当たり前のものを、自分なりに定義し直す

先日、夜な夜なインタビュー映像を観ていた中で、とある舞台デザイナーがこう言っていた。

アーティストと私には共通点があって。それはしたいことや仕事の意義を見つめ直すこと。やっぱり好きだから続けているし、自分にとってそれが最も美しい時間なの。

この『したいことや仕事の「意義」』という言葉に、なんとなく引っかかった。

辿ってみると、好きでもなんでもその意義に気づいて、100%沿って生きてける人は一握りだろうな、という感想だった。

みんなそうなりたがるし、それが理想にしたい気持ちは分かる。だけど現在がそうでないならば、意義だけではなく、したいことや仕事の「定義」を自分なりに見つめ直してみることの方が大切なのではないか、と思った。

例えば、セールスは自社のプロダクトを売って数字をつくる人であったとして、その定義を見つめ直すと、自社の事業を最先端で動かす人とも言える。なんだか前よりも誇りが持てる気がしてくる。

自分の仕事も、定義し直してみた。僕のマーケティング兼プロダクトマネージャーという仕事は、事業のKPIを背負ってプロダクト開発に責任を持つ人だ。なのでブランド体験と事業に責任を持ち、それを考えて創る人だと定義できる。悪くない。

単なるコピーライティングでしょと言われるかもしれない。会社の歯車としてハマりにいっている行為だと言われるかもしれない。

でもその定義は今まではずっと誰かに聞かされ、与えられていたものだから、歯車になってしまうのだと思う。それを自分で考えて作る限り、歯車にはなりにくいし、自分なりの定義から「好き」という個人的な意義を見いだせるようになってくるかもしれない。

ある種、本を読んだり、話を聞いたり、何かを見たりした後に、それを自分なりの言葉に解釈し直すことと同じなのだ。


いま目の前にある当たり前のものを定義し直す。

今回は仕事の話だったけど、そうじゃないもの、例えば家族や友達、家など、何も考えずに存在しているものを見つめ直すのも、けっこう面白いかもしれない。

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