見出し画像

ボクが勝手に選ぶ”泣けるほどエモいオススメの曲”

薄暗い部屋で、目を閉じて、チャンダンのお香を焚きながら、ひとつ深呼吸をし、全身の力を抜いて「聴く」。

人間の奥の奥にある何とも言えない感情が鳩尾(みぞおち)の下からじわじわと溢れ出るような、何ともいえない感覚に包まれる。
ボクはそんな”エモい曲”が好きだ。

以前、bachoに関する記事と、三上ちさこに関する記事を投稿したが、それとはまた別に、”泣けるほどエモい3曲”を紹介したい。初めて聞いたときに、ボクの頭の中に思い浮かんだ情景とともに。

*DJ OKAWARI / Luv letter*

ひとつの出会いと別れ。
降り出した粉雪の中で、それを入口から出口まで思い返す。そのストーリーの中には、喜怒哀楽全てが詰まっていた。あの時の思い出、過去の記憶が鮮明に蘇り、寒いわけではないのに肩を震わせている。

DJ Whitesmith / Piano In The Dark

寒い冬の夜空の下。林の中の開けた場所に1台の古びたグランドピアノ。そのピアノを薄汚れたドレスに身を纏った綺麗な女性が哀愁と絶望に包まれながら奏でる。凍てつく指先。それでもその女性は止めることなく、鍵盤を叩き続ける。聴衆はいない。誰のために弾いているのかもわからない。それでも女性は、鍵盤を叩き続ける。

envy / Chain Wandering Deeply

人間の潜在意識の中に眠る孤独・恐怖・憎悪・哀愁・自責が静寂の中から突如現れる。そして暗闇のなかで、この湧き出た感情を抑えきれない悔しさと葛藤が始まり、いくつもの混沌の中で、もがきながら歩いていく。

envyは日本のカオティック、ポストハードコアの代表的なバンド。ボク個人としては、この曲が収録されている「A Dead Sinking Story」(2003)以降のenvyがとてつもなく好きである。


この3曲、きっと聴衆それぞれ思い描く情景は違うと思うが、心の奥底に眠る”何か”が湧き出してくるのではないだろうか。

もっともっと、エモさを追求した音楽と出会ってみたいが、きっとこの曲達とは、いつまでも離れることなく、付き合い続けるだろう。

「聞かないで聴いてください」

この言葉は「naan/善悪無記の形相」のCD帯に書いてあったキャッチコピー。 ”エモい曲”とはまさに、このことだと思う。

-------------------------------

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?