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ペット誘拐(1&2)(2000字)➕誘拐事件(140字)

私は見知らぬアパートの前にいる。
目の前にあるのは、古ぼけたアパート。
廃墟のアパート。
誰も住んでは居ない不気味な代物。
私がここに来た訳は、・・・。

その日、私に一通の不審なメールが届いていた。
開けると、私の飼っているペットの写真。
メールには、この様に書いてあった。

「お前の大切にしているペットを誘拐した。
返して欲しければ、この口座に
五百万円を振り込め。振込を確認したら、
このペットの居場所を教える」

新手の誘拐事件だ!
まさかペットを誘拐するなんて!
ペットと言っても家族同様、見殺しには出来ない。
警察に報告しても相手にされないだろう。
私にとって、五百万はそれ程の金額でも無い。
犯人はそれを知っての行動であろう。
私が、金を振り込まなければ、
「ペットに餌を与えない」
とも書いてある。

1日も早くペットを取り返さないと、餓死してしまう。
しかし、どの様にして犯人は、私のマンションに侵入したのか?
私のマンションのセキュリティは万全のはず。
またどの様にしてペットを持ち出したのか?
私は疑問を持ちながら、指定された口座に金を振り込み
全てを完了する。
そして、教えられた場所がこのアパートであった。

アパートの4階の一室に、私の可愛いペットがいる。
「愛しのレミーちゃん。
待っていておくれ、直ぐに行くから。」
私は心の中で歓声を上げながら、階段を登る。
はやる気持ちを抑えて、4階まで辿り着く。
この4階の一室に僕のレミーがいる。
405号室、ここだ!
僕は、勇んでドアを開ける。

「レミーちゃん、待った〜」
と、言っても反応がない。
土足のまま部屋の中に入る、俺。

床に赤い物が流れている。
レミーの血?犯人の奴、レミーを殺したのか?
僕は怒りを込めて
部屋の引き戸を開ける。

私の目に飛び込んできた物は、
食い殺された犯人の姿。
その男はマンションの管理人。
管理人を美味しそうに食べる
レミーちゃん。

そうレミーはワニ🐊


ペット誘拐 2

噂で聞いたのだが、ペットを誘拐して身代金を
要求する事件があったらしい。
上手い事を考えたものだ。
ペットを誘拐しても、それ程の罪にはならないのかも知れない。
人間と違って犯人の顔も伝える事はできない。

その男は、ワニを誘拐して喰われたらしい。
馬鹿な奴だ。ワニ何て危険な動物を誘拐するなんて、どうにかしてるぜ。
俺ならもっと可愛いペットを誘拐する。
問題は、標的になる人物と、架空名義の口座だ。

私の努力の結果、ターゲットを見つけた。
ターゲットの名前は、西園寺静香。
如何にも良家の子女と言った感じだ。
名前に優しさを感じる。
彼女のペットは、ペルシャ猫。
俺は難なくペットを誘拐する。
貴賓を感じさせる、ペットだ。
これなら彼女は金に糸目は付けずに、
俺の言いなりだろうと、たかを括っていた。

「貴女の大事なペットを誘拐した。返して欲しければ、この口座に五百万円振り込め。
貴女の入金を確認できた時、ペットの所在を教える。
振り込みを確認するまではペットに餌を与え無い」
と、メールを送信し返事を待つ。
だが、待てど暮らせど返信は来ない。
俺は言った通り、餌はやらない。
悲しそうに僕を見つめるペルシャ猫。

「待ってろ、もう直ぐお前の飼い主から連絡が来るから」
と、ペルシャ猫を励ます、俺。

再度のメールを送り待っていると、
西園寺静香からの返信メールが届く。

「よかったわ、誘拐してくれって。
私はその猫に飽きていたところなの。
煮るなり、焼くなり好きにして」
と、書いてある。

何て薄情な女だ!
女の顔が見てみたい!
怒りが込み上げる中、僕は猫を見つめた。

哀れなペルシャ猫
その表情は、一部始終を知っているかの様に悲しげだ。

僕は、思わず泣いてしまった。

「お前も親に捨てられたんだね。僕もだよ。
これから一緒に暮らそう。
お腹が空いているだろう?」

僕はペルシャ猫に、僕が食べ残した餌を与えたが食べない。
見向きもしない。

「贅沢な猫だな!腹が減って無いのか?
お前、何が食べたいんだ?」
と、聞いたら買って来たばかりの刺身を見詰めている。

「これか?」と、刺身を見せたら嬉しそうに頷く
「これは、ダメだ、僕が食べるんだから!」
と、睨むと、悲しげな瞳で僕を観る。

「贅沢な奴め、昔飼っていた犬は、何でも食べたぞ」
と、説教しても知らぬ顔。
「仕方がないな〜。半分だけだぞ。」
僕は、刺身を半分皿に乗せ、ご飯も別の皿に置いて
差し出した。
嬉しいそうに食べる猫。
僕はその姿に癒される。

猫の食事が増えた為に僕の食事代が倍になる。
ペットを誘拐する時は、考えなければいけない。

僕は、前の男みたいにペットに喰われ無かったが、
ペットに餌代を喰われた。

でも、このペルシャ猫、本当に可愛い😍
一人暮らしが明るくなった。
「これからずっと一緒にいようね❤️」


追伸
ペット誘拐、実際に起こるかも知れませんね。
でも、ワニを誘拐するのは危険ですね。
さらに、贅沢な猫を誘拐するのは考えものですね。
この様な事件が起こらない事を祈ります。

追加作品

 誘拐事件(140字の小説)

誘拐されたと、妻が云う
「警察に届けましょう」
「警察に知らさせる?」
驚きを隠しながら、僕は警察に報告する

犯人の目的は何?
謎が謎を呼ぶ、誘拐事件。
捜査は困難を極め、結局事件は迷宮入りに。

犯人は血統書も付かない雑種犬を
何故誘拐したんだろう?

「子犬下さい」と一言
私に断っていけば良いのに。

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