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地球の内部に、原子惑星「テイア」の一部が残っている⁉

 11月7日の朝日新聞デジタルに、「月を生んだ原始惑星テイアの残骸か? 「地球内部に存在」と新説発表」という記事が出ています。

 月の誕生は、「火星ほどの大きさの原始惑星「テイア」が約45億年前の地球に衝突し、飛び散った残骸から生まれたとする「ジャイアント・インパクト説」」が有力ですが、「テイア」の一部が地球内部に残っている可能性があるという説が発表されという話です(『nature』2023年11月1日付け、”Moon-forming impactor as a source of Earth’s basal mantle anomalies”で概説が読めます)。

  地球の内部、核とマントルの境界、アフリカと太平洋の地下2,900キロに、地震波が異常に遅く伝わる二つの領域があり、体積は月の体積に匹敵するほどの大きさなんだそうです。その部分は周囲のマントルより物質の密度が3%ほど高く、テイアと地球の衝突をコンピューターでシミュレーションすると、衝突で双方の地殻とマントルが溶けて混ざり合い、飛び散った破片から月が形成されたことから、そのマントルは鉄が豊富なテイアのマントルの一部だと考えられるということです。

 ただ、肝心のマントルは地下1千キロ以上にあるため確認は難しいですが、月の内部に何らかの「テイア」の痕跡が残っている可能性があるかもしれないということなので、月の調査の進展に期待が持たれます。


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