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プロに頼む時の心得

 物事を頼まれることの多い質である。これも持って生まれた性格だろう。若い頃は恋愛の仲立ち、夫婦喧嘩の仲裁。社会人になってからは就職の斡旋、出版の依頼、取引先の斡旋、有名人の知人の紹介。最近ではマーケティング、ノウハウ伝授、PCやLAN環境の設置、zoomのホスト、会計や監査などなど。しかし多くの人は割と安易に頼んでくる。特に仕事の依頼では企画書も書かずに口頭で頼んでくるので、こちらが企画書を書く羽目になる。だいたいが僕が斡旋しても何の得にもならないし、むしろ借りを作ることになりかねない。仕事や家庭以外での頼みを受けることは、忙しい毎日で結構な負荷になる。厳しい言い方をすれば、みんな自分の都合だけを考えて、相手のメリットは考慮しない。
 社会人になってから、契約についてわからなかったので、法学部のゼミの教官であった磯部力先生(当時は東京都立大学教授)に電話して質問した。教えてくれたが、その時に注意された。「社会に出たら、専門知識を相手に求めたら対価を払わなければならないものだよ」と。自分の身勝手さ、甘さが指摘されて心にズンと響いた。この先生には他にも人生を学んだ。「人生で妥協してはいけないことが二つある。それは結婚と就職である」。人生で最も長い時間を過ごすであろう伴侶と職場、もっともである。また元々職場の上司には「接待を受けることはある。だが奢られっ放しになるな。手土産を渡す、こちらが払う機会を持つなど心がけなさい」。先生と上司に教わってからは、取引で世話になれば報酬を払う、取引を開始するよう心がけた。恩を受けた相手が社内であれ友人であれ、成功しても失敗しても必ずお礼を贈るようにした。写真の中央が磯部力教授。私の結婚式に出席して頂いた時の写真。

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