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パン屋さんを取り巻く市場環境と新しいビジネスの話

昨年末に書いた初のnoteが2,000PV以上見られており、noteのすごさを実感しているところです、、、

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今日は最近勉強中のパンの歴史やその業界について、そこからうまれる新しいビジネスについて感じたことをアウトプットしようと思います。引き続き備忘録なので長いかもしれません。笑

パンの作り方と6,000年の歴史

パン作りといえば、母親がホームベーカリーでよく食パンを作っていたなあ・・・というぐらいの印象しかなかったのですが、基本的なバゲットなどのリーンなパンは、小麦粉を中心とした粉・パン酵母・水・塩の4つのシンプルな材料のみで作られます。まあみんな知ってるか。笑
そこにバターや砂糖、卵や牛乳などの副材料でクロワッサンなどのリッチなパンが作られます。
現在はパン職人も十人十色、各パン屋さんごとに実に多種多様なパンが作られていますが、歴史を紐解いていくと紀元前4,000年頃に、大麦や小麦と水をこねて、石の上で焼くだけのシンプルな無発酵平置きパンが発祥だと言われています。当時は酵母がグルテンと混ざり合い、そこで出る炭酸ガスによってふっくらふくらむこともまだ解明されていない時代です。そこから6,000年の歴史を経て現代に至るまで、先人たちの知恵と努力によりアップデートを繰り返しながら、いまのパンマーケットが出来上がっており、いまもなお多様なニーズに応えながらアップデートし続けているのがパン。
これはなにもパンの話だけではなく、産業が発展し続けるには、そこに集まる人々が日々工夫を凝らして、時代の要請に合わせてアップデートし続ける必要があると改めて感じています。

パン市場について

日本では2010年ごろからお米との消費量が逆転して、いまも力強く伸び続けている産業でもあります。日本のパンマーケット全体ではメーカー出荷金額ベースで約1.5兆円、小売ベースで約2.8兆円、世界では約50兆円と非常に大きな産業です。

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日本のパン市場は大手10社で市場全体の約60%を占めています。特に最大手である山崎製パンはコロナで一部業績に影響を受けているものの、連結で1兆円超え。単体でも7,300億円とすさまじい業績を叩き出しています。食パンでも1,000億円近くの売上、みなさんも一度は食べたことあるんじゃないかなと思いますが、あの「ランチパック」は340億円です。すごい規模・・・

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山崎製パン決算資料より

大手ならではの生産ラインによって、低価格で品質の安定したパンが流通できていることもパン市場が伸びてきた背景の一つではないかと思います。

一方で、高級食パンで有名な乃が美や銀座に志かわ、テレビでもよく取り上げられる365日やCENTRE THE BAKERY、シニフィアン シニフィエなど、スーパーやコンビニで売られているパンよりもはるかに高価なパン屋さんに毎日行列ができていることも珍しくない状況になってきました。
このように多様化する消費者ニーズに細かく答えることができているのがパンの面白さとも言えます。

リテールベーカリーが持つ大きな二つの課題

国内パンマーケットのうち、リテールベーカリー(いわゆるお店で作ってお店で販売するような業態のパン屋さん)のマーケットサイズは、約3,600億円〜約4,700億円程度(出荷ベース〜小売ベース)で全体の20-25%程度です。
また、パン市場全体が伸びているにもかかわらず、年々パン屋さんの数は減っています。

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タウンページデータベースより

リテールベーカリーを取り巻く大きな二つの課題について触れると、まず一つは労働の問題です。毎朝4時頃に起きて仕込みをしているパン屋さんの仕事は重労働で、とても大変なお仕事です。パンの種類ごとに生地をこねたり発酵させたりする製法やそれぞれのレシピなども異なり、それらを技術を保有するパン職人が管理せねばなりません。ドンクや神戸屋など大手のベーカリーチェーンであれば、製造プロセスなどのマニュアルも整備されているかと思いますが、職人1人できりもりしているような小さなパン屋さんはなかなかマニュアル化することが難しく、さらに高齢化して後継ぎがいない問題もあります。また、EC販売やデリバリーなどができるパン屋さんは非常に限られており、食品表示やラベル作成、発送管理など、インターネットを介して販売するには煩雑なオペレーションをこなす必要があり、作業ハードルが高いのが現状です。

もう一つはパン屋さんが減少している問題とは少し角度が異なりますが、フードロスの問題です。店頭で販売する焼き立てのパンは賞味期限が短く、どのパンがどの程度売れるか、天候なども含めて完璧に予測するのは難易度が高いです。また、お客さんがお店を訪れた際に、ある程度パンのバリエーションが担保されていないと見栄えもよくないため、結果的に売れ残りが発生してしまい、余ったパンは廃棄となってしまいます。2050年には世界人口が100億人近くまで達すると言われており、代替肉で有名なビヨンドミートをはじめとした様々なフードテック企業がサービスを展開し始めていますが、フードロス問題は世界的な社会問題にもなっています。

パンフォーユーがパン屋さんに提供している価値

上述の労働やロスの問題に対するアプローチの一つが、焼いた後のパンを冷凍してしまうことです。パンを冷凍すると賞味期限が伸びるため、パン屋さんにとっても朝早くに起きて準備する必要がなかったり、スキマ時間で自由に焼くタイミングを選ぶことができたりとメリットが多いのです。
実際冷凍パンって美味しいの・・・?と思われている方も多いと思いますが、実はホテルや飲食店で提供されているパンは冷凍パンが使われていることが多く、今はコロナの影響もあり、ホテルや飲食店のビジネスが苦しい状況が続いていますが、冷凍パンのマーケット自体は、実は業務用の卸として成長産業なのです。(ぼくもパンフォーユーに関わるまで知らなかった・・・汗)

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冷凍パン生地・冷凍パン市場に関する調査を実施(2019年)より

ただ、冷凍パンを作る上で、大きな課題が設備投資です。大手パンメーカーであれば、瞬間冷凍機で急速冷凍をする設備投資も可能ですが、なかなか町のパン屋さんだと資金やスペースの観点から投資するのが難しい現状です。

そこで登場するのがパンフォーユー。
パンフォーユーがパン屋さんに提供している独自の冷凍技術は、通常の家庭用冷蔵庫にあるような緩慢冷凍でも十分にクオリティーの高い冷凍パンが製造できる仕組みを提供しています。
また、パンフォーユーは店頭以外で販売するために必要な細かい作業を全てサポートしているため、パン屋さんはおいしいパンを作ることに専念していただける環境を構築しています。先日の群馬出張でお会いしたいくつかのパン屋さんから、パンフォーユーがなかったらお店をたたんでいかもしれないとお聞きした時は胸が打たれました。

受注生産型でロスをなくし、クリエイティブな機会を

店舗型でビジネスをしている業態は、ラインナップのバリエーションが一つ大事なポイントにあげられます。服屋さんもお弁当屋さんも同じ構造で、どうしても売れ残りが発生してしまうモデルです。
個人宅に、北は北海道から南は沖縄まで全国のおいしいパン屋さんのおすすめの詰め合わせ冷凍パンセットが月替りで届くパンスクは、注文が入ってからパン屋さんに作ってもらう仕組みで運用しています。冷凍とITの力を使って、おいしいパンを必要としている人に、物理的な距離を越えてしっかり届ける、ロスが起きない仕組みを構築しています。
また、お店では固定客がついていることが多く、売れ筋のラインもある程度決まっているため、なかなか新しいパン作りに挑戦ができないという声もよくお聞きします。パンフォーユーを通じて出会うお客さんは、お店を中心とした商圏とは全く異なる商圏のお客さんなので、新しいパンの開発など新たな挑戦ができる世界も評価されています。つくづく、パン屋さんはクリエイティブなお仕事だなあと感じることが多くなってきました。

プラットフォームの価値

このようにパンフォーユーはパン屋さんとパンを食べるお客さんの新たな出会いを生みだし、新たな経済圏を作り出すことに取り組んでいます。
伸び続けるパンマーケットにおいて、リテールベーカリーのローカル商圏を開放し、新たな市場を創造していきます。
絶賛全方位採用中なので、少しでも興味をもった方がいらっしゃれば、ぜひお話しましょう!

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最後に、1人でも多くの方にパンスクを知っていただきたく、このnoteにスキを押していただき、クーポンほしいです!とDMをいただければ、ボクの知人限定クーポンお送りしますので、ぜひ感想とともにご連絡お待ちしております。笑







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