犬のまさを

焼き鳥が好きな秋田犬とどら焼きが好きな猫型ロボが好き。 日記を書きます。凡庸なので適当…

犬のまさを

焼き鳥が好きな秋田犬とどら焼きが好きな猫型ロボが好き。 日記を書きます。凡庸なので適当に嘘で埋めるときもあるかもしれません。

最近の記事

そういえばのび太くんのパパは超雨男

天気予報は曇りだった。家を出るとき、天に向かって手をかざす。 雨粒の感触はなく、長傘は持たずに出発。 ちょっと歩くとポツポツ降ってきて、足が早まる。今時分は、ツツジが目にも鮮やかだ。モッコウバラはツツジほど目立たないが、不意に清艶な香りを届けてくれる。 とか思ってる合間にも雨は強まり、もう視認できるほどの粒が降り注ぐ。 おいおかしいだろ、5分前までどうってこと無かったのに! 仕方なしに鞄から折り畳み傘を引っ張り出した。 私は雨女だと思う。 自分が外に出ると曇りが雨に、小

    • 賑やかな場所はかえって寂しい

      生ごみを出すために休日の朝に起きる。 決して夜のうちに出してしまうことはない。そんなささやかすぎることが私の誇り。 1時間だけ二度寝……と思って案の定10時過ぎに目覚める。今日こそは遠出すると決めて、這いずるようにベッドから出た。 化粧する必要がなけりゃもっと時間に余裕が持てるのに。すっぴんで出歩いていた頃は思い出せない。 上野に降り立つ。意外と遠かった。直線距離なら大したことないのに、環状の路線のせいで。東京って車で行ければすぐなのに、電車が通っていないばかりに生じる迂

      • ミスドに行っていい精神状態じゃなかった

        ゴールデンウィークだと言うのに微睡から覚めると12時。どうしようもない。 でも今日はショッピングに行くぞ、とぼんやり決めていたので適当にお昼を済ませて家を出る。 すっかり初夏の陽気だ。まだ四月とは思えない。折りたたみの日傘を持ってきたのは賢かったな。バス停までの10分足らずの道のりさえ陽射しの眩しさに気力が削がれる。バスの車内はもう冷房がついていた。 JRが乗り入れる駅前はショッピングモールや映画館があって、東京に出てきてからというもの買い物はここでしている。ちょっと歩く

        • 祭りとは本来的に熾烈な争いなのだ

          ついに、この時がきた。 少し息を上らせ、玄関で靴を脱ぎ落とす。エコバッグから白いパンを取り出すと、ビニール包装から例の、丸いピンクのシールを剥がした。 冷蔵庫にマグネットで留めた用紙。久しく裏面の松たか子は見ていない。長いこと台所の湿気に晒されてかだいぶクタクタだ。 その最下行の右端、慎重に、ずらさないように、シールを貼り付ける。 昼下がりの薄暗いキッチンにしゃがみ込んで、イチ、ニ、サンテンゴ……と数えていく。 今のは1.5点。 これで合計30点。 鬨の声があがる。貧

        そういえばのび太くんのパパは超雨男

          日記に書くべきことがないのは安穏の証

          金曜の夜は外食か、全て惣菜で賄ってもいい。 ことにしているので6時過ぎから晩ごはんのことで頭がいっぱいだった。 神保町にある小学館併設のカフェに行きたい。ドラえもんの映画のコラボメニューが出ていて、確かもうすぐ提供期間が終わってしまう。 唐揚げが乗っかったモリモリのハヤシライス、食べたいじゃぁないか。 しかし……夜が深まるにつれて、惣菜を買って家でゆっくり食べたほうが楽じゃないか、という怠惰な諦念が首をもたげ、結局は近所のスーパーに向かっていた。 ここは8時過ぎに行くとも

          日記に書くべきことがないのは安穏の証

          まだ17時20分

          朝、今日がまだ木曜であることに耐えられず、普段は着けないイヤリングをぶら下げて出社する。 手作り系のイヤリングがわりかし好きで、今日のはクリームソーダを模したやつ。キラキラしているので会社には控えていたが、自分の機嫌は自分でとらなくちゃ。 夕方になると仕事が立て込んできて、開いたままのタブの数も増えていく。 ツールバーに表示された時刻をちょくちょく見ると5時過ぎで、「まだいける!」と「もう帰りたいよー」が拮抗状態。 結局クソ真面目の凡人枠なので退勤欲求よりタスクをこなす義務

          まだ17時20分

          私だけ天才肌じゃなかった

          朝礼で、上司が部署全体での仕事の進め方を注意する。 曰く、我流で進めずにもっと資料を見てからアウトプットすべし。 「このメンバーは天才肌タイプが多いからね。ほら、ここも、ここも……こっちも」 横並びで指さされていくなか、私だけすっ飛ばされた。「……」の間に居たのが私である。 あれっ。 わ、私だけ天才肌じゃない……! 凡人代表なんだ! 泥水ボディーブローよろしく、ジワジワ「お前は凡人枠」扱いが効いてきて、後の話が頭に入ってこなかった。 ミスの少ないけど突出もしない凡人より

          私だけ天才肌じゃなかった

          三年峠理論

          今日は部署内でトラブルが複数起きていて、慌ただしそうな同僚をモニター越しに眺めていた。 いや眺めていたなんて大層なご身分じゃない。同じ業務を振られていたら自分もこの状況に……と物思いに耽っていたのだ。 人のふり見て我がふり直せ、とはよく言うが、他者のミスは全部「自分もし得るミス」に思えて、教訓にしなきゃと気負ってしまう。 上に兄弟がいるからかしら? 下の子あるあるかもしれない。 私はとかく心配性で、打ち合わせやら納品前やらは気を揉みすぎて気がモチャモチャになっている。 こ

          ペンホルダーハンドでも卓球大会で優勝できますか?

          会社が所属している保険組合で、卓球大会があるらしい。 卓球。 それは私のような日陰者が活躍できる数少ないスポーツとして知られている。 その……オタク系って概して文化部か帰宅部だけど、強いて運動部に入るなら卓球部、という潮流がありませんでしたか? いやまぁ私は卓球部じゃなかったし、習っていたわけでもないど素人だが、全スポーツの中で唯一人並みに動けるのが卓球なのだ。 小学生の頃、放課後の児童館でよくラリーに勤しんだからだろうか(このときの私には一緒に遊ぶ友達がいたのだ!)。

          ペンホルダーハンドでも卓球大会で優勝できますか?

          日曜の午前に起きるって素晴らしいと思うのは何回目?

          8時に起きる。 今日はコナン君の映画を観に行くのだ。こういうのは予めチケットを買っておくことで自分の外堀を埋めるべし。さもないと理由をつけて先延ばしにするから。 私は朝起きるのは苦手だけど、変更できない予定があるときはちゃーんと起きられる。こう見えて遅刻は滅多にしないのだ、エヘン。 バスに揺られて映画館のある駅前まで。 早起きしたつもりでも車内は満席で、世の人にとって今は別に朝早くもないのだと知る。 さすがというべきか、映画館のロビーは人でごった返し、あまり大きくない劇

          日曜の午前に起きるって素晴らしいと思うのは何回目?

          丁寧な暮らしをしている気分

          日記で職場の話ばかりしていることに気づいた。 非常に良くない傾向だ。私の生活にいかに無味乾燥で、職場と家を行ったり来たり、友達もおらずアクティブな趣味もない、それを如実に表しているではないか。 そもそも自分の日々が凡庸だという自覚はあって、だから何もないときは嘘で埋めてもいいやと宣言していたのに、なんたる様か。 軌道修正しなくては。 ええと、今日は母が家に遊びにきました。 いつも行くカレー屋さんで日替わりカレーのセット。大根のキーマカレー、美味しい。巨大なナンをおかわり

          丁寧な暮らしをしている気分

          爆発するのはテレビの中だけじゃ済まないぜ

          昨日は早く出社して遅くまで働いた。 これを美徳としてはならない。今日はさっさと帰る。何てったって金曜ロードショーを観なければならぬ。 家に着いているのはもちろん、風呂に入ってご飯を用意して、腰を落ち着けてテレビに向かう。これが理想の姿だ。 夜8時。 まだ職場最寄りの駅構内。 ……おかしいな? こんなはずじゃなかった。 でも今日中に片付けなけりゃならない仕事が入って。今日を期限にしていたクライアントからの返事は来なくて。待ってて。結局来なくて。 爆破してやる。 金ローに

          爆発するのはテレビの中だけじゃ済まないぜ

          0と1で作られた幻を追いかけて

          いつもより早く出勤。 誰もいないオフィス、来客に備えて冷蔵庫に水のペットボトルを入れる。 エクセルの操作をしながら打ち合わせ。 ファイルをマージして、列に幅を整えて、count ifで集計して。 上書き保存。メンバーに送るために一度ファイルを閉じる。 閉じて、もう一度開こうとする。 開く。 そこには手を入れる前の、ダウンロードしたままのシートが広がっていた。 ?? エッエッとちいかわの如き小さな悲鳴をあげながら色んなファイルを開けては閉じ開けては閉じる。 ない。 30分

          0と1で作られた幻を追いかけて

          許してくれ、マドレーヌを取る手を

          今日明日は外部との打ち合わせが続く。 珍しくフォーマルな格好で出社(と言ってもスーツじゃないけど)。 去年の春に買ったパンプスに足を突っ込むと、ブカブカで足を上げるたびに脱げそうになる。そう言えば買うとき、一つ小さいサイズだとキツくて、でも大きくするとブカブカ……という帯に短し襷に長し状態だったことを思い出す。大は小を兼ねるっしょ! てことで大きいサイズに妥協したのだった。 パカパカ音を立てながら出勤。すると何かのお礼だかで別の部署宛にお菓子の箱が届いていた。まぁ小さな会社

          許してくれ、マドレーヌを取る手を

          そのパワポは、美しくない

          今日はリモートにした。 そういう日に限って部署のメンバーはみな出社しており、朝礼で孤独な思いをする。ハドルを繋いでもらっても会話に入っていけない。ただでさえコミュ障なのに。 リモートの日はまぁ集中できない。というかリモートでも熱心に働いている人はいるのだろうか(フルリモートの人を除き)。 ボケーっと作ったパワポ資料を上司に見せる。すると 「このテンプレは美しくない」 と返ってきた。 ……! 私はデザイン感覚が壊死しており、パワポへの美意識が生まれつき備わっていない。文字が

          そのパワポは、美しくない

          猫の恋あるいは人の狂い

          朝まだき、目が覚める。 あゝどうせアラーム時刻の10分前とかなんでしょ、と時計を見ればその2時間前。この一年に2、3回あるかないかのハッピーアワー、嬉しすぎる。 しぶしぶトイレにだけ行って、また布団に潜り込み、ぐっすり二度寝。 寝ても寝ても眠い。結局昨夜も報復性なのか何なのか夜更かししてしまった。 ボケーっとパソコンを眺める。一刻も早くGWが来てほしい。 帰りの電車は遅延のせいで激混みしていた。私は混んでいる電車でスマホを弄れない。人に覗かれるから、ではなくて単に構えるス

          猫の恋あるいは人の狂い