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【アニソン】人のあたたかさをしみじみと振り返る?

泣きたくなるとき

今回は「らき☆すた」のキャラクターソング、「幸せ願う彼方から」を振り返りたいと思います。位置付けとしては、らき☆すたの主人公・泉こなたの亡き母・泉かなた(CV.島本須美)のキャラクターソングです。

しかし、この曲は、キャラクターソングの域を超えたものがあると、私的には勝手に思ってます。

まず復習

らき☆すた美水かがみ原作の4コマ漫画です。その後、ゲーム、アニメ、小説などメディアミックスされた作品群です。

アニメ版は2007年に放映されました。

この記事は2022年に書いておりますが、アニメ放映当時はニ◯ニ◯動画などのサービスが始まってすぐ…ということもあり、ネット社会の広がりと相まって、舞台となった埼玉県幸手市、久喜市(旧鷲宮町)、春日部市など聖地巡礼までに発展するブームとなりました。

その辺りの論考は河嶌太郎様の記事をご参照いただきつつ↓

実際の「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」については、アニメツーリズム協会をご覧ください↓

そうそう、公式サイトも健在のようです↓

本題

この曲は確かアニメ版では、第22回目にちょっと流れていただけだったと思いますが、

歌詞付き…となると見方が大きく変わります。

2013年のクラムボンのカヴァーしかり↓

Repun Musicのカヴァーしかり↓

もし、曲だけでも…という方はSharu様のピアノカヴァーをどうぞ↓

実子を産んだ直後に亡くなり、娘そして夫を陰で見守ることしか出来なくても、親子、夫婦、家族に対する思いは変わらない。

この曲を要約すると、そんな感じだと思いますが、それ以上の温もりというか、ほんのりとした暖かさを感じざるを得ません。

勝手な妄想

主人公の泉こなたも、また、その父・泉そうじろうらき☆すたを語る上で欠かすことができないオタク社会の住人であり、かつ、二人は友達感覚の親子というやや特殊な設定です。

そんな二人を遠くから見つめる泉かなたは、単にオタクな親子関係をもお構いなしに包み込むことができる存在として描かれました。

そんな、泉かなた役には、島本須美が起用されました。

島本須美は、

クラリス(ルパン三世 カリオストロの城)
セーラ(小公女セーラ)
ドロシー(オズの魔法使い)
音無響子(めぞん一刻)

をはじめとする、数々の作品のメインキャラクターとして出演を重ねた稀代の名優です。

そんな彼女が、当時声優としてまさに快進撃を続けていた平野綾を見ながらの泉こなたを"見守る"演技は、もちろんプロとしての演技ではありながら、後輩の更なる成長を''見守る"形にシンクロしていたのではないかと考えます。

事実、平野綾はアイドル声優という枠を飛び越えて、ミュージカルを軸に、更なるエンターテイナーとして羽ばたいており、母が見届けた結果とも言えるかなと思います。

本人も

声優紅白歌合戦2022で島本須美は故・武本康弘監督を偲んで、幸せ願うか彼方からを歌いました↓

武本監督は、何ら落ち度のないのに、暴力によって命を絶たれてします。

それは、

憎しみ、怨み、恐怖、怒り、悲しみ…

というマイナスの力が強く働いてしまったことによる惨劇とも言っていいでしょう。

翻って、幸せ願う彼方から

慈しみ、安心、寛容…

という要素がやさしい語りかけのように私たちに届きます。その背景を知る島本須美だからこそ、この曲をトリで歌う決心をしたのだろうと推察します。

もちろん

その後にクラムボンをはじめとするたくさんのアーティストがこの曲をカヴァーしました。特にクラムボンのカヴァーのPVを撮影した行定勲監督の演出は見事だと思います。

この曲は、元々はメディアミックスで生まれた副産物ではあるのですが、人間の心の中に元々あるほんのりとした温度感を、やさしい語りかけで、そっと教えてくれる…

そんな背景を持つがゆえに、2022年になっても単なるキャラクターソングではなく、不安におびえる私たちが遠き星を見るかのごとく、冷たくなった心をそっと灯してくれるやさしい温かみを持つ曲になっていると思います。

こころの中から温もりを求め、慈愛によってを溜めることができる…そんな曲の1つななキャラクターソング(という枠を越えて)・幸せ願う彼方からがある思います。(了)

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