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【高橋 純郎】2022.4.3 UCI Gravel World Series Bongabon Philipines 40-44 13位

お久しぶりです!
Philippinesに来ています。今日が最終日、帰国便の中でこれを書いています。
コロナ過でレースから離れている間に交通事故で肩の靱帯断絶したり結婚して姓が変わったりと、いろいろありましたが1年ぶりくらいでしょうか。身体も随分重くなりました💦

今回は、2月に納車されたグラベルバイクでオフロードデビューしたばかりで走ったレースレポートをお届けします。※旅行記は別記事で。

リザルト

UCI Gravel World Series Bongabon Philipines
Age 40-44 13/53位 Qualified

試走

前夜は移動といろんな疲れでぐったり。レース前日、起きてから準備を進める。宿の前はコースだ。がったがたの砂利道、こっちではちゃんとした生活道路なのだが。
試走をはじめてスタート地点に向かう。そこから改めてトレースしようと動くといきなりコースから外れる。コース図とGPSをみて二人で悩む。
あぁ…川…川を渡るのね…その後予想を大きく超えたアドベンチャーライドとなり結果4時間ほどコースを走る。ランチまでは食べたらショートカットして帰ってもいいかなと思ってたけど、このコースは走るべきだなと思い直し無理のない範囲で高岡さんについていった。ゆっくりなのにキツイかった。。。

試走中 ホテル前を通過

チェーンのオイルが完全に抜けたので、受付会場の機材サポートにお願いし軽く洗車とオイルを塗ってもらった。
今回、買ったばかりのハイドレーションバックも使うことにした。ボトルのほかに飲み口がなるべく清潔な状態で水分補給できるようにしたいのと、重い工具と予備チューブを入れるためだ。お腹壊すのは避けたい(学生時代のカンボジア帰りの悪夢を思い出す)

宿に戻り、Greg特製ディナーフィリピーナディナーをがっつり頂き、明日に備えた。

レース

レースは年齢カテゴリごと5分おきのスタートだ。僕のAge40-44は6時10分スタート。僕は最前列に位置取りした。スタートして200mで川を渡り、土手へ登る深い砂と砂利の急坂でここで詰まる可能性もあるからだ。

陽気なリズムとMCで、どこから来たのとインタビューされる。久々の緊張感とわくわく感で気持ちが高ぶる。周りを見渡たすとMTBが多い。PhilippinesではMTBが一般的だと聞いた。
一息ついてカウントダウン...GO!
クリートキャッチに手間取る...

水攻めコース

コースは90%不整地で、山あり川ありなんでもありのアドベンチャーな設定になっている。が基本水攻め。

河原から水深の浅いコースを水しぶきを上げて走り、砂利の急坂をインナーローで駆け上がる。10番手以内で入れた。

スタート直後 ©UCI Gravel World Series Philippines
崩れやすい砂利の急坂を登ろうとする僕 ©UCI Gravel World Series Philippines

土手の上は優しい砂利道だが、向かい風、先頭集団とはギャップが少し生じたが、合流し8名くらいで先頭集団を形成した。

風は山から強く吹きおりてきている。この辺りは常に風が強いとGregが言っていた。

5kmから3㎞弱平均8%最大16%の赤い壁が現れた。路面は赤土。ところどころ穴や大きい石が浮いている。いきなりの16%の急坂に集団は粉砕された。早々にに歩いてクリアする選手も。
僕は壁の中盤で前が詰まって降りて押して歩きクリア、そこから淡々と登り5番手くらいで進んだ。

Left/Rightと声をかけて、前のクラスの選手たちに声をかけて道を開けてもらう。登りの終盤で5分後にスタートした高岡さんが颯爽と抜いていった。
独走...

登り終えてシングルトラックの下り、転ばないように自分がコントロールできる速度(ゆっくり)で走りざるを得ない。昨日の試走ではじめてこんな道走ったんやから...。下りで8名くらいに抜かれた...。登りで抜いた同カテゴリの選手たちも3名くらいいたかな、速い(自分が遅い)。でも試走とレース中早い人のコースどりをみながら真似るように走った。

下り終え、小川を遡上し、なんどか川を横切り、10㎞も走れば…もうぐちゃぐちゃだ。前方で砂煙を上げて走る4人の集団、こちらは一人、後ろもほぼ居てない。先が長いのでマイペースを心がける。

試走中 コースで寝てたヤギを起こしてしまった
よくある川を渡らせられるシーン©UCI Gravel World Series Philippines

現時点のフィジカル(太弱)とスキル(オフロード初心者)、レースレベルとコース特性(集団はできない)を考え、とにかくペースを維持してトラブルなくゴールまで行くことを優先した。Age10位以内は狙えそう。

貴重な舗装路はエアロポジションで省力でスピードにのせつつ補給タイムで、グラベルは淡々と。半分くらいまではほとんど単独で走っていたと思う。

ちょうどパンク修理を終えたばかり地元の有力強い選手(813 David)がダッシュして駆けていく。
脚がある選手だ。が、しばらくするとまたパンクしていた。南無…パンクする選手はなんどか見かけた(この時点で前はさほど多くない)。

しばらく単独で走っていると、また修理を終えたDavidに後ろ二人がくっついて抜かれた。速度差がある。が、その後ろの一人はスペシャのロードE-BIKE(仮名Ebiker)だ…よな…あれ….。独特なBB付近の形状…

しばらくして今度はグラベルで同じカテゴリの力強いライダー(421 MACARAIG)+2人に追いつかれ、ここは合流した。少し垂れてたみたい。
1人遅れて3人で行く。残り45kmくらいか。またDavidがパンクしていた。南無…

中盤に同カテゴリでまとまった©UCI Gravel World Series Philippines

ペダルを回せないほどの凸凹が続く田畑のあぜ道、のどかな田園風景が広がり、水牛やヤギがのんびりとコース脇に(時にコース上に)佇んでいる。気温は33度くらいか、山から吹き降りる強い風に、湿気もあまりなく数値ほど辛くはない。
ここBongabonは農業が主要産業で米にコーン、たまねぎ、ニンニクなどが有名らしい。トマト栽培もよく見かけた。今も水牛が農耕を手伝っている。
村の中の細いルートを走れば、みんな総出でとても大きな声援を送ってくれる。手を振り、タッチを求めてくる。水やゲータレードを握り、僕たちに渡そうとしてくれる。

これだけで走りに来てよかったなと感じさせられる。

ローカルたちが迎えてくれる©UCI Gravel World Series Philippines
コーン畑だろうか©UCI Gravel World Series Philippines

犬が何度も飛び出し、現地仕様のサイドカー付きバイクが道をふさぎ、細い道でトラックがスタックしている。水牛のふんやいろんなものが落ちている。

この活気と暑さとにおい、そして雑多さ。

あぁ東南アジアだ、いま確実に東南アジアにいる。

数キロkmほどで421MACARAIG選手と二人になる。彼はグラベルも僕より上手でパワーと判断力でぬけてゆく。ふたりでいくつかの川を越え、河原の砂場、田畑のぬかるんだ道で泥や水をかぶる。

残り35kmくらいのところで彼はチェーンオイル塗ると言いストップ。10秒ほど待つが時間がかかりそうだったので先を急いだ。ごめん。
でもこの後にも水攻めは続くので、焼け石に水だろう。僕のバイクはチェーンがギーギー鳴っていた。

ここからはほぼゴールまでほぼ単独で進むことになった。深めの小川を走るコースの入り口でEbikerを抜き返す。
女性のMTBerと小川を漕ぐ。

ここ。これは前日試走中の写真 前を高岡さんがゆく

とにかく集中。周囲と路面に注意が必要なのだ。
とがった石や、深っかい窪み、なんでもござれなので、気が抜けない。ほんと気が抜けない。

けど身体は暑さと振動で疲れてる。手が痛い。

滞在先のホテルの前を通過し、土手上の追い風区間。ここはスピードに乗る優しいグラベルだ。一度ゴール地点上(ゴールは土手の下)の村の路地を走る。トラックが道をふさいでる...止まってゆるゆると隙間を抜けて走り通りに出た。ここで残り20㎞ほど。もうずっと単独で、見晴らしの良い土手で後ろを確認してもライダーは抜いた数名のライダーのみ。

ここからは未知の区間だ。前日の試走はここまでだった。貴重な舗装路は若干の登り基調と向かい風、MTBerたちを抜き淡々と進む。残り距離も少なく元気が出てきた!脚も心なしか軽くなった。

すぐ曲がり、グラベルに入る。若いグラベルロードのライダー(仮名 サム)に抜きかげ声をかけ、少しだけ共に走った。そして長い用水路が現れた。田んぼの間にある農道兼農業用水路。

出たな。水攻め。コースの矢印はそこを行くように向けられている。

試走中に撮影©高岡さん

深いところはインナーローで、浅いところは少しだけ上げる。前を二輪車がゆっくり走っていた。
水がないところもあり、ぬかるんだ轍になっている。もちろん大きな石も転がっている。サムは僕の後ろで、興奮している様子だ。そしていなくなった....前には、……………..点………..点…………………と選手がいるように見える。
ようやく用水路を抜けたら...荒めのダートと砂利区間、リアからゴツゴツとこれまで違うインフォメーションが伝わってきた。進まない。

パンクだ。。。残り10~12kmくらいと思う。タイヤはグラベルキングSK43Cのチューブレスだ。しっかりシーラントも入っている。しばらく走って広いところに停車し、空気を入れた。直ってくれ。

その間にサムが何かを一言言って抜いていく。

走り出すと、最悪なことに大き目なごろた石区間でバイクを壊さないよう走った。また空気が抜けた。1km持たない。普通の砂利道ならどうにかなるけど、このレースのほとんどの荒れたダート&石の道ではキツイ。ゴール地点あたりで抜いた女性MTBerに抜かれた。パンクしてるぞ、これを使ってと抜きざまに大き目の携帯ポンプをドロップしてくれた。
ありがとう!!
それを拾い止まり、スペースを探して2気圧まで空気を入れる。

その時だ。オイルを塗るために止まって置いていった同じクラスの421MACARAIGとそのもう一名同じクラスに抜かれた。
ぐぬぬ...でも結構差がついていたんだな...

パンクに気づいてからチューブを入れて治すか悩んでいた。気づいた時点で残り10~12km、タイヤは完全には空気が抜けないがサドルに座るとタイヤがつぶれる。
・チューブを入れてもまたパンクしてロスするリスク(このコースの特徴とこの後トレイルもある)
・焦ってパンク修理に失敗するリスク
・チューブレスのパンク修理経験も少ない。
スペース探してスムーズに修理して10分くらいのロスか、そのまま走って10分くらいかと天秤にかけて後者を選択した。シーラントが回って穴がふさがるんじゃないかという淡い期待もあった。

結果としては、前者が正解だったと思う。

さて、空気を入れて再スタート。けど入れても1㎞は持たずぽよーんぽよ~んになる。そのまま、河原で水攻め、ダート、そして丘ごえのトレイル。何度か空気を入れては抜かれる。。。パンク仲間のDavidが抜いていく。

僕はスピードに乗らず暑さもありぐったり...

残り2km ようやく河原に出た。なぜか僕の後ろに3名くっついてる。追い風の優しいグラベルだ。ここなら普通に走れスピードに乗る(リア潰れてるけど)またDavidを抜いた。またパンクしていてそのまま走って苦しんでた。わかるぞ...うん。僕も今まさにその状態だ。彼のタイヤは完全に空気が抜けているように見えた。

ゴール前、スタート直後に上った土手を降りて、河原から川を横断する。同カテゴリはいないので前走者と間隔をあけて、写真にうつるようゴールしよう。
と後ろから叫び声をあげてまくってくるのがいたので、しょうがないからペースを上げて前走者も抜いてゴール。

ヘロヘロである。膝に手をつき息をつく。
今回現地で帯同してくれたGregと日本で全面サポートしてくれたNashのフィアンセが迎えてくれ助けてくれた。

パンクしてからが本当に長かった。終わってみてどうだったか。
残り10-12kmほどでパンクし、5回ほど停止して空気を入れたがパンクしたままゴールまで走って抜かれる一方だった。ロスした時間はわからない。残念だがこれも経験である。

さて、走り終えて、また走りたいかと聞かれれば、是非とも走りたいと答える。

とても楽しかった。ほんと楽しかった。

自転車の楽しみ方は広げようと思えばいくらでも広がる。

動けばよいのだ。興味のあるほうに脚で向かえばよい。チャレンジすればよい。改めてそう感じた遠征であった。

今回、一緒に遠征した高岡さん、遠征を支えてくれたチームメイトで遠征パートナーの福田さん、RX&CoのNashとそのフィアンセさん、そしてフィリピンで最初から最後まで献身的なサポートをしてくれたGregには心から感謝を。ありがとうございました。

そして運営で何度もメッセージで相談に乗ってくれた現地の運営スタッフにも感謝を(レース後メッセージした)

リアはつぶれてる©Greg Galicia
うなってる©Greg Galicia
疲れた!と叫んでる©Greg Galicia
Gregと。Thanks!!©Greg Galicia

機材

・Specialized S-Works Crux 2022 
・GRX 2(48-31)X11(11-34)
TERRA CL 
・GravelKing SK 43C Front 1.9Bar Rear 1.9Bar
 パンク原因はサイドからの空気漏れか?

補給

・パラチノース+ポカリスエット * 2
・ハイドレーションバック 水700ml
・SIS Go Isotonicエネルギージェル60 ml(87kcal) *4
・TopSpeed 20g *3
※固形は持ち忘れ…十分だったけど

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