薬の専門家である薬剤師におススメの市販薬をセレクトしてもらうこのコーナー。
今回は「筋肉痛」にオススメのお薬をテーマにお届します。

今回もまたアドバイスしてくれる頼もしい薬剤師さんはこちらの方々です。
（小豆田くら子／宇野さらら／日陰ましう／ふらんすぴあの／ゆきつばめ　※五十音順）

筋肉痛というお題に対し、今回は塗り薬、貼付薬、内服薬が挙げられました。

まずは塗り薬から、いってみよう！

ゼノールチックE(大鵬薬品工業)

外用の消炎鎮痛薬は貼付薬、ローション、ゲルなど剤形が多いが、スチックタイプは手が汚れずに、持ち運びもしやすい。
一般的に効果が高いとされる消炎鎮痛成分であるジクロフェナクやフェルビナクは、市販薬では15歳未満に使用することができないため、一家で使えるサリチル酸メチル配合の本商品を推奨。
（ふらんすぴあの）

つづいて貼り薬です。おすすめはロキソニンシリーズですね・・

ロキソニンSテープ（第一三共ヘルスケア）

主成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物が、炎症を緩和し痛みを和らげる効果があります。医療用医薬品として今でも広く使用され、2016年よりスイッチＯＴＣ医薬品としても販売されています。7枚入り1078円。
テープ剤は薄くて目立ちにくく、貼りやすくてはがれにくい特長があるため、関節などのよく動かすような部位をはじめあらゆる部位に使えます。ただ、肌のデリケートな方はかぶれやすいので注意が必要です。
（小豆田くら子）

ロキソニンEXテープ（第一三共ヘルスケア）

すぐれた鎮痛消炎効果をもつ医療用成分ロキソプロフェンナトリウム水和物に、鎮痛補助成分のl-メントール、血行促進成分のトコフェロール酢酸エステルを配合。１日１回使用、密着・伸縮タイプで貼りやすく、はがれにくいテープ剤。対象年齢15歳以上。7枚入1,298円、14枚入1,958円、21枚入2,618円（税込）。

■おすすめポイント
ロキソニンEX外用薬シリーズにはテープの他、ゲル、ローションがあるが、ゲルとローションには血行促進成分のトコフェロール酢酸エステルは入っていないため、今回はより効果の高いテープ剤を紹介した。
参考までに、ゲルは半透明で目立ちにくく、のびがよいので、気になる患部にしっかり塗れる。ローションも無色透明タイプで目立ちにくく、さまざまな部位に塗りやすい首曲がりヘッド容器が利用され、手を汚さず広範囲に直接塗ることができる。
そのため、手や指先などのテープ剤が貼りにくい部位、首筋等の目立つ部位、膝や肘などの関節部位に使う際にはゲルやローションを勧めても良い。
また、l-メントールの含有量が多いのはかえって苦手というお客様へは、l-メントールの含有量の少ないロキソニンS外用薬シリーズを勧めることも。
（ゆきつばめ）

続いて、内服薬派のオススメを見てみましょう。

ロキソニンS（第一三共ヘルスケア）

個人的にシップは痛みに効いているのかよくわからない。
メントールのスーッとする感じで痛みが和らいでいるような感じはあるが、痛みがなくなったと感じたことがない。
シップ薬は数日～数週間で鎮痛効果がでてくるということを考えると、薬の効果が出る前に筋肉痛は改善するはず。
そのため、確実に痛みを抑える内服のロキソニンSがおすすめ。
1回1錠だけでよく、1日最大3回まで内服できる。
（日陰ましう）

アリナミン メディカルゴールド（アリナミン製薬）

筋繊維の回復に必要なビタミンB1,B2,B12,葉酸、ビタミンEを効率よく摂取できること、錠剤でのみやすいこと、2１錠入り（1,628円税込み）があるので気軽に試せること。

1日3回1錠ずつ服薬することで、
サプリメントから摂取するよりも医薬品である本製品から取るほうが効果が高いと考えます。
（宇野さらら）

筋肉痛にお悩みの方へのアドバイス

薬以外の方法としては、38－40℃のぬる湯に入りながらのマッサージ、入浴後のストレッチ、軽い有酸素運動なども効果的。
（ゆきつばめ）

筋肉痛の改善にはバランスの取れた食事が必要です。運動後の筋肉の痛み（遅発性筋痛）は筋繊維の微細な損傷により炎症が起きることから痛みを感じています。傷んだ筋繊維を早く治すためにはバランスの取れた食事から糖質、脂質、タンパク質、ビタミンを取ることが必要です。特にビタミンB群は重要です。
筋肉痛を予防するためには普段から運動習慣を持つこと、運動前にストレッチなどの準備運動を行うことがおすすめです。
（宇野さらら）

筋肉痛は筋線維の損傷だけでなく、水分不足による血行不良も原因とされます。
マッサージなどのケアに加えて、運動前、運動中、運動後の水分補給を十分に行うようにしましょう。
（ふらんすぴあの）

筋肉痛は激しい運動をした後や、普段使わない筋肉を使うことで生じます。筋肉が熱を持っている場合にはアイシングが必要ですが、無い場合にはストレッチ、栄養補給、お風呂などで体を温めることが筋肉痛を早く治すために有効です。
（小豆田くら子）

筋肉痛は筋肉の繊維が炎症を起こしている状態なので、温めるのではなく冷やすほうが良い。
ロキソニンSプレミアム等いろんな種類が発売されているが、ロキソプロフェンだけのものがおすすめ。ロキソニンSプレミアムは眠くなる成分も配合されている。
（日陰ましう）

監修者コメント

今回は塗り薬、湿布薬、内服薬といろいろな剤形が選ばれました。
肌が弱い方は湿布薬でかぶれることもありますので、入浴の前後1時間は、貼らない方がいいと思います。湿布薬の有効成分はロキソニンを選ばれた方が多いですが、インドメタシンやフェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ケトプロフェンが配合された製品もありますね。
それぞれの成分には副作用もありますので、既往歴など確認することが必要ですね。

＜本稿の監修＞
坂口眞弓
博士（薬学）。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表（東京都台東区）著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方（南江堂）」、「OTC医薬品の比較と使い分け（羊土社）」など多数。