薬膳漢方料理研究室

国際中医師・国際中医薬膳師・調理師。 雑誌や書籍執筆、レストランメニュー開発、薬膳講義…

薬膳漢方料理研究室

国際中医師・国際中医薬膳師・調理師。 雑誌や書籍執筆、レストランメニュー開発、薬膳講義・調理講師をさせて頂いています。 旬の食材をシンプルに使った日常の食卓に、薬膳の知識を取り入れた、体と心に効くレシピを提案しています。 都内の美味なお店や旅先で出逢った食材もたまにご紹介。

最近の記事

いつもの味噌炒めの仕上げに、ほんの少々コーヒーを加える

茄子の原産地はインド。16世紀のフランスでは有毒だとみなされて観賞用だったとか。茄子をながめていたなんて何だか面白いですね。 日本には平安時代の8世紀頃にお目見えしました。花も紫色で可愛いですが、採りたては鋭いトゲがあって刺さると痛いのでご注意を。茄子の種類には、関東によく出回る千両茄子を始め、長茄子、水茄子、米茄子、地域特有のブランド茄子、最近では美しい明るい紫色の丸茄子など多様に出回っています。海外にも青茄子や白茄子がありますが、卵のようなその形からエッグプラントと

    • 毎年のお楽しみおつまみ“枝豆浸し”

      江戸料理に枝豆の東煮という料理があります。枝豆をさやごと醤油やみりん、唐辛子などと甘辛く煮て、冷たく冷やしたものですがなんとも粋。 中身を出して出汁に漬けた出汁漬けは、透明な冷やし鉢に入れるとさらに涼しげで涼を呼ぶ。東北地方の郷土料理のずんだ餅も枝豆ですが、砂糖やもち米と合わさって滋養にもとてもよいものです。 枝豆は肝機能の働きを助けアルコールを分解するのでビールの相棒的な存在(夏の風物詩)理にかなっていますね。ビタミンB1、B2、大豆にはないCとカロテンンも豊富。本

      • 眠りが浅くなる季節。夏は五臓の中で、心と小腸に負担がかかる

        梅雨明けが待ちどうしいこの頃。夏は五臓(「肝・心・脾・肺・腎」の五つの臓)の中で、心と小腸に負担がかかる季節です。過度の脂肪分の高い乳製品や冷たいもの、甘物の取りすぎには気をつけ、旬の野菜や果物を中心にいただきましょう。 赤い野菜(トマト、赤ピーマン、唐辛子、スイカ)、苦みのある野菜(ゴーヤ)、トウモロコシなどは特によく、その他とうがん、なす、オクラなど。心が弱るとストレスを感じやすくなります、ラデッシュやセロリ、キュウリなど、みずみずしくて少しの辛味や香り、歯ざわりが

        • 暑い日の食欲不振にはトマトを。とまとの麻婆豆腐

          お砂糖をまぶしたような糖度の高いトマトを口にすると、ビックリすることありませんか?ギネスブックにのっているトマトは糖度が12〜18度もあるとか。通常のトマトが約7〜8度なので、果物のようなその甘さには驚きますね。 トマトのリコピンには高い抗酸化作用があり、ガンや動脈硬化を予防し、美肌作りにも有効で、ミニトマトはピカイチ!夏野菜代表格ですから身体の熱をとり、喉の渇きもいやしますよ。トマトはビタミンCも豊富、コラーゲンと一緒に摂取すると体への吸収がよくなります。 ミニトマ

        いつもの味噌炒めの仕上げに、ほんの少々コーヒーを加える

          "疲れたらお酢" 酢は、日本の食文化を支えてきた伝統的な発酵調味料

          酢は最古の発酵調味料と言われており、万葉集にも登場します。味噌、醤油と並ぶ日本の食文化を支えてきた伝統的な発酵調味料です。 いろいろな国でも、その土地に根付いたお酒から作られており、名前の由来も判りやすい。例えば日本の酢は酒から作られるので酒編で酢、フランスの vinegar(ビネガー)はvin(ワイン)からくるというように。 やわらかな酸味の京都の千鳥酢、心やすらぐ甘い香りのオーガニックアップルビネガー、キリッとさせたい料理に使う岐阜の内堀醸造さんの米酢やリンゴ酢、

          "疲れたらお酢" 酢は、日本の食文化を支えてきた伝統的な発酵調味料

          "昔ながらの梅干しはお薬"。梅仕事

          梅干しは下痢や便秘にも効く昔ながらの万能薬。防腐作用も高いのでこの季節のお弁当にかかせませんね。お米に入れて炊いても良いもの、疲れをとるクエン酸も頼もしい。梅干しを作ると生まれる白梅酢を手塩の代わりにして握ったお結びは、自分で作った調味料だからか、いつもより心華やぎます。 わたしの梅選びと梅干し作り ふくよかな香り高い梅は料理にも使いやすいので、私は大きめの完熟梅(緑色や硬さがある時は、真っ黄色になるまで常温で追熟させる)を購入します。 1.500gで大体10〜13

          "昔ながらの梅干しはお薬"。梅仕事

          “美肌ジュース" ハッとするほど美しい。この時期だけの「赤しそジュース」

          爽やかでさっぱりした元気がでる旬のジュース「赤しそジュース」。ハッとするほど美しいこの時期だけのジュース、濃縮にして保存すれば長く楽しめます。 「赤しそ」について赤しそは夏の疲れを癒やし、美肌効果や目の疲れ、視力向上に効果があります。胃液の分泌をよくして消化を助けるなど様々な効能も期待できます。 紫蘇葉・蘇葉(そよう)は、しその生薬名。食用だけでなく、古来より薬草としても使用されてきました。初期感冒・解熱・悪寒・鎮静・利尿作用などが期待できます。 <赤しそジュースの

          “美肌ジュース" ハッとするほど美しい。この時期だけの「赤しそジュース」

          雨季のお弁当心得

          しとしと降る雨、私は嫌いではありません。むしろ心地よい雨音や若葉ががぬれた様子、満開の紫陽花など心和みます。でも、湿気が多いのは何かと難点が多いですね。 お弁当なども傷みやすくなるので、煮物や茹で野菜などにはすりごま、おかか、のりなどを使って汁気を無くす。味つけを心持ち濃いめに、抗菌作用のあるレモンや酢、生姜を多用する。梅干しやワサビ、カラシ、唐辛子、マスタード、カレー粉、豆板醤、挽き胡椒、柚子胡椒、ガリなどフル活用する。しっかり冷ましたごはんには、ゆかりや塩昆布、梅干しな

          雨季のお弁当心得

          発酵食・納豆。人呼んで「最高の美容食」

          人呼んで最高の美容食 納豆。美肌効果が高いうえ、骨を強くし腸内を整え、血圧を下げるといい事ずくめの発酵食品。5大栄養素のタンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラルに加え、特に体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含みます。 大豆が納豆になると皮膚の再生を促すビタミンB群は約6倍、シミやシワ、生活習慣病を予防するレシチンは約1.5倍。レシチンは寝る前に食すと美肌作りに有効ですよ、お夕飯にぜひいただいて下さい。 日本の発酵食品、代表格の納豆。良質なたんぱく質や食物繊維

          発酵食・納豆。人呼んで「最高の美容食」

          暑い日や寝苦しい日にはきゅうりをたべる。七夕翡翠素麺と一夜酒(ひとよざけ)

          7月7日は七夕なので、キュウリを使ったお素麺にしました。無病息災を願って、素麺を食べる風習が日本に伝わっています。実際にこの頃は、雨季でもあって蒸し蒸しした日が続き、食欲も落ち込みがち。 冷たく食べやすい素麺はスルスルと喉を通りやすく、涼やかです。 ミキサーにキュウリ、しそ、梅干し、醤油、昆布だしを入れて撹拌します。 キュウリは手でおろしてもよく、シゾはちぎり、麺つゆを加えた簡単バージョンでも良いでしょう、レモンや酢橘を加えると香りよくクエン酸の効果で疲労を回復する手伝

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          薬膳・漢方・食薬とは

          国際中医師・国際中医薬膳師・調理師 慌ただしい日々の中、食べ方一つで 不調を改善する食。 体質や体調に合った食材や食べ方を知る だけで、カラダの内側から元気を養えます。 美味しい食養生は、難しくありませんよ 未然に病気も防げます 薬膳とは? 皆さんは、薬膳についてどのような感じをお持ちでしょうか?ちょっと苦かったり、まずかったり小難しいような感じを持たれているかもしれませんが、もともと薬膳とは、食べ物の効能と体への影響を知ることで、とてもシンプルで大らかなものでした。冷

          薬膳・漢方・食薬とは