八木類

ミュージシャン・作曲家です。 https://neichur.bandcamp.co…

マガジン

最近の記事

カセットテープのアルバムはかわいい

かわいくて味のある音、カセットテープ。 そのアルバムが発売になりました。 タイトルはスペース・ドーナツ・デリバリー ここ数年に影響を受けている環境音楽、即興音楽。また人と集まる機会も減り、病気をしたこともあり、一人でもつくれる音楽をと思ったことがきっかけではじめたプロジェクトです。 アートワークとロゴデザインは才能溢れる蛯子ユウキ@evkuk によるものです。Video Directorの彼は、大作のドーナツ映像も手がけてくれました。こちら コンセプトは、未来のAIの

    • 友達の家のような喫茶店in京都

      この前、京都のブライアンイーノ展にいったんですよ。 来た甲斐があったなあと思いながら、スマホで喫茶店を探して 出てきたのが喫茶文六。 建仁寺の近く、あじき路地という町屋長屋にあるとのこと。 路地の入り口の看板をみると、お店までスキップ20歩と書いてあって。 よし!と友達が元気にスキップをして進んでたら、若い方とすれ違って あ、それうちの店です笑。 と話しかけてくれて、入店。 7席ぐらいのお店で、昭和の親戚の家のような懐かしい雰囲気で。中にはレコードもあって、ものすごく

      • 定食屋のおかみさん=Andy Warhol説

        ゴロっとした甘酸っぱいみかん、まだほんのり暖かい焼き鮭。体調を崩した僕におかみさんが届けてくれた。弱った心の一人暮らしには、胸にこみあげるものがある。 この定食屋はごくごく最近通いはいじめた。駅からも離れた住宅街に唐突に現れる。メニューは1つ!野菜たくさん、薄味が嬉しい和の定食。それがたったのワンコイン。最初は看板を見て安さにびっくりした。 一人で切り盛りするのは70代のおかみさん。ハリのある声に、キリッとした頭の回転、若い頃には起業して多くの従業員をまとめていたらしい。

        • Monome Norns Shield 使い方メモ

          小さくて面白い機材 Nornsを手に入れた。オーディオのリアルタイムサンプリング、グラニュラー、ルーパーの実験的機材として活躍しそう。取っ付きにくく難しいので、仲間を増やしたい。 Nornsはスクリプトを動かす。スクリプトは有志が集まって大量に好きに作っている。その中でもinfinitedigitsのスクリプトが音楽的で面白いのでおすすめ。barcode, BLNDR, ooooooとかなにいれても楽しい変化がつく。 Infinitedigitsのインスタ https:/

        カセットテープのアルバムはかわいい

        マガジン

        • 3本
        • 1本

        記事

          「ロサンゼルスのバス停 #3」

           ターニャと階段を登り、グリフィス天文台の広々とした屋上に出る。映画やテレビで見知ったそのままの景色だ。ピンク色の空の向こう側に太陽がゆっくり沈んでいく。観光客は思い思いのポーズで写真に収まっている。遠くに見えるあの白く大きなサイン。ーHOLLYWOOD。京都の五山送り火の大文字といい、山に浮かぶ巨大な文字にはどこか惹きつけるものがある。ほのかにありがたさすら感じてしまう。スマホを持ったターニャに促され、僕はばっちりとピースを決め、写真フォルダに自分の顔データがまた増えた。

          「ロサンゼルスのバス停 #3」

          「ロサンゼルスのバス停 #2」

          1935年に完成したグリフィス天文台は、ロサンゼルスでも随一の観光名所だ。アールデコ調の建築は静かに佇み、年間多くの観光客が訪れる。広々と見渡せるLAの街並みにスマホを構えずにいられない。実際にピースなどをして撮った写真がパソコンのどこかに眠っている。 僕とターニャを乗せたバスは建物前にとまり、他の乗客と共にドドッと吐き出した。 「どうする?一緒にまわる?」彼女はリュックを背負い直しながら言った。 そうだな。数分話しただけだが、特別怪しい雰囲気もないし(元来心配性の日本

          「ロサンゼルスのバス停 #2」

          環境音楽 「実家の生活音とピアノ」の作曲

          実家はなんとも落ち着く。落ち着き過ぎて、帰るたび風邪を引いてしまう。リビングには両親が30年以上前に買ったアップライトピアノがある。姉は長年ピアノレッスンを受けていた。母が送り迎えする車に僕も時々乗ると、ダッシュボードにはいつも爪切りが置いてあった。爪の長さは先生に会う前にきっちりと揃えていなければならない。クラシックの世界は厳格なルールと伝統を身につける必要があるようだ。おぼろげな記憶によると、その先生はとても熱心で神経質な方で、よく怒っていた気がする。音楽を愛し、命を燃や

          環境音楽 「実家の生活音とピアノ」の作曲

          「ロサンゼルスのバス停 #1」

          2018年夏のアメリカ滞在の紀行文。 初めて訪れたアメリカで見た景色、出会った人や心に残った出来事について少しずつ書いていきます。 2018年8月初旬 ロサンゼルス滞在も1週間が過ぎ、観光地であるグリフィス天文台でもいこうかと、バス停に座っていた。その場所にものすごく興味があったわけではないが、スタンプラリーのようなものだ。旅先で時には参加したくなる恒例の儀式。 今は1ヶ月間のアメリカ旅行中。できるだけ予算はかけず、現地に暮らしているような生活を疑似体験しようと思いやっ

          「ロサンゼルスのバス停 #1」