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【No.001~No.050】大岡俊彦さんのプロット練習 ひとまず50本

上記の大岡さんの記事を見て、一日5本のプロットを書こうと決めて十日経ち、50本できた。100本目標なので、折り返しまできたことになる。「誰にも見せない前提で書くと、だらけてやらなくなる」という自戒の意味も込めて公開。

ルールは簡単。
・一日5本プロットを書く
・最低でも三行(Aな主人公が、Bと出会い、Cする話)
・バッドエンドでも未解決でも、つまらなくてもいいから、話を必ず完結させる
・二時間確保し、時間が余ればディティールにこだわっても良い

最後に書いてある所感は、そのとき思ったことのメモ。あとで見返して、お話しづくりのコツになったりしないかな、と。

練習内容に関して、詳しい人が何かいろいろ指摘してくれないかなぁ、なんて甘いこと考えています。すみません......。

1日目

No.001
主人公は姫を助けるために戦う。
同時に友人も助けようとしてしまい、
姫を助けられない。

No.002
主人公は多重人格のヒロインと出会う。
たくさんの人格に翻弄される。
主人公は成長してどの人格とも仲良くできるようになり、二人は結ばれる。

No.003
主人公は人間嫌いの竜。
仲間に裏切られて翼を千切られ、地を這って復讐の旅に出る。
人間の一団と出会って一緒に旅をして、
人間たちの協力のもと復讐を遂げ、人間に寄り添って生きるようになる。

No.004
嘘のうまい男が嘘を見抜ける女と出会う。
二人は恋に落ちるが、
別れる。

No.005
初恋を引きずる男の隣に、
初恋の女性(人妻)その人が引っ越してくる。
男は初恋の女性に告白し、玉砕する。

所感:
初挑戦。もともと温めていたストーリーや、過去に書いた話を参考に書いた。が、苦しい。たった数行なのに全然進まない。
「こんな話どうやっても広がらない」「明らかにつまらない」などと考えてしまって、手が止まり、考え直す作業ばかり。
すでに構想があったストーリーであればすらすら進む。PCの前で一から考えるのは効率が悪い。

2日目

No.006
スポーツ特待生の男子高校生が、
美術部の女子に恋をして、
スポーツをやめて美大に進学する。

No.007
若いころ彼女と死別した中年の男が、
女子中学生と出会い、
新しい恋ができるようになる。

No.008
周りを見下している陰キャ女性司書が、
根は真面目なギャルと出会い、
恋に落ちる。

No.009
毒があるため周囲から嫌われた蛙が、
嫌われものの大蜘蛛と出会い、
共生関係になる。

No.010
金のない男が、
友人から金をだまし取り、
娘の病気を治す。

所感:
妻にネタ出しを手伝ってもらってできた(反則か?)。
「こんなキャラで考えてみて」とお題を渡されると、すらすら進むことが分かった。
「あるキャラの欠点がどう直るのか」と考えればすんなり出来上がる。
しかし見返してみると恋愛モノばっかりだな……。ワンパターン。

3日目

No.011
自分のことだけを考えていた絵描きが、
仲間たちの献身によって自分が成功していたことを知り、
仲間のために築いた地位を捨てる。

No.012
怪物殺しで生計を立てていた男が、
最弱の怪物に命を救われ、
その怪物と協力して全てから逃げ出す。

No.013
自由活発な少年が、
恐ろしい母に叱られ、
家から出られなくなる。

No.014
堅物のタクシー運転手が、
結婚式に遅れそうな新郎新婦のために、
交通規則を破る。

No.015
常にイライラしている男が、
嫁が死んだことでイライラしなくなり、
自殺する。

所感:
「まずは三行くらいの骨組みを五つ作って、時間が余ればディティールを詰めていく」という進め方をしている。
しかし骨組みが気に入らなくて何度も直すため、いまのところ三行以上膨らまない。

漫画や映画に出てくる好きなサブキャラをメインに据えたとき、どんな話ができるかを考えると、スムーズに進んだ。でもこんなやり方いいのだろうか。ずるをしているような気がする。人のアイデアに乗っかってるだけのような……。

4日目

No.016
なよなよしていた高校生が、
親しくしていた友人に裏切られ、
自分を守れるのは自分だけだと気づく。

No.017
予知能力のある主婦が、
我が子が将来大量殺人鬼になる未来を予知して、
自分の子供を殺す。

No.018
とりえのない高校生が、
なんでもできる格好の良い友人にあこがれて、
片思いの相手に告白して玉砕する。

No.019
神様に先払いで「モテたい」という願いを叶えてもらいモテモテになった童貞は、
「女性に触れたら元に戻る」という対価があることを知り、
セックスを諦めてモテ続ける人生を送る。

No.020
平凡な大学生は、
こたつに宿った幽霊に捕まりこたつから出られなくなるが、
幽霊の要求を読み取り、解決して脱出する。

所感:
苦しい。アイデアが出てこない。絞り切った雑巾か。
どうしても出てこないときは「以前に書いた話」で埋めているが、ストックが残り少なくなってきた……。
というか、以前書いた話をこうして分解してみると、なんとも面白くなさそうだ。かなしい。

5日目

No.021
超イケメン超金持ちの愛人が、
自分が18番目だと気づき1番になろうと奮闘するが、
虚しさを悟り愛人をやめる。

No.022
ハンドルを握れなくなったプロドライバーが、
事故で怪我をさせてしまったライバルと向き合い、
トラウマを克服し優勝する。

No.023
周囲に頼り切っていた少年が、
両親の死に直面し、
一人で生きていく。

No.024
引っ込み思案だった優しいだけの主婦が、
ご近所トラブルに巻き込まれ、
子供を守るために戦う。

No.025
引越し直後に事故で記憶喪失になった青年が、
元の住所や友人をたどり、
失恋によって引っ越したのだと思い出す。

所感:
誰かに話したり、口に出すことで形が定まっていくことが良く分かった。「優しいことが悪いことだとしたら?」「運転上手い人が運転できなくなるとしたらどんな話?」などなど。
これはテーマから考えていることになるのかしらん。
しかし相変わらず三行作るので時間を使い切っている。面白いのかどうかも分からない……。こんな調子で大丈夫か。

6日目

No.026
超エリートサラリーマンが、
平凡な女とうまく生活するために能力を隠すが、
破局する。

No.027
売れないピエロの少年が、
凄腕の元ピエロのおじいさんと出会い、
共にステージで脚光を浴びる。

No.028
伝統ある農業を営む実家を捨ててラーメン屋を始めようとした男が、
妻の遺品の腕時計のイニシャルが自分の名前ではないと気づくが、
開こうと予定していたラーメン屋の名前だと突き止める。

No.029
平凡な男が、
妻が鹿をはねたことで鹿の霊にのっとられ草しか食べなくなったため、
シャーマンになり妻を救いだす。

No.030
ヘビとカエルの戦争に巻き込まれたナメクジが、
人間と出会い、
争いを仲裁する。

所感:
友人にお題を出してもらい、三題噺のような形式で行った。しかしその際に友人がいろいろとストーリーを考えて話してくれたため、それに引っ張られてしまい、純粋に自分だけで作ったとは言えなくなった。助けてもらったら練習にならないだろう。
次回からは、自分一人の力で進めるように心がける。
それにしても、発想もいよいよ限界が近づいてきた感じがあるな……。

7日目

No.031
呪いで女になってしまった少年が、
孤独な少女と友人になってしまい、
少女のために呪いを解かず女で居続ける。

No.032
複数の女性を好きになった男が、
地位と名誉と金を手に入れてハーレムを成立させるが、
女に刺されて死ぬ。

No.033
青年は事故で両親を失い、
幼い妹のために「親は生きている」と嘘をつくが、
実は妹も事故で死んでおり、すべては妄想だったという事実に気付く。

No.034
嫁と喧嘩した男が旅に出て、
昔付き合った元カノたちの元を訪ねるが、
帰ってきて嫁と仲直りする。

No.035
人の恋路を見守ってきた縁結びの神様が、
人間に恋をして、
人間に生まれ変わって結ばれる。

所感:
・ことわざ辞典を見ながら話を考えた。とっかかりが無い状態でPCの前に座っても難しい。
・死んでしまった、助からなかった、など、悲劇で終わらせると楽な気がする。なぜだろう。

8日目

No.036
息子とうまくいっていない父親が、
自分の死を偽装して息子を帰省させ、
仲直りする。

No.037
怒ると鬼に変身してしまう妻をもった男が、
鬼退治に来た侍と戦い、
侍を倒す。

No.038
蚊に刺されまくる体質の女が、
研究者になり蚊を絶滅させるが、
生態系が修正され蚊以外の生き物が蚊の役割を果たすようになる。

No.039
物を捨てられない男が、
両親の死を経験し、
古くなった実家を解体する。

No.040
月から降りてきた姫が、
宇宙飛行士になり、
ロケットで月に帰る。

所感:
三行で精いっぱい。膨らませる余裕がない。
膨らませても面白くなさそうだと思って手が止まってしまう。

9日目

No.041
口先だけの男が、
悪と戦うために嘘とはったりを駆使して仲間を集める。
途中で嘘がばれてバラバラになるが、
嘘を本当にしようと男は努力し、
仲間に真に認められ、
協力して巨悪を倒す。

No.042
正直な男が、
借金まみれの友人を助けようと奔走し、
孤独に死ぬ。

No.043
魔王を倒して平和を勝ち取った勇者が、
平和になったことで人間同士で争いはじめた人々を見て、
自身が新たな魔王になることで人間同士の争いをやめさせ、
新たな勇者に倒される。

No.044
同性愛者だけの世界に迷い込んだ高校生男子が、
美人のクラスメイトに告白し、
元の異性愛者の世界へ戻る。

No.045
自分のことにしか興味のない女が、
生き別れの兄弟と再会し、
自分を犠牲にして友人を助ける。

所感:
身近にいる嫌な人のことを考えると、それがとっかかりになり話が進む気がする。その嫌な人がいい人になるにはどんなストーリーが必要か、というふうに考える。

でも設定を先に考える癖は抜けない。こんな異世界だったらどうか。こんな変な奴がいたらどうか。こんな魔法が、能力があったらどうか。
でもそこから頑張ると、出来上がるのは「お話」ではなく「設定資料集」という悲しみ。

10日目

No.046
人を殺した男が、
報復に息子を殺される。
息子を殺した相手を殺し、
最後は自分も殺される。

No.047
家をないがしろにしていた放蕩な青年が、
腹違いの兄弟姉妹と出会い、
両親の葬式をする。

No.048
へたくそな歌を歌う少女が、
セイレーンの元で練習して「聞く者の命を奪う」ほど上手くなり、
安楽死の施設で働く。

No.049
自分の親の葬式に出なかった女が、
事故に遭い、
子供の葬式をする。

No.050
童貞喪失に失敗したイケメンが、
男性恐怖症の女と出会い、
新しい恋をできるようになる。

所感:
三行で時間いっぱいかかってしまうのではなく、三行書いたら時間が余ってても詳細を詰めなくなる、ということが分かった。完全に力尽きている。
お盆のせいか、死とか葬式を絡めてストーリーを考えた。しかしあまり膨らまなかった。たぶんおもしろくない。
あと、気が付けば男性を主人公にしている。女性を主人公にすると、「申し訳なさ」というか「だれかに怒られるんじゃないか」という気分に襲われる。女キャラを主軸に書く自信が無いからだろうか。


50本分の所感

ひとまず、ひといきついた。
で、続けていると、要素が違うだけで同じ話を書いている気がしてくる。

Aという欠点のある主人公が、

Bという正反対のキャラ(あるいは環境)と出会い、

Cを成し遂げて(あるいは失敗して)、

最後には欠点を克服する(あるいは克服できない)。

という公式だ。なんとか別のパターンを考えても、結局ここに戻ってくる。
ストーリーってもう全部これに当てはまるんじゃないか? とさえ思えてくる。
(いやいやそんなことないだろう。推理物など、謎を解くことが主題の話は、主人公の変化が前提ではない。金田一もコナン君も話の前後で変化しない。)

さて、一つ疑問が生まれた。
もしかして、プロットがしっかりしていれば、構成する要素がどうであっても面白さは保証できるのか?
もしそうなら、プロットを作った後に、出したいキャラとか、異なる世界の設定とか盛り込んでも、面白さは損なわないのかもしれない。

設定を考えてから、そこに合う物語を考えるのではなく、
物語を考えてから、そこに合う設定を選べば……。

……なんか教本に書いてある通りのことを、さも自分で思いついたように考えている気がするぞ。大丈夫か。

まあいいや。とにかく、後半50本も頑張りましょう。

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