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#13 『AWAKE』宣伝の一番長い日〜完成報告会見報告〜

このnoteはいよいよ12月25日全国公開の映画『AWAKE』の監督・脚本をした山田篤宏が局所的な知識をひけらかしながら書いています

前回紹介した新宿武蔵野館さんでの展示に加えて、各映画館で『AWAKE』関連の展示が続々始まっています。

まずはMOVIX三好さんにて新電王手さんの展示。

梅ちゃん(子供時代の英一役)のtwitter写真がわかりやすかったんで、「デカくなったなあ」という感慨も含めて、こちらで。

そして、池袋HUMAXシネマズさん、渋谷HUMAXシネマズさんでは『英一の”冴えない”衣装展』。

これスゴいな…誰が考えたんだ。衣装数は確かもっとありまして、全部ハケた、という話も聞いてますんで、こちらの2劇場以外でもまだまだ広がって行くはずです。個人的には「パーカーはどこなの!?」ってなってる。前回に引き続き、お近くの方は是非実際に見てみてください。


「長い日」キター!

全然関係ない話から始めますのですっ飛ばして頂いていいんですが、将棋界には「将棋界の一番長い日」というのが存在します。これは毎年3月のある1日がそれにあたりまして、かつその「長い日」が発生しない年もあります。

というのは、将棋の8大タイトルの一つで、最も由緒あるとされている「名人戦」、これは他の棋戦と若干違ってまして、サッカーのように年間を通してのクラスごとのリーグ戦「順位戦」がベースになります。このクラスというのがA級、B1、B2、C1、C2の五つに分かれてまして、最初はみんなC2から、そこでの年間成績の優秀者が一つ上のクラスに上がる(悪いと下がる)。それを毎年繰り返していって、A級でトップを取った棋士が、晴れて「名人戦」にてその時の名人にチャレンジできる、と。この道のりの長さゆえ、また「名人」という称号ゆえ、「名人戦」が特別と言われる所以です。

じゃ、「長い日」ってなんぞや?というと、A級順位戦は毎年最終日に在籍棋士10名による一斉対局を通常行うのですが、その年のA級順位戦がもつれにもつれたデッドヒートで、その一斉対局の結果まで名人戦挑戦者が決まらない場合、ファンにとっての激アツなその一日が「将棋界の一番長い日」と呼ばれます。ファンとしては、その最終局前の対局などを見ながら、「長い日来るか?」「長い日キター!」みたいな感じで盛り上がったりします。

以上、将棋トリビアでした。

そして、では(では?)映画『AWAKE』宣伝で一番長い日はいつか?といったら、この日を除いて他にないわけです。それが2020年12月8日に行われました、完成報告会見の一日です。今回は、その完成報告会見の一日の模様を監督の僕目線でお伝えできれば、と。

はじめてのきしゃかいけん(小見出しタイトルとしては2度目)

この日、記者会見そのものは15時過ぎからですけど、驚いたことに&ありがたいことに、朝からビッシリ取材が入ってました。名実ともに僕にとっても「長い日」となりました。

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記者会見会場は六本木ヒルズすぐ脇の高級ホテル。前日まで東京ミッドタウン脇の高級ホテルと勘違いをしてまして、あわや大惨事となるところでした。そういえば『AWAKE』撮影時にも一番大事な電王戦撮影の日に、スタッフ集合場所の渋谷を新宿と勘違いしまして、結果新宿から幕張まで自腹でタクシーで行く、ということがありました…。

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9時半入りでこのような控え室に入ります。当たり前なんですけど、「映画『AWAKE』」とこう書かれているとまだまだ「おおっ」となります。

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基本早起き&朝食食べる派なんで手はつけないんですが、気を使っていただいて軽食など(スタッフ用って意味もありますが)。取材なんかでも用意して頂いたりすることありますが、基本いつもは用意する側なんで、これも「おおっ」とか「お気遣いなく…」とかなります。

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当日のスケジュールの確定版。マジで分刻みで震える。一体何が起こってるんでしょうか。

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ちなみに、控え室のある廊下はこんな感じになってます。ザ・ホテル。高級感がすごい。

で、取材がまだ始まる前の時間に行った完成報告会見会場。

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デケえ!!時世柄ソーシャルディスタンス、的なこともあるわけですけど…。宣伝プロデューサーに「ご自身の結婚披露宴のつもりで来てください」と言われたのも納得…てこんな高いところで披露宴なんてできないですけど。

この時点ではまだパネル等々の準備前な訳ですが、こういう形になりますよーというイメージも控え室に置いてありました。

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で、ここから控え室を出発して、バシバシと午前中の取材を受けて行きます。だんだん取材も慣れて来たところもあるんですが、こうまとめてやらせて頂く機会は初めてなんで、難しいなーと思ったのは「ついつい違う話をしようとしちゃう」ということで。僕としてはその話さっきしたしなーとか思うと、なんとなくもうちょっと違った角度のを、とか考えちゃうんですが、各媒体の記者の皆さんにとっては「一番のキモ」が欲しいってのは当然なわけですし、また見方によっては「回答がブレる」みたいなところもあるんで、意識的に同じ話をしたりした方がいい場面もあるわけですね…。

あと、本noteを熟読して頂いたライターさんが複数いらっしゃったのも非常にありがたかったですね。書き続けている甲斐があった!という励みになりました。読んでるー!?

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ほいで、そうこうしているうちに昼頃には着々と会場の準備が進んで参りました。

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鎮座まします新電王手さん。大事なのは上にあるロボットアームの部分は言っちゃあ超カッコいい触手みたいなもんでして、本体は下のでっかい白い箱だ、ということです。400キロあります。

この時点で大体正午を回っておりまして、昼食休憩を挟んでまた怒涛のように取材等々を受けていきます。取材をお申し込み頂くということは当然『AWAKE』をある程度気に入って頂けたからとは思うものの、皆さんからポジティブなお言葉を頂いて僕ぁ幸せでした。

※必然的にやってくる吉沢くんとの2ショット…。

と、そうこうしているうちに「もう?」ってなタイミングで完成報告会見へと流れて行きます。前述した廊下の一室に僕を含む登壇者4名が集められまして、そこで短時間のブリーフィングが終わると、「では移動です!」と一気に別階にある会場裏へと移動します。「○○超え?どうする?」みたいなことに全員頭を悩ましつつも、気がついたら呼び込まれまして、会見の壇上へ。全体的な感想としては予想以上に「ヌルッと始まる」と思いましたね…。

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※会場裏は暗いんでこれくらいしか撮れませんでした。なんか見たことあるやつ!(名前は知らない)と思いました。

記者会見の模様はもうそれこそ色んなところに出まくってますんで、あえてここで何か出すみたいなことは致しかねます(強く)!ただ、このnoteであらゆるところに「緊張が…」「緊張が…」とか書いてきた結果、もう緊張するのにも飽きて来まして、逆に堂々としてようと思って臨んだのですが果たしてどう映ったでしょうか。

あと、正に文字通り主役は吉沢くんたちですので、基本的には出すぎず、引きすぎずという立ち位置でいましょう、と。結婚披露宴でも主役は花嫁ですから。それから、とはいえ現場のスタッフもこの晴れ舞台に駆けつけてきてくれたりしまして、それはそれは嬉しかったです!

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※左から演技事務の平藪さん、カメラマンの今井さん、僕、照明の酒井さん、録音の渡辺さん。会見終了後に記念撮影。

そうして会見後も2件の取材をさせて頂きまして、その後キャンペーン用のポスターにサインを書いて全行程終了(え、サイン?みたいな話もネタになるといえばなるのですがしつこいので割愛しますが、サイン的なナニカが書いてあります)。その後はまだ取材が終わっていないキャストの取材終わりを待って終了、という長〜い一日となりました。

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※帰宅時。冬なので日暮れが早いというのもありますがとっぷりと暮れております。

会見の模様は情報解禁の時の様に翌日には全部まとめて宣伝チームよりご報告頂いております。さすがに規模が大きいので、おかげさまで結構個人的な範囲でも色々連絡をもらったりしました。僕自身は恥ずかしくてそんなにちゃんとは見てないんですけど、テレビとかに出てるのはなんかこうも現実感ないもんか、という驚きが勝ちますね。

さて気がつけば前回真っ只中と書いた宣伝に関しても、折り返しを過ぎておりまして、あとは初日へと向かうばかりです。現在の懸念点としては初日は初日できっと写真を撮られたりしますので、果たして今回の会見で着た一張羅じゃいかんだろう、というのがあります(じゃないと写真が全部同じになる…)。手持ちのワードローブで乗り切るしかない、このビッグウェーブを!

そんなこんなで、次回はもうちょっとだけ宣伝の話。これらで受けた取材や、それ以前に受けているものに関して、一部既に出ているところもありますが、総ざらいして、ご紹介できればと思っています。