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新型HHKB買ってみました

2020年5月28日追記:
この記事に書いた不満点は後日アップデートで解消しました
https://note.com/yagitch/n/n406459c35609

結論から言うと、従来以上に満足感が高いです。あと、事前情報からするとこういうことができるかも?できたらこれ化けるよね!って思ってたことができなかったので、そこはしょんぼり。

10年以上HHKB使ってきました

私はLiteモデルを含めると10年以上HHKBを使ってきました。以下の使用経験があります。

・Happy Hacking Keyboard Lite2 英語配列
・Happy Hacking Keyboard Professional2 英語配列
・Happy Hacking Keyboard Professional BT 英語配列
・Happy Hacking Keyboard HYBRID Type-S 英語配列(←今回のレビュー対象)

今回新型モデルが発売されるまで、Type-Sの使用経験はありませんでした。また、有線モデルとBluetoothモデルの両方の使用経験があります。メインはMacで、同じくらいiPad Proを使っていて、サブとしてWindowsを使っています。主な用途は日本語文章の執筆(仕事・趣味両方)、コーディング(趣味)です。このような経歴の人間が行うレビューであることをあらかじめご了承ください。

HYBRID Type-Sの打ち心地はこれまでと別物

私は従来のType-Sモデルを使ったことがありませんが、今回Type-Sモデルがフラッグシップに位置づけられていることと、iPad Proと一緒に出先に持ち出して使いたいと思ったので、静粛性に優れるType-Sモデルを選択しました。結果的にこの判断は正解でした。

これまでの非Type-Sモデルに慣れた状態で打ってみると、スコスコという静かで軽快な打ち心地がクセになりそうなくらい快適です。従来の非Type-Sモデルでもまあ他のキーボードに比べるとスコスコした軽快な打ち心地なのですが、HYBRID Type-Sのそれは上回っています。初めて触れてから何か長文を打ってみたいと思ってこのエントリを書き始めましたが、病みつきになりそうなくらいにスルスルと文章が打てていきます。

最大4台とのペアリングは不足なし

マルチデバイス対応というのはまさにHHKBのサイトに書かれている「馬の鞍は人間とのインターフェイス」という例え話にぴったりの機能で、欠かすことはできないでしょう。わざわざ高級キーボードを買うような層はおそらくPCとモバイルデバイス合わせて複数持っているでしょうから、統一されたインターフェイスを提供するというHHKBの存在価値を最大限に高めるものであると思います。

そして4台というペアリング数。私の環境ではちょうど最大4台のデバイスを使って執筆しているので、不足なく大変快適です。この台数は多い方だと思うので、おそらく不足に感じる人はそうそういないのではないでしょうか。また、5台以上切り替えたいと考える人がいた場合でも、何より有線という心強い味方がいるのでフォールバックできるようになっています。死角なしです。デバイスの切替は3つのキーのコンビネーションですが、裏に説明が書かれていますし覚えてしまえばまあ大丈夫でしょう。

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BTモデルの不満点が綺麗に解消している

私は一時期BTモデルを使っていましたが、スリープからの復帰時にキーが押しっぱなしになるという不具合に悩まされることが多かったため、すぐに使うのをやめてしまいました。どこに原因があったのか分かりませんが、きょう届いた新モデルを6時間ほど使ったり間を開けたりしてみた限りでは、一度もそういうことは発生していません。これは長く使っての検証が必要だとは思いますが、速攻で押しっぱなし症状が発生していたBTモデル(もしかすると初期不良だったかもしれない)と比べると段違いの差です。

BTモデルはキーを押すことによってスリープから復帰可能でしたが、新モデルでは電源ボタン長押しが必要になったようです。操作がワンクッション必要なのは退化かもしれませんが、スリープまでの待ち時間は30分間ありますし、押しっぱなしの症状がこれで起こらなくなると思えば、何と言うことはないと思います。

キーボードのライフサイクルに合わせた絶妙な進化

キーボードに限らず商品というものは、ライフサイクルに合った進化が必要なもので、これが時代に合わせることがなければ取り残されるし、合わせすぎてしまえば商品の陳腐化が早くなってしまいます。ここ数年間で起きたUSBコネクタの形状の変化を取り入れ、USBハブ機能を廃止し、一方で乾電池を使う設計を残したのは、時代に適度に合わせつつも陳腐化から距離を置いた英断であると思います。HHKBシリーズは今後も続いていくという強いメッセージとなり、これからも安心して使えます。

キーマップ変更ツールに感じた不満

ここまでほぼベタ褒めしてきましたが、私は一点だけ不満に思ったことがあります。それは私の過剰な期待が脆くも裏切られてしまった点にありますので、HHKBの設計に不備があるとかそういう話ではありません。ただ、ここをこうしたらユースケースとして大化けするのになと思ったのです。

私はiPad Pro+Smart Keyboard Folioを持っており、出先には必ず持っていきます。iPadOSの残念な点はキーカスタマイズができないことで、特に英語配列ユーザにとっては、日本語変換のON/OFF切替方法が固定されており(キーボード切替キーを押すか、CapsLockを押すことでトグルする)、しかもMacともWindowsとも異なる独自設定の点がネックになっていると思います。ちなみに日本語配列だと英数キー/かなキーがあるので少なくともMacとは同じキーバインドで使えます。
HHKB新モデルでキーマップ変更ができると聞いたとき、これによって英語配列においてもビルトインのキーマップ変更機能を使うことでiPadOSもMac/Windowsと同じ操作感が使えるのかなと思い、そうだとするとHHKB+iPad Proは執筆マシンとして最高の環境になるのではないかと興奮しました。しかし実際にはそこまでのカスタマイズはできませんでした。

私のMac環境では左Commandキー一度押しで日本語入力OFF、右Commandキー一度押しで日本語入力ONになるように設定しています。Windows環境でもキー位置を踏襲し、左Windowsキーと右Windowsキーで同様の設定にしています。完全にこれに慣れてしまっています。なのでキーマップ変更ツールで「左◇」キーを英数キー、「右◇」キーをかなキーに割り当てられればこれが解決されるのです。(その場合、Commandキーの割当は別キーに逃がす必要がありますが)

しかし現実にはキーマップ変更ツールには、英語配列に日本語配列独自のキー(英数キー/かなキー)を割り当てるということができません。おそらくこのツールはDvorak配列などの根本的な配列変更を意図しているのだと思います。しかし、この配列間の制限をなくすことによって、iPadOSにいつ来るとも知れない機能追加を待たずとも、PC⇔iPad間のインターフェイスを統一することができるのです。とても残念です。(そもそもiPadOS環境ではHHKBの日本語配列モデルであっても英語配列のキーボードとして認識されるようなので、HHKB単体では解決できない問題かも知れません)

おわりに

後半3分の1が単なる愚痴になってしまいましたが、HHKBの新モデルはとても良い出来だと思います。これからも長く使っていこうと思いますし、長く発売され続けてほしいと思います。ホントはHHKB配列の分割式キーボードも気になっていますが、自作は沼りそうなのでやめておきます。公式が分割式を出してくれないかなぁ(チラッチラッ

私の理想はiPad Pro + ATOK + HHKBの環境で執筆することです。商品を陳腐化させるなと言ったり一商品(iPad)に合わせろと言ったり矛盾だらけですが、6時間ほど使ってみての感想はこのような感じになります。以上です。

皆さんも、よいキーボードライフを!



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