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自転車に乗れなくても別にいい

息子の気持ちはさておきな話。

息子が自転車に乗れるようになるためを思い、目下、というか早2年、頭を悩ませ心を煩わせている…。

ストライダーは楽しんでスイスイ乗りこなしていて両足浮かせてビューンと走ったりもして、親は普通に走らないと着いていけない速度で走っていました。
それが2歳や3歳の頃の話。

そこからスムーズに自転車に移行して乗れた同学年のお友達がチラホラいたのが4歳前後の頃。
ウチもそれを目指したのだけれど、お下がりで頂いたストライダーはサドルが全く上がらない上に型が古いとか海外のものだからとかで部品の取り寄せ自体が不可能とのこと。

なので、4歳の誕生日に自転車を購入。
少し大きめにしたら、途端に怖がり乗らない。なんとか補助輪付きで練習に持ち込んだけれど、進まない進まない本当に進まないしなぜか転ぶ。

仕方なく、自転車感覚を少しでも身につけさせておいた方がよいのではと思い少し小さくなってきたストライダーに戻させる。スイスイ楽しそうに乗る姿もすんなり戻る。
玄関先に留めて埃が溜まるばかりの自転車を時々私は拭き、息子は後ろ向きにペダルを回してなぜかアイス屋さんをする。
これが4-5歳の頃。

さすがに6歳。さすがに小学1年生。
あちこちで、同い年っぽい子が自転車漕いでる姿に遭遇する率も上がってきた。年下っぽい子の率も上がってきた。

息子よ、このままではいよいよ、切なさや恥ずかしさや惨めさやつまらなさ寂しさなんかを感じねばならぬ時期に突入してきたぞ…と内心母だけ焦る。

ただ、未来を予測する術が良くも悪くも何もない彼には分からない。

もはや脅しのように、お友だちがみんな自転車乗ってる横であなたは走ることになるよと言ったりして、練習するよう説得を試みる。

またある時は、それがまさに今時期なのだが、自転車の練習頑張って前より上達したら1ポイントGET!(ポイント貯めたらおもちゃプレゼントのシステム…)と目の前にご褒美をぶら下げる作戦を試みたり。

そんなこんなでここ2週間くらいでようやく自転車の練習のほぼ習慣化へこぎつけたのだが、毎日重い腰を上げさせなければいけないのは変わらず。
GW最終日の育児疲れもしっかり出てる今日も、朝から声をかけ続け、息子の遊び(これが私には最強につまらなくて気力を消耗する恐竜フィギュアを使った日常生活ごっこ)にも付き合い、家事もこなし、、、夕方ようやく自転車を持って外へ。

ペダルを全く踏まない…
ペダルに片足乗せるのだが、踏まない…
ようやく片足だけ踏むが、もう片方は地面のまま…
あるいは私が自転車支えた状態でペダル両足のせてフリーズ。

最近ようやく1人で乗れそうな気配が出始めるとこまで来てたから尚のこと私のやる気が途絶え、息子のやる気は常に不明。

私はもうあきらめた。
その旨を息子に表で伝えた。
もう練習に付き合わないと。
別にあなたが自転車に乗れなくても私は困らないと。
練習したくなったら父に頼むか1人でやれと。

きっと、すれ違う人からは私はひどい親に見えただろう。別にもうそんなことどうでもいい。

だけど、息子をほったらかして帰るわけにもいかない。嫌気が差しすぎてほったらかして帰りたいけど、ほったらかすと彼は鍵持ってないから家には入れないし、乗れない自転車にまたがったままなんて事故率も上がりそうだし、不審者にあっても逃げれなさそうだし、仕方ないから突っ立って息子が劇的な遅さでストライダーのように自転車を前へ動かしてくるのを見守っていた。
息子をほったらかせない自分に安堵と妙な苛立ちを感じながら。

そしたら、何年かぶりに私の左肩に鳥から黒い乾いたフンが落とされた。

よく運がついたとかいうけれど、私には鳥に笑われた気分だった。

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