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「懐事情」について

ここ数年あたり、

「収入が激減しています」

…みたいなことを、自身のチャンネルで吐露する
YouTuberが増えてきている…気がしてなりません。

たとえば、人気YouTuber・ラファエルさんは
一昨年(おととし)──YouTubeチャンネル
『令和の虎CHANNEL』にゲスト出演した際に

「広告収入は10分の1に落ちてます。
ほとんどのYouTuberがそうだと思います」

…と、発言。昨年2月頭に、
やはり人気YouTuberである
ヒカルさんのチャンネルに出演したときも、

「なにかいいお金儲けないですか?」

「僕もう、けっこう大変ですよ。
スタッフも何人クビにしたやろ…」

…などと弱音を語っておりました。

さて。話はやや脱線しますが…
ぼくは基本なんでもアリ──

「NGはほとんどなし」

…の(ポジティブな表現をすれば)

「オールマイティ型のフリーライター」

…であります。
しかし、そんなダボハゼチックなぼくでも、
原稿を執筆するうえで

「絶対にやらない!」

…と、固く心に決意していることが三つあります。

一つは「自叙伝は書かない!」──
「人間、誰でも自分の生い立ちで
一本は小説が書ける」
…とはよく言われますが、コレをやってしまったら…
つまり、自分をすべて吐き出してしまったら、
アウトプットのストックが無くなり、
結果として絶筆せざるを得ない恐れがあるからです。

次の一つは「特定の政党・宗教を揶揄しない!」
──コレは単に世に出たあとの
炎上がおっかないから。ついでに申せば
「(元)ジャニーズタレントの個人攻撃」
昔はかなりおっかなかったです(笑)。

そして、最後の一つは「自分の懐事情は明かさない」
──いくら、最近仕事が減ってきて
悲惨な生活を強いられたとしても…
そこで泣き言をたれるのは、
プライドとして許せない。

「武士は食わねど高楊枝」

…じゃないけれど、
仮にも不特定多数に “自分” を晒す職業なのだから、
切実な懐事情に関しては飄々とした態度を貫きたい。
だから、ぼくはフォロワーが600人強しかいない
インスタでも、日々ののほほんとした私生活
しかアップしません。

「昔は貧乏でした」

…だとかの懐かしのエピソード系や、

「がっぽがっぽの大儲けでお金が有り余っています」

…だとかの鼻持ちならない自慢系ならまだしも、
少なからずのYouTuberさんは、

「収入が減って大変です」

…なんてリアルな経済状況について、
平気で公言することができるのか? 
そんなことをここ数年くらい
ゴメスなりに考察を重ねてきました。

「周囲を取り巻くモノは親でもネタにしろ!」

…的なYouTuber特有のスピリッツ
そうさせているのか? 
もちろん、ソレの要因の一つではあるでしょう。
が、よくよく突き詰めてみると…
我々のようなライター業は、あくまで

「発注されてから収入が確定する」

…のに対し、YouTuber

「自分から能動的に動画を発信し、
その後収入が派生する」

…という収入システムの違い
よるものなのではないか…
という推論に行き着きました。

だって、ライターだと発注側からすれば、

「落ち目のヒトには仕事を頼みたくない」

…ってえのがあるじゃないですか? 逆に

「落ち目だから、
今だと仕事を受けてくれるんじゃないか」

…ってのもあるのかもしれませんけど…
僕個人としては…
そのような仕事の取り方は、
(できれば)したくありません。

対して、YouTuberは「まず配信ありき」なので、
とにかくは「観て」もらわないと、
なにもはじまらない。
ゆえに「弱み」でも「暴露」でも「軽犯罪」でも…

「片っ端からネタにしたる!」

…といった習性が、おのずと
身に染み付いてしまっているのではないでしょうか。

こうしたさなか──ある日、

「(YouTube)一本やりで食べていくのは、やはり厳しいのではないか?
テレビの芸能以上に、ネットのサービスはプラットフォームでの不確定要素が大きい。
(YouTuberは)競合が増えてきているうえに、Googleに依存しているかたちになるから、(報酬)
システムを変えますと言われても文句は言えない。
だから、結局は(YouTube)を『+α』で頑張っている人や『サブ』でやっている人のほうがダメージは少ないと思う」

…といった指摘をヤフコメ欄で見つけました。

なるほど〜たしかにそうかもしれないな…などと、
能天気に納得していたら…
ふと、こんな想いが頭をよぎりました。

「もしかすると、我々ライターとYouTuberは、
けっこう似た者同士なんじゃないか!?」

…と。「どのへんが?」と問われれば──
我々ライター…いや、文筆業者は原則として、

「文章さえ書けたら、誰だって明日からなれる」

…ということ。いっぽうのYouTuberも同様、

「スマホを普通にいじれるレベルの知識
さえあれば、誰だって明日からなれる」

そりゃあ、ソレでそこそこのお金を稼いだり
ギョーカイ内でいっぱしの地位を獲得するには、
相応のテクニックノウハウ工夫裏技
みたいなものも必要となるでしょう。しかし、

「売れる・売れない」

…を抜きにすれば、ほぼ万人がネット上に
身の “作品” を流通すること自体は、
比較的簡単だったりします。

けれど、「絵」「音楽」…それに「ヘアメイク」
などといった表現活動は、
ある程度の専門的なスキルの積み重ねがないと、
よほどの厚顔無恥な性格の持ち主でもないかぎり、
少なくとも人様に見せられるような
“作品” をアップすることはできません。

ただ、文筆業者もYouTuberも
「誰だって明日からなれる仕事」であるがゆえ、
見方を変えれば、

「どんな業種にも応用、活かすことができる」

…というメリットがあるんです。

だからこそ、ライターもYouTuberも、
あくまで “本業”

「+α」

…と捉え…あるいは

「副業」

…とまで割り切り……常に意地汚く
なにかゼニになりそうな異分野

「無理やりコラボ」

…できるよう、
アンテナをビンビンに張り続けるべき…
なのかもしれません。


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