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勝武士のコロナ禍

高田川部屋の勝武士が亡くなった。竜電関の付け人をしたり、初っ切り出演で人気のあった三段目の力士。「人を喜ばせるのが好きだった」と同期の琴恵光関。まだ28歳で、日本では初の20代でのコロナ死亡者となってしまった。それもPCR検査や診察を、散々断られた結果との報。ご冥福をお祈りしたい。
 「医療従事者を応援しよう」という昨今、こういうことを言うと炎上するかもしれない。しかし横倉義武・日本医師会長の当初会見は、感染が広がる前から医療崩壊を警戒していた。事が起こる前から、世界情勢を見てパニックになっている。そこには患者を救いたいという意志よりも、医療サイドがトラブルに巻き込まれたくないという警戒しか、自分には伝わって来なかった。病院は明らかにコロナ罹病者を恐れている。だからこそ、たらい回しされた今回の惨状。あまりにも逃げ腰だったのではないか? 病院サイドにとって、コロナが怖いのはわかる。でも戦う前から、医療する心を失ってはいけない。
 勝武士の死に至った経過を見れば、自分たちが感染しても同じ目に遭いかねない。高田川親方(元安芸乃島)のような著名人が、診察を頼んでも、引き受けてもらえなかったのだ。まして、われわれのような一般人が頼んでも、病院は受け入れてくれるのか。そういう意味で、大好きな角界から死者が出たという以上に、背筋が寒くなるニュースだった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200513-00000145-spnannex-spo

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