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若者が嫌いになっている

「寄る年波に勝てない」という結論で全然かまわないが、最近このことを如実に感じるシーンばかり。とりあえず列記してみる。

①酒場のバイトくん
よく行くバー(東京地元)で、バイト男子に声をかけられてもまともに返事ができない。ぜんぶくだらなく聞こえる。向こうも何を話せばよいかわからないので自分の話をするのだが、大概つまらない。なぜバイト君の身の上話を聞かなきゃならんのか。こういう時はサッカーW杯など当たり障りのない話題にすべきだが、別にそんな話をしたいわけじゃない。オレはマスターと話したいのだ。

②スナックのおねえちゃん
これも地元スナック。60代のマスターがやっている店で20代のバイトを数名入れている。昔はそうじゃなかったが、コロナになって競争力を高めるためにガールズバー風になってきた。共通の話題すらない。アニソン歌うのやめてくれ、耳障りだ。ドリンクをおごられたからと前に来て面倒臭そうにオレに話しかけるな。結局オレが無視した恰好になり、あとでマスターからお叱りのLINEが来たりする。オレのせい??

③スナックに来る男性客
これも地元スナック。最近そこに近所の20代イケメン男性(羽生結弦みたいな雰囲気)が歌いに来るのだがやけに巧い。その子がいると女性客がキャーキャー喜ぶ。あれ歌えこれ歌えとリクエストのオンパレード。カウンター隅でうつむているオレにマイクなど回るはずもない。いや、回ってきても断固拒否する。一度ママと三人で飲んだがあまりに健全な精神の持ち主で話すのがイヤになった。無愛想なオレを「お疲れなんですね」と労らいやがってカチンと来て帰った。若いのは若いのが集まる店に行け。老成ぶるな。オッサンの憩いの場所を奪うんじゃない。

④会社の新人クン
やたら多いね。もうよそう。

とまれかくまれ、世代間ギャップというのか、オレの僻み根性というのか、書いていて情けないほどだ。若いのがヤンチャならまだいいが、やたら健全なのに、だ。彼らは一様に礼儀正しい。それが気に入らない。おそらくだけれど、バスを降りる時に運転士にお礼を言うようになった世代。親から躾けられたのだろうが、あれも気に入らなかった。タダで乗せてもらったわけじゃなくちゃんと金を払ってるのに、なぜお礼を言わなきゃならんのか。あれは過剰な教育である。

話が逸れた。何の罪もない、礼儀正しい若い連中を毛嫌いするオレのほうが社会的に抹殺されるべきだ。嫌う標的が男なら同じオスとして張り合っていると言えるだろうが、女性に対してイラつくことも多いので、将来性のある身分に対するヤッカミでしかないのだろう。

若者にイラっとして思うのは大概同じこと。「何も知らないくせに」。オレだって若い頃は何も知らなかったのにね。この12年、裡に秘めることばかり。SNSや酒場で吐き出したとしても1割かそこら。残りの9割は腐敗して発酵して悪臭を放っている。そのひどい匂いにオレ自身が自家中毒を起こしているのだ。そんなオレに「お疲れなんですね」と言ってくる健全なる若者よ。1メートル以内に近づいてみろ、ブチ殺す。