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乙女ゲーム転生ものの沼

近日、zoomを使って仲間内で自分達の推しのプレゼン大会、通称沼の会を行うことになりました。
沼の会開催は二回目となります。
前回開催時は不参加だったので、後日友人たちがつくったパワポ資料を見せてもらったのですが、それがもんのすっごく熱量のこもった資料でして。
そのクオリティの高さに、とても感動しました。

こんなにも何かを好きになれるって素敵! 私も愛を叫びたい!

そんな訳でこちらnoteを使って、プレゼンさせていただきたいと思います。
君に届け。

乙女ゲームが好き

私はまず「乙女ゲーム」といわれるゲームが好きです。

乙女ゲーム(おとめゲーム)とは、女性向け恋愛ゲームのうち、主人公(プレーヤー)が女性のゲームの総称である。(wiki)

乙女ゲームとは、男性キャラクター(攻略対象)との恋愛成就を目的として、選択肢を重ねていくアドベンチャーゲームです。
定義としては以下になるようです。

・女性が対象である
・イケメン(魅力のある異性)がいること
・女性が主人公であること
・女性がキュンとする要素があること

(https://www.slideshare.net/igda_jp/otome)より引用。

ただ、女性が恋愛する要素のみではなく、
現在は所謂「恋愛しない乙女ゲーム」イケメン同士の友情・絆を楽しむタイプもあります。
(刀剣乱舞、あんさんぶるスターズ等)

今回は「恋愛することを目的」とした乙女ゲームの方でお話したいと思います。
恋愛しない方の乙女ゲームの世界に転生したとしても、「尊い……」しか言うことないですしね!

私が初めて乙女ゲーム(乙女ゲームの始祖である「アンジェリーク」)をプレイした時、イヤホン越しの甘い口説き文句に、夜中にも関わらず叫んでいました。
臆面もなく口説かれるって初めての経験で、ゲーム相手といえどどうすればいいかわからなくて。

すごくはまっていたのですが、時が流れるにつれ手にすることもなくなっていきました。
ですが一昨年、久方ぶりにプレイして改めてはまってしまったのが、こちらです。

時は、20世紀初頭。
舞台は、第一次世界大戦直後の南イタリア『ブルローネ』。
この街を支配するのは、ブルローネ・マフィアと呼ばれる3つの組織。
ブルローネで静かに暮らす主人公『リリアーナ』は、
とある事件をきっかけにいずれかの組織へと身を寄せることとなる。
なぜ彼女が狙われるのか。
なぜ彼女は求められるのか。
期せずして鍵を握る存在となった『リリアーナ』は非日常へと巻き込まれていく――。

昔は恋愛への憧れで好きだったんですけど、今は現実とかけ離れていればいるほど熱中できますね……。

このゲームの恋愛する対象はマフィアです。
私をこの現実から解き放って! I can fly!

マフィアと恋愛と言っても、もしこれが現代が舞台で、日本の反社会的勢力の方と恋愛するっていうものだとしたら、全然無理でした。
己の固定観念と倫理観からどうしても抵抗があって熱中できません。
(小さい頃に父親が観ていた北野映画がちらつく。トラウマ)

そんな私でも、

教会で働く訳ありの少女(私)をマフィアが取り合いっこ(意訳)


って言われたら「あれ? 運命、いや宿命かな?」ってなっちゃう。不思議!

ただこのピオフィオーレの晩鐘、たまたま見かけたリンクの素敵なイラストと声優陣に誘われてプレイを始めたのはいいんですけど、恋愛を目的としているはずなのに、やたらとヒロインが死ぬ展開が多いんですよね……。

……まぁ相手マフィアだしね! 一般人が関わっちゃったらそんなもんよね!

その中でも、私が一番好きになったチャイニーズ・マフィアの楊のルートでは、初っ端から
アジトの階段から落ちて死んだり、攫われてヤク漬けにされたり、仲良くなれた♡と思った矢先に「飽きた」の一言で部下に下げ渡されたりします。

あれ? 恋愛は?
私ときめきのキュンどころか、死の恐怖でしか鼓動が高鳴ってないぞ??

そうしてプレイしている内に、むかし次週の少年ジャンプが楽しみすぎて、次の展開をあれこれと想像しながら眠りについていた頃の私がよみがえってきました。

「乙女ゲームの世界にいったとしたら、こんな人達と恋愛、いや、その前に生き延びることなんてできるんだろうか……」

そんな想像をし始めるまで、そう時間はかかりませんでした。

どこをどう想像しても、私風情だと一瞬で殺されているのが関の山すぎる。
どうにか生き延びたいのに恋愛まで行けないぃ!

そんな時、出会ってしまったのです。

乙女ゲーム転生ものとの出会い

やっぱり皆、乙女ゲームの世界に行ったら……って考えてたんだ!
そしてめっちゃ流行ってたんだ!

異世界転生をテーマとした作品は、『小説家になろう』や類するwebの投稿型小説サイトで大人気で、いまや一大コンテンツだったのです。
(全然知らなかった)

その中でも異世界転生というだけでなく「乙女ゲームに転生」するという作品も、多数投稿されていて、人気作品は書籍化・コミカライズ・そしてアニメ化もされています。

私が前掲の「乙女ゲームの破滅フラグ~」(略して「はめふら」)に出会ったのはコミカライズが掲載されていたpixivだったのですが、雷に打たれたかのような衝撃でした。

公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。 ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、 自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!
ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドで国外追放バッドエンドで殺されてしまう。
そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!
勘違い?人たらしラブコメディの幕が上がる。

カタリナは出会う人、ほぼ全ての人に意図せずして愛されていきます。
私は乙女ゲームが好きなくらいなので、登場する攻略対象には、全員に愛されたいんですよ!(ハーレム願望)

はめふらを知り、勢いあまって既刊を電子と紙の両方で買い、「小説家になろう」に原作を読みに行き、そこでこの「乙女ゲーム転生」ものを知りズブズブとはまっていきました…。

皆それぞれが「こんな乙女ゲームに転生したらやばい」を想像して、創造していたのです。

yeah、めっちゃパラダイス!

乙女ゲーム転生、そして悪役令嬢のここが好き


先ほどのはめふらもそうなんですが、乙女ゲーム転生ものの王道に「悪役令嬢もの」というのがあります。

ネット小説界隈では2013年くらいから隆盛を誇っていたそうなんですが、「悪役令嬢とは」で検索してみると

「乙女ゲームの世界に入ってしまったが、その元の乙女ゲームにおいて悪役令嬢として登場するキャラクターに転生してしまっていた」といった形式の話となる。(中略)
ただし現実の乙女ゲームには基本的に悪役令嬢は登場しない。

oh、集団催眠ここに極まれり。

実際には登場したことのないキャラクターが、皆の悪役令嬢として共通認識になっているって、なんて感慨深いんでしょう。
ある種、悪役令嬢は乙女ゲーム転生ものにおける、口裂け女とかトイレの花子さん的な存在なんでしょうか?
会ったことないし見たこともないけれど、細かい特徴まで言えるあの感じ。

本日小説家になろうで、タイトルに悪役令嬢を含む作品を検索したところ8,841件ありました。みんなの心に悪役令嬢!
私もこの悪役令嬢ものが大好きです。

一般的な流れとして、前世でプレイしていたゲームの世界に転生してしまうので、これから起こるゲームの展開は全て頭に入った状態で、物語が始まります。

そこで「強くてニューゲーム」を楽しめるかと思いきや、なんと転生した立場は破滅しかない「悪役令嬢」。

このままのストーリー展開にそって進んでいったら、国外追放や投獄など破滅する立場にいます。
周りは一癖もふた癖もある魅力的な男性だらけ!さぁ、破滅を回避するためにはどうすれば……!?

たくさん投稿されているということは、その数だけ違った切り口があるということで、同じように見えて全く違う一つ一つに、本当にどきどきワクワクします。

そして舞台が乙女ゲームの世界なだけあって、糖度も高めな作品が多いです!

愛するよりも、愛されたいマジで!!

悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される(小説家になろうのリンク)

王子様に捨てられたと思いきやそこに現れたのは、隣国の王太子!?
私も溺愛されたいぃぃぃぃ!(絶叫)

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました

王子様に婚約破棄されたアイリーンは、破滅ルートを回避するために、本編では隠し攻略キャラだった魔王様のところに行って、なんと求婚します!
主人公である悪役令嬢アイリーンがとにかく強かで素敵!

他にも本当にたくさんあります。
運命と戦う女性を描いてる作品が多くて、そんなところも好きです。


そしてなんと創作もしたくなった

私がこうしたweb小説にはまった時は、当時2歳だった子どもに持病がわかり、年に数度の入退院を繰り返していた時でした。
仕事の休みをやりくりしながら、夫や義母と交代で病室に泊まり込み、狭い柵のついたベッドの上で、子どもと共に過ごす眠れない日々。
症状を抑える薬のコントロールもうまくいっていない時で、ひたすらにスマホでその病気について検索してしまい、精神的にも参っていました。

そんな時、たくさん投稿されている大好きな悪役令嬢もの、乙女ゲーム転生もののおかげで、大変な日々を乗り切ることができたのです。

今日の余計なことや、未来のあれこれに心を煩わされずに、流れるように読める幸せなお話。
語弊があるかもしれませんが、平易な表現とテンプレにそった内容で描かれるweb小説に、ふんわりと軽く飛んでいけるその夢の世界に、随分と助けられました。

そうしてその当時、本当に読み漁るという表現がぴったりな程に数百と読んでいたのですが、たくさんの小説を読むうちに私の中にある感情が芽生えたのです。

「どんな創作も素晴らしい」
「私も創作してみたい」

数々と読んでいる内に、文章の体を成していないものや、世界観が分かりにくいものもたくさんありました。
読み進めるのが難しいものもありました。
でも、その中でも、後々に「あぁ、あの表現は素敵だった」「あれはこのことを言おうとしていたんだ」と、心に残る一文があるのです。

テンプレな内容や、ふんわりとした世界観でも埋もれない、作者の人間性の発露。

それに気が付いた時に、どんな創作でも、創作物として表現すること、人に読んでもらうことには意味がある、そう思いました。

壮大な歴史小説や、重厚な小説だって大好きです。
寝る間も惜しんでひたすら読んで、ガーッと胸のうちを根こそぎ浚われて。
波がひいたあとも、もう心の一部がその形になってしまって、元の自分には戻れないような素晴らしい作品たち。
確かにそういう作品に形作られて現在がある訳で。
そんな素晴らしいものを自分が書けるだなんて到底思わないけれど、でもひと時の誰かの暇つぶしになって、何かを残すことがあるのかもしれない。

そう思えることが出来たので、こうしてちょこちょこと文章を書くようになりました。
一昔前の自分なら考えられません。 
来世でもないのに、今世で創作することがあるなんて!
なにかを好きになるっていうのは、自分を変えてくれることでもあるんだなぁと感じています。

そんな訳で引き続き、来世ハードな乙女ゲームに転生した時のために、生き延びるためのスキルを磨くべく、日々頑張っていきたいと思います。
転生する乙女ゲームによってはお菓子作りと、刺繍、あと兵法もマストだしね!
是非ぜひハマッて、あなたの想像する乙女ゲーム転生を創造して見せてもらえたら嬉しいです! You can fly!

お読みいただきありがとうございました!


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