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【プライベートブロックチェーンが未来を作る】トークンエコノミクス

トークンは行動と感性を呼び起こす

トークンエコノミクスとは、「何らかのアクションの価値をトークンという形式で表現すること」である。様々な企業、団体がブロックチェーンを使ったトークンエコノミクスを検討してるので、ここではトークンエコノミクスが成功するための要素を考えてみたい。

1つめは「自発的なアクションの誘発」だ。

クローズドなコミュニティでトークンを流通させるとき、トークンはそのコミュニティへ参加するためのチケットのような役割を果たす。前述したとおり、これからの時代、コミュニティへの参加は自発的なモチベーションによってなされていく。そのチケットたるトークンは、あくまでも自発的なアクションによって「得る」ことが重要なファクターとなる。

トークンは「得る」ものであって、「与える」ものではない。

多くの企業がトークンを自社ポイントの代替品のように考えているが、ここが本質的な誤りだ。

たとえば、ビットコインを持つことは、「お金のやり取りを誰にも邪魔させない」という価値観によって構成されるコミュニティへの参加表明である。(すでに下火になりつつあるが)ICOに参加することは、ICO実施主体への支持表明である。
たとえそれが投機目的であっても、自発的に得ている以上、トークンとしての重要な要素は満たしているといえる。

さらに言えば、自発的なアクションによって得たトークンが、また誰かのアクションを誘発するようなものになることが望ましい。これはトークン設計の大きな課題となるだろう。


2つ目は、「今まで価値として定量化できなかったものの定量化」だ。

トークンには現金や電子マネーのような制約はほとんどない。設計次第でどのようなものでも作り出すことができる。
たとえば、「感謝の気持ち」や「感動の大きさ」といった、定量化できなったものを表現することができる。

当然、これらのトークンは他の通貨で表現することなどできない。
誰かに助けてもらったときの感謝や、素晴らしい映画を見たときの感動を、円やドルで表現できるだろうか。

このようなトークンは、同じ経験や価値観を持つ人たちとの間では「共有」することができる。形式的には、誰かから誰かにトークンが移転したとしても、実質的には経験・価値の共有に他ならない。

逆に言えば、当事者以外では共有できないため、相互互換性(インターオペラビリティ)の観点では、著しく流通性が低いと言える。まさにクローズドな世界でこそ活きるトークンである。

トークンであれば必ず相互互換性を持たせよという風潮もあるが、他に代え難いトークンこそ、真の価値があるように思えてならない。


トークンには、”行動を促す力”と”感性を呼び起こす力”があると思う。この2つが揃った世界を僕は見てみたい。

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