斎藤栄「しまなみ海道殺人旅行」。軽井沢にある〈こころ探偵事務所〉の江戸川探偵長に、奇妙な依頼が舞い込んだ。水木京子の一人娘・あずまは都内の有名進学校の一年生。校内で書類ケースを取り違えたところ、中から学園を襲撃する計画を記したファイルが出てきたというのだ。校内では不穏な動きがあり、あずまは不安に駆られて何も手につかない状態だという。　
　本来なら優秀な学生を集めた進学校のはずが、校内の不穏分子の存在が、偶然にも露見する。恐るべき子供たちの名門高校襲撃計画。追い詰められた彼らは、秘密を知った交友を襲撃する。自暴自棄になった少年たちが、人生の清算に選んだのは故郷への里帰りだった。美しいしまなみ海道を舞台に、青少年の精神の不安定さと、窮地に陥った時の脆さが悲しいミステリー。
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