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映画レビュー

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昨年は年間40本の映画を鑑賞しました。 今年はもっとたくさんの映画を観てみよう。 レビューなど長文が苦手ですが、鑑賞直後の感動をもとに書いてみます。
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記事一覧

陰陽師0

陰陽師、安倍晴明が陰陽師として活躍する前の学生(がくしょう)時代を描いた、前日譚。 映画予告で見ていたド派手なFXや、バトルシーンは段階を得て丁寧にそこまで持って行ってる感じがしました。唐突にド派手なアクションが飛び込んでくるのではないので、割と安心して見れました。

異人たち

原作は山田太一の小説「異人たちの夏」 幼い頃に交通事故で両親を失った主人公が、ある日かつての生家に戻ってみると、そこには生前の両親がそのままの暮らしをしていて、主人公は幾度となく通い、現代と過去を行き来する不思議な体験をする。 原作の過去と現代を行き来する要素を残しつつ、LGBTQ+のラブストーリーに仕上げられた作品。 複雑な伏線や謎は少なく淡々とストーリーが進みつつ、ラスト手前に若干の秘密をバラしながらエンドに向かってゆく。 都会のタワマン暮らしと田舎の両親との親子

オーメン ザ・ファースト

1976年公開の映画オーメン。 それの5年前、“悪魔の子”ダミアンの誕生までの秘密を辿るストーリー。 1976年のオーメンは、まだ1歳だったので観たことは無かったのだけど、そういう映画があったというのと、テレビの再放送なんかで知っていたくらいだろう。 とても有名な作品なので、これとエクソシストは誰でも知っているかもしれない。 ダミアン誕生がテーマであるのもあって、グロい出産シーンがある。 出産といっても、きちんとした分娩室があるわけではなく、修道院の一室で滅菌されてるのか

アイアンクロー

フォン・エリック一家のプロレスにかける人生と、兄弟に襲いかかる悲劇の連続。 長男ジャックJr.は6歳で亡くなっている。 三男デビッドは、興行先の日本にて腸破裂で亡くなる。 五男のマイクは、試合の怪我が元で後遺症が残り、絶望し服薬自殺してしまう。 四男ケリーは義足でリングに復活するも、やはり苦悩があったのか薬物使用も発覚した翌日に拳銃自殺してしまう。 本作では触れなかったが、末っ子にクリス・フォン・エリックがいるが、彼もリングデビューの翌年に拳銃自殺している。 この

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー

ゴーストバスターズが新しい世代にバトンタッチ。 バトンタッチできたのかなあ? レイモンドはゴーストの探究をライフワークにまだまだやっていきそう、 本作では、スペングラー一家がゴーストバスターズとして活躍している。 元消防署の建物を自宅兼拠点として使用していて、ここには40年前からのゴースト回収機があり、ついに満タン状態になってしまう。 レイモンドのところにヤバいブツが持ち込まれる 拠点のゴースト回収機が満タンになり決壊を迎える ファビイがメロディに騙されてヤバいヤツを

四月になれば彼女は

ウユニ、プラハ、アイスランド。 予告で見た限りでは、世界の景勝地を辿るロードムービーなのかと思ったがそうではない。 伊予田春の父(竹野内豊)の強烈な親子愛の印象を残しつつ、それ以降出番がないのは、演出は無かったがこの父親が亡くなったから、春は父からの束縛から逃れ、世界を巡る旅に出られるようなったのかと思った。 それか、症状が発覚したが為に、余命をかけて旅に出ることを許されたのかと。 弥生(長澤まさみ)の幸せ恐怖症とでもいうかのような行動は理解が及ばす難しい。 いや、分から

オッペンハイマー

“原爆の父”オッペンハイマーの生涯を描いた映画。 アメリカ本土での公開は昨年7月で、正にトリニティ実験が行われた7月に合わせたとも思われるタイミングでしたが、その原爆の投下先となった日本でもいよいよ公開スタートとなったわけですが、やはりアメリカと同じく夏公開は難しい要素があったのだと思う。 久しぶりの180分長編映画でしたが、間延びすることなく、テンポよく過去と現在を行き来しつつストーリーが展開していってオッペンハイマー自身の心象の揺らぎやフラッシュバックの映像化は必見の

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章

突如襲来した“母艦”。それに対応する自衛隊や米軍。 日常が崩壊(デストラクション)するかといえば、そんなこともなく学生たちの日常は続く。 そんな日常を描いた本作。 タイトルといい、キャラデザといい、ギャグ漫画のノリで楽しんで観て正解だと思う。 キホちゃんが、災害に巻き込まれて亡くなるというシリアスな展開もあるが、それでも日常は続く強かさもあって良き。 キャラデザが、かなりデフォルメされたデザインなので、彼女たちの年代が分かりづらい。 中学生から高校生、大学に進学したかと

コットンテール

家族を顧みず、仕事に明け暮れてた男が、認知症の末に亡くなった妻の最後の望みを叶える為、東京からイギリスの湖水地方へ渡るロードムービー。 リリーフランキーと錦戸亮の演じる親子像が、お互い不器用な男同士のコミュニケーションのすれ違いにハラハラするし、やけにリアルだったりしてエモい。 リリーフランキーの演じたクズ親父っぷりはなかなか… 市場で万引きするし、準備中の寿司屋に入ったと思ったら亡くなった妻を思って感傷的になったり、息子の言うことは聞かないし、孫連れて迷子になるし、我を

変な家

YouTuber 雨穴氏の原作「変な家」が書籍化に続いて映画化。 もともとYouTube動画があったのに映像がとは?とか思ったけどこれはこれでアリ。 YouTube動画の方は一度くらいチラッと見たことあって、書籍の方は全く読んでいないし、書籍化されるほど話題になったのは知らなかったんだけど、本格俳優陣による映像化はとてもリッチな体験ができるに違いない。 冒頭部分は比較的、元のYouTubeの流れを丁寧に進めていて、YouTuberとしてのやりくりと、不思議な間取りへの流れ

ARGYLLE

スパイ小説「アーガイル」シリーズでヒットを続ける人気小説家のエリーが、とあるキッカケでスパイ小説さながらの事件に巻き込まれるドタバタサスペンスコメディアクション映画。 一番の見せ場(なのかな?) カラースモークを撒き散らしながらのダンス・ガン・バトルは、よくある清々しい笑顔とララララな音楽が相まって、またこういう演出かよーと。 外国映画はこういう明るいバトルシーン多いよなと思う。 出血演出がほとんど無いのも海外映画の特徴かな最近はこういう流れなのか… 対して日本映画やアニ

夜明けのすべて

PMSに悩まされる藤沢と、パニック障害に悩む山添の二人の話。 そう思って観てたらちょっと違った。 “すべて”の人たちの夜明けを描いた映画。 自分の身体なのに、自分の思い通りにならない。 幸運にも自分にはそういった症状や障害はないのだけれど、想像することはできるのでぜひこの映画で体験してほしい。 メインの二人の他に、山添の元上司の辻本と、栗田科学の栗田は自死遺族の会で出会っている。 この二人の出会いや経緯も興味深い。 プラネタリウムの解説で、オリオン、カシオペア、北斗七

FLY!フライ!

一度も池を出たことのない鴨の一家が、一念発起してジャマイカを目指して“渡り”を行う。 ドタバタコメディーといった感じのアニメーション映画。 ダンおじさん意外とイケる耄碌気味のダンおじさんはてっきり池に残るのかと思ったら、一緒にジャマイカまで一緒に渡りを敢行してしまうことに「飛べるんかい!」とツッコミをしたくなる。 保守的なお父さんマック最近のアメリカ映画の流れなんかな、従来、冒険にポジティブなのはお父さんの方だったのだけど、本作はお母さんのパムの方が積極的で、お父さんのマ

マダム・ウェブ

マーベルの新作サスペンス映画「マダム・ウェブ」を観てきました。 マーベルコミックの原作では、マダム・ウェブは未来視やテレパシー能力が使える盲目の老婦人となっているらしい。 それを踏まえて、本作は20代半ばの若きカサンドラ・ウェブがマダム・ウェブとしての能力に目覚めるまでを描いている。 日本映画で言えば「マダム・ウェブ0(ゼロ)」とでもいうべきタイトル。 マーベル映画は久しぶりに見たんですけど、面白いなーと思ったのは、主人公が自分の能力に気づくまでをとても丁寧に描いている