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「今宵の月のように」を聴きながら (3行短文)

「今宵の月のように」 
宮本浩次 (エレファントカシマシ)
   

くだらねえとつぶやいて
醒めたつらして歩く
いつの日か輝くだろう
あふれる熱い涙
いつまでも続くのか
吐きすてて寝転んだ
俺もまた輝くだろう
今宵の月のように ah, ah



「くだらね え」と ごち る歌詞で 始まる

宮本 浩次の 涙と 思いが

共感 呼ぶ だが まずヒッ トありき


認識 されなきゃ 輝く どころか

存在 している ことにも ならない

光に なれずに 退く も数多
           

ライブで 見ていた 駆け出し バンドで

残って いるのは ひと握 りの星

輝け るいつか 夢見た 誰もが


「くだらね え」と毒 づきつつ 前向き

涙は 流さず 手放す のもアリ

人生 は続く 若さの 後にも






🎤     🎤     🎤


宮本浩次がこの歌をスタジオで歌うのを、最近見ました。録画での、NHKの朝イチで。そう言えば、3年前の紅白にも出ていたし、近年、注目されることが多い気がします。私は、彼にもエレファントカシマシにも、そう注目していなかったので、ただ気がつかなかっただけかもしれません。

エレファントカシマシは、デビューの頃、評価され時流にのったバンドでした。でも、契約打ち切りなどを含め、低迷期。本人が語る、焦燥感。後発の、勢いのあるグループに抜かれていくもどかしさ。そして、この歌が大ヒットし、また光を浴びた彼ら。近年のメディアでの露出や評判。そのことを思って曲を聞くと、いっそう歌詞が胸に迫ります。

この、夢を見ることについてくる苛立ちは、宮本浩次や彼のバンドだけでなく、また、音楽でなくても、多くの夢を追う人が持った思いでしょう。

私自身は、追いかけていた何かが明確にあったわけではありません。でも、この曲を、今回初めてしっかり聞いた時、歌詞に共感したし、くだらねえとつぶやく自分が想像できそうな気もしました。今の自分でなく、この曲をつくった宮本浩次くらいの時の自分が。

夢を持つ誰もが、彼らのように、流した熱い涙に値するものを回収できるわけではありません。

成功した彼ら。そして、無数の、成功しなかった、彼らのようには報われなかった人たち。

この曲を聴きながら涙してしまったのは、そういう、自分を含め、「ならなかった人たち」のことを考えたからかもしれません。

それでも、私は、宮本浩次やバンドの成功にでなく、過渡期の焦燥感に、共感しています。そして、この歌も、演奏し歌う彼らも、心から、かっこいいと思います。

歌ってくれてありがとう。私たちの気持ちを。あなたたちの想いにのせて。


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定型3行短文(詩) 提唱(バンドリーダー)zep0814 i理昭さん  企画(ボーカル) しめじさん



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