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悩みがなさそうって言われる人には読んでほしい!マンガ『3月のライオン』

私が大好きな漫画『3月のライオン』。15巻が今月の26日に発売されると聞いて、もっとたくさんの人に読んでほしい!と思ったので紹介させていただく!

おすすめのポイントは5つある。物語の空気感やストーリーも人物像も、実際に書面で感じてほしいので、ネタバレは致しません!

主人公の成長

15歳でプロ棋士になった高校生の男の子が主人公である。
幼い頃に家族を亡くし、義理の家族ともうまくいかず、学校にも馴染めない。年の割に大人っぽくて、独りでいることに慣れてしまった少年。ある時3姉妹に出会い、人の温かさに触れてしまう。
寒い部屋で、ぬくぬくのこたつから出たくないよぅ、自分も一緒にぬくぬくしてていいのか?自分が一緒にいることで3人の何か大事なものを壊してしまうんじゃないか?
人に頼ったり頼られることに慣れていないからか、いろんな葛藤が生まれる。読み進めていくごとに、主人公がどんどんかっこよくなっていくから目が離せない。

人間味のあるキャラクター

羽海野チカ先生の描く人物がとても好きで、どうしてこんなにたくさんの人物にいのちを吹き込めるのって思うことがある。
どの登場人物にも、ぐっと刺さる名言があるのはずるい。絵のタッチはほわほわしているのに、現実味のあるセリフがギュンっと胸を掴む。
それと、嫌な人物が一人も登場しないのだ。それぞれの登場人物の言動や生活など、細かいところまで丁寧に描かれているので、全キャラクターに愛着がわく。みんなかわいく見えてくる。

将棋の迫力がすごい

将棋の対局は長いことで知られている。朝から晩までかかるくらいの長時間の中で、ものすごく心を張りつめて将棋を指していく。
勝ち負けのゴールだけじゃなくて、対局中の心理だったり、対局相手と向き合う姿にも主人公の感情の起伏が表れていて迫力がある。
将棋の仕組みが分からなくても、登場人物のテンションで譜面がどういう状態なのか、感覚的に分かりやすいので安心してほしい。

マンガなのに飯テロ

3姉妹のお姉さんがとても料理上手で、作中に出てくる料理がネーミングも含めてどれも美味しそう。隠し味とか作業工程をセリフにしている場面もあるので、再現できてしまうのも楽しい。
私の中で印象に残っているのは"甘やかしうどん"。受験勉強を頑張る娘のために考案されたもので、うどんに油揚げと天ぷらがのった贅沢なお夜食。
もうひとつ、個人的には台湾の花生煮(ピーナッツを甘く煮たやつ)が大好きなので、取りあげられていて嬉しかった。豆花のトッピングに花生煮は外せません。

苦しい部分がちゃんと苦しい

人生の目的とか、ちゃんと生活をする面倒くささとか、人との距離の取り方とか、ただ生きているだけなのに苦しいことがある。こういう言葉に出来ない苦しさが、可視化されてぎゅっと詰まっている。
マンガと同じ経験をしている訳じゃないし、感情移入している訳でもないけれど、身に覚えのある心境、ギクッとする場面、頭を殴られるようなセリフが多いのだ。
重たい部分はずっしり重い。なのに、読み終えると気持ちが軽くなっているのは私だけだろうか。

年末におばあちゃんちに親戚みんなで集まって、大きさの違うテーブル3つくっつけて、おいしい料理をいっぱいに並べて、わちゃわちゃ談笑して、年末とかお盆みたいな、賑やかだけどほわほわとした気の抜けた空間がそこにはある。

『3月のライオン』ぜひお手に取ってみてください。

追伸:映画版もおすすめです。キャスト発表のときは歓喜しました。

読んでいただきありがとうございます!