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自立分散型のキーワードは権限と信頼。本質的な自律分散型の次世代社会は本当にやってくるのだろうか?

これからの社会は色々な部分で自律分散型になるとも言われている。ブロックチェーンなどテクノロジーが筆頭となり革命を起こし、組織や、法律、お金などあらゆるもの自立分散型の社会になるかもしれないと言われている。これが間違いなくやってくる未来かどうかはわからないが、表面上の自立分散型はやってきも、本質的な自立分散型社会はまだまだ時間がかかると考えたので note する。

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そもそも自立分散型とはどういうことだろうか?
概念で説明してもわかりづらいので、例をあげてつつ、説明する。

日々 Facebookでコミュニケーションをしている人にとって、それが無くなってしまうことは考えたことがあるだろうか?また、google にすべての検索ワードを取得されて、メールやファイルを預けているひとが、google のない世界で露頭に迷う人がどれだけいるだろうか?

少なくとも、僕はそのひとりだ。

Facebook や Twitter によって僕は人生を変えられているし、現在進行形で Facebook や Twitter , google に依存して仕事をしている。

そう考えると、Facebook や google がどれだけ莫大な力を持っているかは想像が容易だろう。

しかし、Facebook の仕様が変わって不満に思ったことはないだろうか?

使いづらくなったり、見づらくなったとか、バグが出るとか。

それらを、すべてコントールできるのが、ある特定の1つの企業なのである。

その状況は、一つの場所に権限が集中しているとも言える。

この権限が1つの場所に集中した状態が中央集権の状態だ。

果たしてこれは健全な状態なのだろうか?

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自立分散型は、そんな課題を解決するため非中央集権へのアプローチである。

Facebook という1つの企業が責任と権限を持っている状況ではなく、各個人や各組織に一定の責任と権限を分散させようと言う考え方である。

その一例として、マストドンというサービスで説明してみる。

マストドンの基本コードはオープンソースで誰でも使っていい状態で公開されていて、誰でも自分のサーバーにマストドンSNSを構築できる。

マストドンは、特定の企業が運営するのではなく、様々な個人や企業がマストドンを構築できるといった形だ。

つまり、たくさんのマストドンが存在するということにはなるが、それぞれのマストドンは モバイル端末からめちゃくちゃ見やすい仕様になっていたり、それぞれ自分たちの好きなように拡張や新機能をつけることもできるということだ。

しかし、その一方、マストドンというと一定の共通のソースコードを使っているので、お互いのマストドン同士も連携が取れる仕組みになっている。

オープンソースという公開されたコードをみんなで作り上げることで、一定の規律を作り上げつつ、誰しもが作り変えていける権限をもっていることがカギである。

もちろんデメリットもある。自分でサーバー費用を支払う必要があるし、サイトが落ちても、バグが起きても、それは全て自分の責任になる。

これの状態が、権限と責任が分散化された状態だ。

もちろんマストドンの場合、プログラムがわからないと、本当の意味での権限は持つことができない。

しかしながら、たとえもっとも巨大マストドンが潰れたとしても、自分のマストドンは自分のサーバーで動かすことができるので、社会全体としてマストドン終了することはない。(もちろん全人類がマストドンを使わなくなったとすれば、それは終了を意味するが)

つまり、最初に作ったマストドンの発案者が何もせずとも、知らないところで自立し、生き続けることが可能なのだ

この状態がまさしく非中央集権であり、今その実験が技術的に繰り返されている。

ブロックチェーンも、そのテクノロジーの1つである。

仮想通貨はブロックチェーンが用いられれいるものが多く、これは非中央集権を目指した通貨であるともいえる。

ざっくり非中央集権という概念をお金に使ったものが、仮想通貨といえるかもしれないが、非中央集権の概念は法律や組織について当てはめることができる。

例えば、法律は日本国が占めているが、これをいかにして各個人が権限と責任を持ってつくることができるかってことは、考えることはできる。
実際にエンジニアあれば、一度は、憲法を Github で管理すればいいんじゃないか!というアイデアをひらめいたことがあるのではないだろうか。

詳しい内容を書くと長くなってしまうので、また機会があれば別記事に書きたいと思うが、憲法や法律を本当の意味での民主的によって決めたいという考えが将来生まれてるのは、想像できるのではなかろうか?

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ところで先日、ある面白いアンケートのツイートを見た。

大半が、取引所だけに仮想通貨を預けているのである。

ここで、先程伝えた「権限」と「責任」は誰が持っているのかということを理解しなければならないのだ。

仮想通貨への理解が足りないと伝わらないかもしれないが、ざっくりした答えだけを書くと、取引所においてある仮想通貨は権限(秘密鍵)を、ユーザーの代わりに取引所が管理しているため、取引所はその仮想通貨を送信できる権限を(ブロックチェーンのシステム的に)持っているということになる。「責任」については規約をきちんと読見直したほうが良いだろう。

要は完全に取引所が、システム的に仮想通貨をコントロール権限を持っていると言う状態なので、Facebookとユーザーの関係性に近く、これは全く自律分散型ではない。取引所が潰れてしまえば、預けてある仮想通貨がすべて無くなるという可能性もありえるということだ。

先程の Twitter の結果をみても、ここまで「権限」と「責任」きちんと理解して、リスクを考えることができる人が正直どれだけるのだろうか。

このように、現時点では自律分散型を本質的に実現するためには一定以上のリテラシーが必要なのである

そう考えると、本当の意味での自立分散型が実現する社会は、技術以外の部分の課題により、まだまだやってこない未来な気もする。

たが、それ課題を乗り越える技術さえも生まれる可能性は大いにあるので、これからやってくる時代の勉強を僕はしていきたいと考えている。

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