お披露目の可能性を感じて翌々日にはチケット購入してた自分、本当にそういうとこだぞって思います。

そしてこの日から、きっと人生で一番楽しい推し活がスタートする。


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