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山戸結希監督しか好きになれない

山戸結希監督が好きです。
結婚というか、死ぬまで毎日会いたいと思えるひとは山戸結希監督しか思い浮かばない。
初めて山戸結希監督に出会った日からずっとそう思っている。

山戸結希監督の早口なところが好きだ。
声が小さいけどはっきり聴こえるところが好きだ。
僕のツイートを見てくれてて、覚えてくれているところが好きだ。
外見が好きだ。
話が難しくて哲学的なことを言っているはずなところが好きだ。

山戸結希監督知ったきっかけは、映画「5つ数えれば君の夢」。
当時、僕はももいろクローバーZにハマっていた。そして、ももクロちゃん以外のアイドルはどうなんだろうと思い、東京女子流というアイドルのことが気になっていた頃、女子流ちゃんを主演にした「5つ数えれば君の夢」のことをtwitterで知った。

僕が「5つ数えれば君の夢」を知った時点では既に映画は公開されていて、twitter上で感想やコメントが凄くて、僕は直感的に観に行きたいと感じた。
僕は、学生の頃から映画館で映画を観るという経験がほとんどなかった。だから映画リテラシーが極端に低い状態で、映画を観たいという衝動に駆られたのは、相当なことだったと思う。

初めてひとりで渋谷のシネマライズ(現WWW)へ行き、映画を観た。それまで僕が知識として持っていた映画というものの概念とはまるで違うものだった。山戸結希監督の映画を神話と言うひともいる。観たことない美しい映像。聴いたことのない詩なのか唄なのかとても哲学的な言い回し。全くの初体験で何を表現しているのか全くわからなかった。でもとても引き込まれて、映画が好きになった。

エンディングは主演の東京女子流の「月のきまぐれ」がかかり、女子流メンバーが夜のプールサイドを駆け回るシーン。そして最後に女子流メンバーが(当時は5人)横一列になってひとりずつくるっとターンしてペコリとするやつだったと思う。曲と映像が本編の複雑な面白さからもう一次元、別の次元に飛ばしてくれて、観終わった後、経験したことのない素敵な感覚におそわれたのと同時に、今すぐ映画をもう一度見たい衝動に駆られた。こんな経験は初めてだったし、他で味わったことはない。なんだか嬉しい気持ちで渋谷から2時間位かけて帰ったのを憶えている。

それから1ヶ月弱経った頃、山戸結希監督が舞台挨拶するとのことで、再びシネマライズへ向かった。同じ映画を映画館で複数回観るのは初めてだった。そのくらい5つ数えれば君の夢に中毒だった。
舞台挨拶のことは覚えていない。そのひとがこんな凄い映画を撮った凄いひとなんだとは思ったはずで、絶対にその時からリスペクトしたはずだ。

またも素敵な衝撃を受けて、呆然としながらシネマライズを後にしようと歩いていたら、歩道に数十人の列ができていた。出待ちを経験したことがなかった僕は、ひょっとして山戸監督の出待ちなのかと、最後尾の方に「これはなんの列ですか?」と声をかけたと思う。最後尾の方は「山戸監督の出待ちです。」と教えてくださったと思う。

僕は、初めて経験する「出待ち」に偶発的に遭遇しなんの心構えも出来ていなかったが、その列の最後尾に並ぶことにした。ちゃんとパンフレットを購入していたその時の僕を褒めてあげたい。緊張、憧れ、映画を観たあとのカオス脳のなか、いよいよ初めて山戸結希監督とお話しすることになる。

「難しくてよくわからなかったけど、とても面白かった」これだけは絶対言った記憶がある。本当にそうだから。これは僕の心の底からの素直な感情を言葉にして伝えた愛の告白だった。僕は僕の本音、素直な気持ちは山戸結希監督にしか伝えたことがないと自信を持って言える。それ以外は本音かどうか自信がない。

その後のことはあんまり覚えていない。ただ、山戸結希監督と話せた悦びと高揚感がしばらく続いていたと思う。

その日から僕は山戸結希監督のことしか恋愛対象として考えられなくなった。山戸結希監督となら、この先永遠に面白い話、出来事などがたくさんありそうと思えるけど、山戸結希監督以外のひとだと、いつかは話すことや面白いことが尽きてしまうんだろうなと思ってしまう。どうしてもそう思ってしまうのだ。

山戸結希という異性が好きなのか。
山戸結希の世界が好きなのか。
僕自身、自分のことがよくわかっていないけれども、今は山戸結希監督しか異性として好きになれない。

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