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ぼんやりニート日記 2023/6/19~22「帰郷」

2023/6/19(月)
名古屋行きの高速バスに乗るため新宿バスタへ。

新宿バスタって宇宙船の発着所みたいなSF感があって好きなんだよな。夜の新宿バスタは特にその感じが際立っていて良いんだけど、今回は昼便のバスに乗るため見れなくて残念。
車中でヨルシカの「ヒッチコック」とか「言って。」を聴きながらKindleで読書する。ヨルシカの曲が良すぎてちょっと涙がでる。旅とヨルシカの組み合わせは親和性が高すぎて危ないな。感傷に浸っていたらふと良いメロディを思い付く。せっかくなので作詞もする。久しぶりの音楽制作。今はスマホやiPadさえあればいつでもどこでも作曲できるから便利な世の中になったものだ。

夕方。名古屋に着く。

名古屋駅は人が多いけど、東京に比べたらまだ全然ゆとりがあるな。電車も混んでなくて良い。こういう地方ののんびりとした様子を見るとやっぱり東京って異常だなと思ってしまう。人が多すぎるよ東京は。

電車に乗り地元の駅へ。海ぐらいしか見所のない片田舎の土地、知多市へ降り立つ。いつきても本当に何もない。終わっている町だ。祖母の家に寄り、飼い犬と遊ぶ。

犬はいいな。可愛いし、何も喋らないし、人を裏切らないから。こんなに人間にとって都合の良い生き物は他にいないだろう。どうか元気に長生きしてくれ。

実家へ行く。実をいうとわりと最近まで僕は実家に居る家族と反りが合わず、半ば断絶していた。でも色々事情があって今年から復縁することになり、こうして実家に帰省出来るようになったのだ。久しぶりの実家の空気に緊張する。父は昔よりさらに無口になって、母は白髪が増えていた。家族の変化といえばそれくらい。お互いに年をとったな。


2023/6/20(火)
朝。雑草を刈りに祖母の田んぼへ行く。この時期は草がのびる速度が速くて、定期的に草刈りをしないとすぐ田畑が荒れてしまうのだ。昔から僕はこの草刈りの仕事が結構気に入っていたりする。草刈り機で勢い良く雑草を一掃するのは爽快感があるし、刈り終わって綺麗になった土地を見るのも好きだ。祖母からもバイト代としてお小遣いも貰えるし良いこと尽くめの仕事である。今回も荒稼ぎさせてもらおう。

午後。実家で母と一緒にテレビを見ながらぼーとする。ニュース番組を見ていたら突然大学時代にお世話になった教授がコメンテーターとしてテレビに映ってびっくりする。元気そうで良かった。

夜。近所を散歩する。真っ暗闇。田舎の夜はいつもこんな感じだ。

僕以外人っ子一人いない道路。懐中電灯がないと足元も見えない。僕はこの闇が好きだ。ふざけてスキップしながら歩いたり、調子外れの歌を唄っても、闇の中なら誰にも見つからず思う存分自由に散歩できるから。ちなみに明るい昼間に散歩なんかをしているとあっという間に近所で「やくめさんとこの息子、真っ昼間に仕事せず遊んでるわ」と噂されてしまう。田舎の嫌なところである。


2023/6/21(水)
眠い。昨日は9時間も寝たんだけどな。コーヒーも飲んでみたけど目が覚めず効果無し。なんでだろう。最近、ちゃんと寝ているのに体がダルい日が増えてきたな。低気圧のせいだろうか。でも僕は低気圧の影響をあまり受けない体質なんだけどな。謎。こういう原因不明の体調不良の日が年々増えてきている気がする。今までサボってきたけどそろそろ健康診断とか行ったほうがいいのかもな。

今日も朝から草刈り。打ち捨てられて雑草だらけになった畑を整備する。
僕の地元では高齢化や後継者不足のせいで離農する農家があとを絶たない。僕の祖母もその一人。そんな訳でここ数年多くの田畑が放棄され近所の土地が荒れている。たまにこうやって草刈りして土地を整備するが、放置された土地が多すぎて全てを管理しきれない。おまけに最近は荒れた田畑に野犬が住み着くようになって余計管理が難しくなってしまった。こうなってしまうと、もうここらの土地は静かに廃れ行くしかないのだろう。田舎の宿命とも言える。寂しくもあるがどうしようもない現実だ。

昼。仕事を終え、かつやで昼御飯を食べる。この辺りでは数少ない飲食店。他に外食先がないため町中の人が来て、田舎なのに結構混んでる。特カツ丼を食べた。労働の後のご飯はうまいな。

夜。犬と遊ぶ。
かわい過ぎる犬。偉大なる犬。もう東京に連れて帰ってしまおうかな。

犬を撫でていると嫌なこと全部を忘れられる。もうドラッグに近い。隙あらば犬を捕まえて顔をワシワシして撫でまくったりする。犬も嫌な顔一つせず撫でられるがまま大人しくしてくれるから嬉しい。幸せな時間だ。


2023/6/22(木)

雨。こんな天気だと草刈りもできないため、やることがない。暇だ。僕の地元はカラオケ屋も漫画喫茶も映画館も本屋も何一つない娯楽の乏しい場所であるためこういう時に暇を潰すのに難儀する。よくもまあこんな何もない場所で上京するまでの20余年間住み続けられたものだな。今の僕だったら一ヶ月住むだけでも暇すぎて発狂してしまうと思う。

昼。祖母が回転寿司を奢ってくれるというのでお言葉に甘えて母と一緒に同行。サーモンばかりを食べる。寿司って子どもの頃は食べ盛りだったせいか15皿くらい平気でペロリと食べてた記憶があるけど、今は6、7皿も食べればお腹いっぱいになってしまうな。ずいぶん胃袋が縮んでしまった。せっかくの奢りなのにもったいない気がする。
今年で84歳になる祖母はだいぶボケ始めていて自分の誕生日も忘れていた。僕の名前もたまに言い間違える。祖母はあと何年自分の意識を保っていられるのだろうか。こうやって一緒にご飯を食べに行けるのもあと何回できるだろうか。そんなことを考えながら、家に帰る祖母の小さな後ろ姿を見送った。

午後、コーヒーを飲みながら母と雑談。母から「そろそろ新しい仕事を見つけろ」とお小言を言われる。仕事なあ…。そんな言葉ですぐ働けるなら3年間もニートしてないんだけど…。うーん、まあでも夏コミが終わった後なら、やることもないし暇になるからバイトを始める良いタイミングかもしれない。最近は物価も上がって現状の収入だけでは生活が苦しくなってきたところだし。どんな仕事をしようかな。できることなら週に1、2日勤務で他人とあまり関わらない仕事がいいな。そんなユルい仕事があればいいのだが…。東京に帰ったらぼちぼち求人を見て調べてみるか、だるいけど。












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