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「日本のエンタメはガラパゴス化?」「YOASOBIの世界的ヒット」AbemaPrime 出演記

 8月14日にABEMA TV「Ameba prime」に生出演しました。これまでコメント出演などはあったのですが、スタジオに呼んでもらったのは初めてです。六本木ヒルズのテレビ朝日本社の一階でスタジオ収録しているの知りませんでした。力入っていますね。地上波テレビのノウハウと、サイバーエージェントのネットのノウハウがきちんと掛け合わされている気がしました。YouTubeにアップされているので、是非、ご覧ください。


 テーマは、「ガラパゴスってダメ?YOASOBIブレイクで考える」。日本のエンタメはガラパゴス化しているのか?その是非は?といったものでした。

ゲストは徳力さんと二人なので役割分担わかりやすく

 ゲストコメンテーターはYOASOBI「アイドル」に付いて記事を書いていた人気ブロガー徳力基彦さんと僕でした。適切なタイミングでわかりやすいレポート書かれていて流石、人気ブロガーと思いました。

 この記事にもあるように、徳力さんが客観的視点で、デジタル側から分析的なコメントをしてくれて助かりました。この日は、僕は音楽ビジネスの専門家という役割だったので、業界外からは捉えづらい、デジタル化による音楽ビジネスの変化、そもその構造的に変わっていること、そして日本の音楽業界は、世界の潮流に大きく遅れてしまったことをお話しました。

 一般的層向けの番組なので、どの辺から説明が必要かなと心配していたのですが、出演者の皆さんの認識が高くて、的確な発言で驚きました。パックンは視聴者を意識した的確な質問をしてくれていました。益若つばささん、あおちゃんぺさんは、同世代の共感を呼ぶ発言を、陳暁さんはクリエイターらしく、そして中国人視点の分析を提供してくれましたね。素晴らしいレギューラーメンバーだなと思いました。もっとお話していたかったです。

 YouTubeのアーカイブはダイジェストになっているので、フルバージョンはABEMA TVのサイトでご覧ください。

日本の音楽がガラパゴス化という視点で整理すると

 今回、お題としていただいた「ガラパゴス化」というキーワードで、日本の音楽界のあるべき姿を簡単にまとめておきたいと思います。

 世界二位の規模の音楽市場を持ち、多様なユーザーが長く音楽を楽しんできた歴史がある日本は、ユニークな豊かなカルチャーを持っています。初音ミクに代表される、ボカロPカルチャーも日本独自のものです。二次創作〜n次創作が世界で一番充実しているのは間違いなく日本です。アマチュアからプロまがグラデーションで繋がって、様々な作品が生まれていくクリエイターネットワークは、アニメやコミックとの親和性もあって、独特の奥行きを日本のカルチャーにもたらしています。
 YOASOBIもAyaseはボカロP出身で、ボーカロイド文化を持ったグループです。ボカロ音楽は、初期は音楽シーンのメインストリームではありませんでしたが、米津玄師、YOASOBIを始め、ボカロP出身クリエイターが大人気になっています。
 この状況を「独自の進化を遂げた」という意味で、ガラパゴス化というのであれば、日本のユニークさとして、誇るべきことですね。

 30年以上前の日本の音楽シーンのひとつであって「シティポップ」が、外国人DJから注目されたことがきっかけで、人気を集めました。15年以上前に亡くなった松原みき「真夜中のドア」がSpotifyのグローバルランキングトップという「事件」もありました。江戸時代の浮世絵がすごいって、フランス人が「再発見」したみたいな話です。歴史は繰り返す感ありますね。日本の価値を客観視(外国人目線)で見る意義を感じます。

CDとマスメディア依存によるデジタル化の遅れは悪いガラパゴス化

 悪い意味でのガラパゴス化は、デジタル化が遅れていることです。デジタルトランスフォーメーション(DX)が語られることが増えましたが、音楽業界は、DXの遅れによって市場の成長が止まって、世界に取り残されている「日本の負けパターン」の典型的な形です。コロナ禍もあって意識が変わり、やっと変わり始めたところです。
 SNS活用して広まっていくこと、TiktokやYouTubeのユーザー投稿を促進することで、楽曲ヒットが生まれることは誰が見ても明らかです。番組の中で徳力さんも語っていた「デジタルファースト」の徹底が、音楽ビジネスにとって最重要になっています。
 今回のYOASOBI「アイドル」のグローバルヒットは、「良い意味でのガラパゴス化」を活かしているし、ユーザーと向き合ってSNSとUGMの徹底活用したデジタルヒットというのは「悪い意味でのガラパゴス化」を克服したといえる、エポックになる象徴的な出来事です。日本の音楽界のデジタルシフトを加速してくれることでしょう。

 このタイミングで特集として取り上げていただいたABEMA NEWSのアベプラには感謝したいです。日本のユニークなカルチャー=多様性を生かした日本初のヒット作品が増えていくように、MusicTechのスタートアップと一緒に、僕も頑張っていきます!

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