雑に読めるショートホラー

短めの創作ホラーを作っています。どこかで見たことあるようなお話を暇つぶしにでもお読みい…

雑に読めるショートホラー

短めの創作ホラーを作っています。どこかで見たことあるようなお話を暇つぶしにでもお読みいただけると光栄です。

最近の記事

神様ごっこ

平成初期の小さな街で子供たちの間で密かに流行っていた「神さまごっこ」は、私たちにとって無邪気な遊びだった。しかし、その裏にはきっと古い土着信仰と、街を守る神秘な儀式としての影が潜んでいたのだろう。 遊びのルールはとても単純だった。神社の境内に隠された「神の印」を見つけること。印を見つけた者は、その日の「神さま」となり、他の子供たちから願いごとを聞き受ける役目を担った。そしてもし一つでも願い事を叶えることができた「神さま」には何か良いことが訪れるという言い伝えがある。 ある

    • 見知らぬ階

      新しい職場への転職は、私にとって新たな転機だった。ビルは少し古く、エレベーターも年季が入っているが、仕事内容には満足していた。だが、ある日のこと、奇妙な出来事が起こり始めた。それは、いつものように残業を終え、エレベーターで地下の駐車場へ向かう途中のことだった。 ボタンを押し、エレベーターのドアが閉まる。しかし、いつもと違ったのは、エレベーターが停止した階だった。ドアが開くと、目の前には見たこともない廃墟と化したフロアが広がっていた。古びた机、壁にははがれかけたペンキ、そして

      • 途切れた通知

        出張からの帰り道、私はスマートフォンの画面を眺めていた。長い一日が終わり、ようやく自宅に戻ることができる。だが、その時、画面に突如として奇妙な通知が表示された。「あなたは今、ここにいます」と、通知を開くと地図アプリが起動し教えてくれるが、表示されたのは見覚えのない場所。廃墟と化した建物の写真が添えられ、私の顔がぼんやりと映っている。何かの間違いかと思いつつ、不安が胸をかすめた。 家に着き、その奇妙な通知を忘れようとしたが、スマートフォンは次々と異常な通知を送り続ける。それは