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斎藤栄「産婦人科医の冒険」

斎藤栄「産婦人科医の冒険」。鎌倉の産婦人科医・甲賀陽一が名探偵ぶりを発揮するシリーズ。前作「産婦人科医の密室」で登場した花園和代は、身寄りがなくなり、鎌倉に引き取られた。その後、甲賀陽一の息子である陽太郎の妻となっている。こういうところが甲賀陽一の懐の深いところ。
嵐の夜、産婦人科医・甲賀陽一は、鎌倉警察署の中根警部より、緊急の依頼を受ける。七里ヶ浜の海岸で、全裸でさまよう若い女性を保護したので、診て欲しいという依頼。甲賀が現場に駆けつけると、張り番の警官が射殺されていた。女は暴行されて記憶を失っており、内股に刺青を彫られ体内からは「秘薬」が検出される。やがて女の意外な身元が判明。異常な猟奇犯罪は第二、第三の被害者を生み驚くべき展開へ。この作品でも性の玩具として弄ばれ、嬲られる女性たちへの、著者の義憤と犯罪を許さない確固たる意志が表されている。
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