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現代美術家、中古をリノベーションしてアトリエ付き住居にす

お久しぶりです。投稿をお休みしていた間、引っ越しをしました。念願のアトリエ付きの1軒家を購入。制作と生活が一つにまとまりました。

新しい家は中古をリノベーションした家です。リノベーションと聞くと、天井からハンモックがぶら下がってたり、床がヘリンボーンだったりといった偏った印象が強いかもしれませんがそんなことないことを伝えたく、久々の更新なのです。

この家は私達が3代目のオーナーで、初代の方はバブル期にこの家を建てました。お金がかかっているのと景気がよかったのか、とてもしつらえや調度品がこだわった作りで、元建築インテリア雑誌の企画者だったわたしからみても、いい感じです。
2代目オーナーは私と同年代のご夫婦と小さいお子さん3人家族、私の家庭と同じ構成です。
わずか数年前に大規模リノベーションを施した後、事情がありこの家を手放したのです。なにせ彼らは建築家なものですから、住むにあたって設備面や子供と快適に過ごすための工夫がずいぶんとなされました。
この記事に対して、中古リノベーションという言葉で興味を持ってくれた人には申し訳ないくらい、彼らが施したリノベーションの方が役に立つと思います。なぜなら私達が住む時点で相当イケてる物件でした。そのまま住むことは可能ではあったけれども、さらにリノベーションしました。

食洗機を入れるための工事とか細々したこともやりましたがそれはさすがに当たり前なので割愛するとして、主に手がかかっているのは居室のアトリエ化です。アトリエ付き住宅なんてないんです、居室をアトリエにしたのです。
そんかリノベーション工事、それはニッチすぎてあまり参考にならないかもしれませんが、、、なにかの役にたつかもと思い紹介します。
一番大きいのは既存の壁クロスを剥がし全て下地パネル、白ペイント仕上げにしました。私はあんまりイーゼル を使いません、壁に同時に複数の絵をかけて、立ったり座ったりしながら描きます。絵の具が壁に飛び散っても白いペインティングを重ねればいい。これは多摩美油画科時代のアトリエを参考にしています。多摩美のアトリエは有孔ボードであれは絵を掛けるにはとてもいいのですが、どうもあの穴が目にうるさいのでどうしても嫌でした。なのでいっそ下地パネルそのままです。好きな場所にビスを打ち付けたり、終わったらパテで穴埋めできます。
イーゼル を使わないと書いたとおり、室内の特定の場所だけ良い照明があたっていればいいというわけではないので、ライティングレールをいれて、ライトを複数設置、角度を調整できるようにしました。あとはアトリエ内に水場を設けました。シンクはTOTOの実験シンク、迷わずこれにしました。

まだ私は作家だけで食えていないので別の仕事をもっている兼業作家ですが、ゆくゆくは作家だけでやっていくつもりです。遅くとも、いま1歳の息子が小学生になる前には、作家だけでなんとかやっていけるようにしたいです。家が働く場であると同時に暮らす場となると、生活スペースには遊び心を持たせ差別化を測りたいですよね。そこで台所の収納にはウィリアムモリスのダークな壁紙を、リビングの1面だけモリスの壁紙の中で用いられている色とリンクさせて落ち着いたネイビーのアクセントクロスを貼り、楽しめるけど見渡した際に統一感が出るようにしました。
アクセントクロスはいらない、贅沢と言われるかもしれませんが、在宅ワーカーも増えているので、この気持ち、伝わるといいのですが。

あと、いま思い出しましたが寝室にインナーサッシを付けたことはナイスアイデアでした。ここ、逗子ならではの強い風の音がうるさく感じないようにするためです。古い家なのでシャッターなどがついてなくて。だからこそ外観が美しいのですけれどもね。インナーも選択肢がずいぶんあり、そんなに見栄えも悪くありません。付けることで音だけでなく断熱性がかなり向上しましたので参考になれば幸いです。

あとはほとんどエクステリアのことばかりです。それはまた今度に。

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