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定食屋のおかみさん=Andy Warhol説

ゴロっとした甘酸っぱいみかん、まだほんのり暖かい焼き鮭。体調を崩した僕におかみさんが届けてくれた。弱った心の一人暮らしには、胸にこみあげるものがある。

この定食屋はごくごく最近通いはいじめた。駅からも離れた住宅街に唐突に現れる。メニューは1つ!野菜たくさん、薄味が嬉しい和の定食。それがたったのワンコイン。最初は看板を見て安さにびっくりした。

一人で切り盛りするのは70代のおかみさん。ハリのある声に、キリッとした頭の回転、若い頃には起業して多くの従業員をまとめていたらしい。

客の年齢層は50−70代くらいか。高齢者や、仕事を終えた世代の憩いの場ともなっているみたいだ。常連の明るい声の男性客が、どうもどうも〜と言いながら席についていく。

おかみさんは、はじめて訪れた人にも親戚の様に語りかけてくれる。「るいくん、今日は焼き魚はどれにするー?」「はい、たけのこ最近獲れたからサービスね!」美味しい天ぷらがついてきた。

体調を崩し、しばらく行けてなかったら電話をしてくれたおかみさん。美味しいみかん仕入れたから、もってくよー!と。こんなふうに、人に与える事ができる人、尊敬の念があふれんばかりんぐです。何年も自分の事ばかり考えていた自分との行動の違いが浮き彫りになりんぐです。

「いやもうね、この歳になると儲けなんて考えないのよー!」

おかみさんは明るいパワーを振りまく。

ヤンキーがコンビニに集まる様に、女子高生がプリクラに集まるように(古)、近所の人がこの定食屋に集まる。このコミュニティーを作っているおかみさんは、アンディーウォーフォルだ。Factoryを作って人を磁石の様にくっつける。

コミュニティには人を惹きつける何かが必要だ。それがこの定食家の場合はおかみさん。おかみさんは圧倒的に人に与える人間。。

そうひとに、わたしはなりたい。。

みかんを頬張って切実に思う5月。

完。





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