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パリ五輪の女子卓球シングルス・日本代表決定の結末と課題

パリオリンピックの卓球🏓シングルス日本代表争いに、遂に決着が着いた。ポイントがダントツの早田ひな選手は、早々と当確。2位の平野美宇選手と3位の伊藤美誠選手。親友だった2人が、2年以上続く激烈な接戦だった。早田ひな選手が「なぜシングルス枠は3人でないのか?」と嘆いたほどだった。結果的にはラストステージとなった卓球全日本選手権で、平野美宇選手も伊藤美誠選手も早々と若手に敗退。その結果、平野美宇選手の日本シングル代表が確定した。


 このところ張本美和選手を筆頭に若手の台頭はすごい。今となっては、早田ひな選手が日本女子の実力No.1と言い切れるのかどうかもわからない。本音を言えば、平野美宇選手よりも張本美和選手が代表になった方が、中国勢は怖いだろう。


 それにしても中国勢に「大魔王」と恐れられた伊藤美誠選手の落選は、国内のみならず海外でも衝撃だった。伊藤美誠選手の不調の原因が、国際大会の連戦続きにあったと言われる。更にオリンピック選出基準が、これまでは世界ランキングだったのが、2021年9月からポイント制に変更になった。ランキング上位選手が連戦だった国際大会の実績が、必ずしもポイントに反映されない状況もあったと聞く。彼女の慟哭のインタビューは、聞いていて辛かった。
 今後の卓球界は、野球⚾️の投手100球制限ではないが、選手の健康保護という観点が必須ではないだろうか。そうでなければ第二、第三の伊藤美誠選手の悲劇を生む可能性がある。伊藤美誠選手は敗戦後のインタビューで、暗に引退の可能性も示唆していた。そのことがバッシングの対象となっていることは痛ましい。責める人には、伊藤美誠選手の2年間の苦労と懊悩がわからないのだろうか。しかし結果的には世界選手権団体戦メンバーに選ばれた。一時は世界ランク第2位まで上り詰めた選手。まだ23歳、もう一花咲かせて欲しい。それは15歳から日本をいや世界の女子卓球界を8年間牽引してきた、伊藤美誠選手の努力と実力と功績だからこそ。

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