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小三治の学級委員長芸 10月26日 イムズホール 1998.11.13

  招待券をもらったので出向く。入り口に「当日券はありません」と張り紙がしてあるのに、人気があるんだナ、と少々驚く。ま、九州には寄席はないし、たまに名のある噺家が来ても、寄席とは似ても似つかぬ高級ホテルの企画だったりして、高級な食事付きでバカだかい木戸銭を払わねばならない。そう考えれば、この独演会は良心的なのかもしれない。
 小三治を聞いたのは、もう10年前に一度っきりだ。東京の紀伊国屋ホールで延々と続いている紀伊国屋寄席でのこと。東京の客は何でもかんでも、ほんとによく笑うので、受けていたようだが、そんなに強い印象は残らなかった。なにぶん、人気落語家が6、7人競演する催しだけに気も乗らなかったのだろう。
 時間の都合で、この日は中入り前の『付き馬』だけを見せてもらった。巧いと思った。でも、それほど面白くはない。巧いけど面白くない小三治は、さしずめ落語界の学級委員長みたいなもんか。優等生芸も志ん朝あたりになると音楽を聴いてるみたいで見事なもんだが。イムズホールっていう小屋の雰囲気のせいもあるのかな。
 あー、池袋演芸場で桂米朝や桂文治を独演会で聴いてみたい。

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