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キッシュと桜木町の男の子

この前久しぶりに横浜の野毛で呑む予定があった。野毛といえば、いつもお店選びに悩む。悩んだ挙句、適当に入ったお店で適当に呑んで、適当に酔っ払う。それが楽しかったりもする。

そして、大学時代のバイト先の上司に連れて行ってもらった野毛のレバ刺しが食べれる立ち飲み屋は果たしてどこだったっけと未だ見つけられずにいる。そっけないアルミの机に、飲み物は自分でつくるスタイル。もうレバ刺しが食べれるお店はなかなか表立ってはないのかな。

野毛といえば、桜木町が近いので、野毛で呑む度に思い出す記憶がある。大学時代、桜木町に住んでた男の子の家に誘われ、一緒にキッシュを焼こうとなった。

スタバで何か小腹が空いた時、キッシュを頼んでしまう傾向にあるのだけど、その時もその男の子とキッシュを焼いた思い出が蘇る。

キッシュなんて、自分では作ったことがなかったし、ましてやオーブンも型も持っていない。
でも彼の部屋にはオーブンも型もキッシュ作りの材料が何でも揃っていた。

蛍光灯ではない落ち着いたオレンジの光が照らす部屋で、ほうれん草、ベーコンを適当な大きさに切っていき、バターで炒める。バターの香ばしい食欲をそそるにおいが蘇る。炒めた食材にチーズと卵を合わせ、型に流し入れる。最後にチーズをちょっとプラスして。

指示してもらいながら作る、そんなゆったりした時間が懐かしいような。最後はワインと共にいただいたりなんかしちゃったっけ。

あいまいで、でも懐かしい、一見絶対繋がらないであろう、野毛とキッシュの思い出。

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