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中村親方❎NHK

白鵬引退のニュースについては心が乱れてまだ書けない。もう少し情報が出てから、そして本人の記者会見を聞いてから書いてみたい。それとは別にここのところちょっと気になっていることがある。実況放送解説でよく登場する中村親方。現役時代は嘉風で、身体は大きくないのに小気味いい相撲取る、玄人好みの名力士であった。この中村親方が大相撲秋場所9日目の解説で、三瓶アナが「かど番の貴景勝はもう4敗ですが大丈夫でしょうか?」と言うと「そういう雑音も多く聞くでしょうが、私はやるべきことをやって頑張っていると思います」とチクリと反論。これに加えてやはり三瓶アナが相撲を格闘技と評すると「格闘技と言われると抵抗感がある」と懐疑を述べることにドキッ。
 以前の場所でも大坂アナの「貴景勝の綱取りが絶望的」に抗議したこともあり(大坂アナは「言っていない」と反論しかけたが、放送中の口論もまずいと思ったのか、やがて沈黙)、中村親方が解説で出演する度に何かあるのではないかとドキドキする。好角家の間では「深い思索」「よく言った」と好評。呟くような声なので、最初は聞き取り辛く思ったが、よくよく話を聞いていると、本当によく観察して深く考えてから発言している。一方で公共放送の場で、反論できない立場のアナウンサーを吊し上げるのもいかがなものかとも思う。こういう傾向は他の解説者にはほとんどない。NHKアナウンサーは品行方正かつ温厚篤実で、取材分野に博士またはスコアラー並みに勉強している。だからこそ中村親方の深い洞察と、NHKアナウンサーの博識がうまく噛み合って欲しいものだと願っている。

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