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ベトナムの台風

先週ホーチミンを襲った台風は、さりげなく40年ぶりの雨量だったそうで、空港からバイクを手で押しながら帰った僕は表彰されてもいいほどに馬鹿だったと思う。

膝まで水に浸かりながらバイクで無理やり家へ向かって出発したのだけど、浸水のためにものの1kmほどで動かなくなってしまった。
この時点でちょっと泣きそうだったけど、さらにこのバイクが借り物であることを思い出して本格的に泣きながら帰った。


車の走った横にできる波で本気で溺れかけたり、途中で遭難しかけてる黒人を救助したり、買ってきたお土産一つ残らず波にさらわれたり、といった冒険活劇を経て、三時間かけて家へたどり着いた。
バイクのハンドルをいくらひねっても、死にかけのコウモリのような キィーーー という音がするだけだった。死んじゃった。

今回ほどではないものの、ベトナムの道路は都心部であってもしょっちゅう浸水する。これだけの雨量のある熱帯地域だけど、対策と技術が全く追いついていないために、雨の日の次の日まで水がはけないこともある。東京の地下神殿のようなもの、はよ。

そのため、新築の住宅には全て一階の床を1m上げるという法律があったりもする。正直、今のホーチミンの状況で住宅に地下空間なんて作ろうものなら、雨季の間中使える面白プールになってしまうのではないだろうか。半地下、地下空間を持つ建築や住宅は好きだけど、設計するときはいつでも土下座する準備をしてからやろう。

#建築
#ベトナム
#台風

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