[第4回・前編] 第3回講義の復習

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第4回目の前半は、前回の講義
・「チケット転売は禁止するべきか --- 部分均衡分析」
の後半で扱った理論分析を復習し、より詳しく説明しました。

【板書】支払い意欲(W)、留保価値(V)、所得(I)の関係を整理。
第3回<後編>でまとめた内容を丁寧に解説しました。

では、IとVがそれぞれ独立に「0~10万円に一様に分布している」という仮定の下で需要曲線を導出するにはどうすれば良いでしょうか?

・D(P):価格Pにおけるチケットの需要
=支払い意欲(W)がPを超えている消費者の総数
=留保価値(V)と所得(I)がともにPを超える消費者の総数

という関係を考えると、左下のグラフの赤い正方形に囲まれた領域に対応する消費者数が需要D(P)になります。全体の消費者の人数を(大きな白い正方形の面積である)100とすると、この需要は赤い正方形の面積に一致するので

・D(P) = (10-P)×(10-P)

となります。もともと、(ii) 市場で需要と供給が釣り合う価格は5万円と仮定していたので、そのときの需要D(5)5×5=25と求まります。すべてのチケットが最終的に誰かしらの手に渡る(無駄が生じない)状況を想定すると、全体の消費者のうち25/100つまり1/4がチケットを得ることができるわけです。

以上の分析から、もし仮にチケットをランダムに (i) 行列・抽選で配った場合には、各消費者は25%の確率でゲットできることに注意してください。詳細は割愛しますが、右下の青字で書かれた数式に出てくる1/4はまさにこの値を表していて、25はチケットの総数(あるいはチケットを獲得できる消費者数)に対応しています。

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