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猫の恋あるいは人の狂い

朝まだき、目が覚める。
あゝどうせアラーム時刻の10分前とかなんでしょ、と時計を見ればその2時間前。この一年に2、3回あるかないかのハッピーアワー、嬉しすぎる。
しぶしぶトイレにだけ行って、また布団に潜り込み、ぐっすり二度寝。

寝ても寝ても眠い。結局昨夜も報復性なのか何なのか夜更かししてしまった。
ボケーっとパソコンを眺める。一刻も早くGWが来てほしい。

帰りの電車は遅延のせいで激混みしていた。私は混んでいる電車でスマホを弄れない。人に覗かれるから、ではなくて単に構えるスペースが確保できないから。皆よくこの狭い車内で腕を前に持ってこれるな。

明日はリモートにしたので、お弁当の心配がなく晩をパスタにする。顆粒出汁を手に入れたことで和風パスタが作れるようになった僥倖よ。
茹で時間が延びすぎて麺がボハボハ。しかも味が薄くて追い醤油したら今度は濃すぎて舌がビリビリ。

眠気と闘いながら皿洗い。大事なことは皿洗い中に思い出すことが多いから、なるべく皿はその日のうちに洗うことにしている。
キッチンの小窓からミギャーミギャーと鳴き声が流れてくる。外で猫が叫んでいるらしい。時々あることだが、ここ最近はほぼ毎晩喚いているようだ。
猫の恋ってやつ?

でもこれ、本当に猫の鳴き声なのだろうか。
耳を澄ますと赤ちゃんの鳴き声のようにも、女性の笑い声のようにも聞こえる。澄ますほどに判別がつかなくなる。

猫なら「あらあら」で微笑ましいけど、人間、しかも大人だったらちょっと怖い。
きっと猫だよ、と思いながらも窓の外を覗く勇気はなかった。


今日の嘘ホント比率は1:9でした。

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