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目黒シネマWスタア誕生

2019年に目黒シネマで「スタア誕生」と「アリー スター誕生」が二本立て。「スタア誕生」と「アリー スター誕生」は、ほとんど同じストーリー。実は「スタア誕生」という映画は「アリー」も含めて、3回もトリビュートされたそうだ。永遠の名作を、新旧二本立てにした、目黒シネマの粋な企画に拍手喝采を送りたい。
「スタア誕生」はジュディ・ガーランド主演。『これは観ないわけにいかない』と鑑賞。1954年の映画なので、もう65年も公開から経っている。175分とオリジナル版に近い超大作。自らの歌唱力を見初めた映画俳優ノーマン・メイン(ジェームズ・メイスン)に深く感謝し、愛して結婚したヴィッキー・レスター(ジュディ・ガーランド)。しかしスター街道を駆け上がったヴィッキー・レスターと裏腹に、ノーマン・メインは酒癖の悪さで失墜。今で言えば逆格差婚の状態に陥り、苦悩する夫婦の葛藤を描く。エンディングに涙。出だしの騒々しいこと、けたたましいこと。若きアメリカ、伸びゆくアメリカの原色パワーに圧倒される。凄まじいエネルギーに圧倒されて、画像の保存状態の悪さや雑音は途中から気にならなくなった。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/スタア誕生_(1954年の映画)
この映画を観るまで、ジュディ・ガーランドのことを全く理解できていなかった。そもそも歌手であって、映画俳優とは思っていなかった。「オズの魔法使」の挿入歌「Over the Rainbow」を歌っていることしか知らなかった。本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたり、ライザ・ミネリは彼女の娘で、ジュディ・ガーランド本人は薬物中毒だったとのこと。これでは映画そのままではないか。映画での夫の人生に、自分の生き地獄を映し出していた。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジュディ・ガーランド
引き続いて「アリー スター誕生」。自らのコンサートの帰りに寄った店で、アリー(レディ・ガガ)の歌声に聞き惚れた、中堅ミュージシャンであるジャクソン(ブラッドリー・クーパー)。おまけに彼は彼女の容姿のコンプレック(鼻が大きい)も美点として愛した。ジャックのステージに無理矢理引っ張りだされたアリーは、圧倒的な歌唱力で会場を沸かせる。ステージの評判を聞きつけたレコード会社のプロデューサーにスカウトされ、ジャクソンのバンドと活動を分かつ。その後アリーは、一気にスターダムを駆け上がり、グラミー賞新人賞を受賞するに至る。しかしその間にジャックは職業病としての難聴と、アルコールとドラッグ中毒で、療養所生活を送る日常となる。いつのまにか主客逆転した2人の関係(これ以上はネタばれになるので止めておく)。お互いを愛する故の哀しみが、心の水面にさざ波のように広がってゆく。
http://wwws.warnerbros.co.jp/starisborn/

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