生真面目なソフトクリーム

勇敢な人は右手に先端の尖ったソフトクリームひとつ

右胸の古い家屋が壊されてまた安い駐車場ができた

駅前で見かけた銀のたてがみが生真面目なことばかり言ってる

地球から採取してきた植物の中に紛れて一輪の傘

本人も知らないとこで店長に謝っているコピーロボット

変わらないべつに何もという顔で趣味の話を続けるゾンビ

矢印じゃなかったようで ただのシミだったみたいで 電車がこない

だからって傘は忘れたわけじゃない雲の上では必要ないし

地球よりずっとゆっくり落ちてくる月の雨にはサンリオの傘

天井に微笑んでいる冷静じゃないことを悟られてはだめだ

いつまでも君が笑ってくれるから鼻から指が抜けないのです

ベランダに落ちた星座の配線について宇宙の窓口に聞く

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