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イマジナリーデグー飼育

人生のズンドコに陥り、誰も私を愛さない……状態になっていたため突発的にペットについて調べていた。
部屋の中で自分以外のいのちを感じていたい。友だちも恋人もいなくて身内にも見放されたらもうペットに話しかけるしかないじゃん、ねぇ。ぬいぐるみは息をしていないし。

一人暮らしでも飼いやすい動物で検索するとトップはやはりハムスター。可愛いし散歩させなくていいからまともに飼育経験のない私でも飼えそう。
だがどうだろう。
寿命は3年。
駄目。飼う前から遠くないお別れのこと考えてしまう。却下。

うさぎ。
「一日でも餌やりを忘れると死んでしまうことも」
怖い。一人ぽっちの私には急遽家に帰れなくなった時うさぎの世話を頼める人がいない。却下。

亀。
かなり飼いやすそう。子供のころ水槽でザリガニやメダカを飼ったから水棲生物のが馴染みあるかも。でも
「長くて50年生きるため、自分の年齢と相談する必要があります」
怖い。70を過ぎた自分を想像するのが。
却下。

デグー。
デグー? 初めて知った。見た目はハムスターっぽい。間の抜けた出っ歯ちゃん。愛くるしい。
寿命は5年ほど。ふぅん、ハムより一緒にいられるね。
匂いは強くなく、餌も特殊なものじゃない。
何より齧歯類の中では知能が高く、コミュニケーションがとれるらしい。

調べれば調べるほど、もう自分にはデグーしかいない気がしてきた。
いやもはや私の部屋には既にデグーがいるのだ。今日は仕事中ずっとそんな感覚だった。
カラカラと回し車の鳴る1K。

まずはペット可の家に引っ越すことから始めます。
それまでイマジナリーデグーで我慢しよう。想像のデグーは5年経っても死んじゃわないからね。名前はたわしかな。


今日の嘘ホント比率は1:9でした。

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