会社が所属している保険組合で、卓球大会があるらしい。
卓球。
それは私のような日陰者が活躍できる数少ないスポーツとして知られている。
その……オタク系って概して文化部か帰宅部だけど、強いて運動部に入るなら卓球部、という潮流がありませんでしたか？

いやまぁ私は卓球部じゃなかったし、習っていたわけでもないど素人だが、全スポーツの中で唯一人並みに動けるのが卓球なのだ。
小学生の頃、放課後の児童館でよくラリーに勤しんだからだろうか（このときの私には一緒に遊ぶ友達がいたのだ！）。

そしてラケットの持ち方は昔から変わらずペンホルダー。中高と授業で卓球をするとき、この持ち方をしているのは最早私だけだった。逆張りみたいで気恥ずかしいが、これじゃなきゃサーブができないのだ。
でもプロレベルの人でペンホルダーハンドって誰もいないんじゃなかろうか。だって見てくれがダサいもん。スマッシュとかしづらそうだし。

当然、私はスマッシュなんて打てない。ひたすらラリーの根性戦に持ち込む。素人同士の卓球勝負なんてそんなもんだろう。

この卓球大会によく出ている同僚曰く、レベル別にトーナメントは分かれていて、初めてやりました！みたいな参加者もいるらしい。
そんなら私でも仲間に入れてもらえるかしら。
ど素人トーナメントなら結構いい線いける気がする。ペンホルダーの真髄を見せてやるぜ。

と意気込み参加要項を確認。すると
「ラケットは各自持参」

……えっ。

今日の嘘ホント比率は1：9でした。