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喜安幸夫「仙左とお勢 裏裁き 悪逆旗本」(徳間文庫)

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 袖振り合うも男女の縁。路傍ですれ違っただけで、お互いに何かを感じた鋳物職人の仙左・二十五歳と三十路芸者のお勢。再会は、武家の子供をいたぶる狼藉侍三人から、鮮やかな棒術で仙左が救った市ヶ谷御門の街角。二人は偶然にも四谷伊賀町の同じ長屋の住人だった。次第に接近してゆく仙左とお勢。芽生える恋かと思えども、二人の関係は思わぬことに。
 武士社会の「切り捨て御免」など、泰平の世に許されないはずの不文律。『御奉行さまが目を瞑っても、お天道様が許しはしない』の義憤に駆られた仙左とお勢。二人を陰で支える徒目付の野間風太郎と、ご隠居の伊賀屋伊右衛門と甲州屋甲兵衛。本所の目付の松波作兵衛の屋敷で起こった不祥事と、仙左とお勢を密かに追う幕閣の大物から闇の手。武士社会の理不尽さを、見事なタッグで成敗する仙左とお勢。二十四年の歳月を経て巡り合った二人の行方に漂う暗雲に固唾を飲んだところで、お楽しみは次巻で。


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