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表現と生命

2023年3月28日に刊行された「音楽と生命」(坂本龍一/福岡伸一)の中に引用された江戸時代の自然哲学者であり医者である三浦梅園の言葉。

枯れ木に花が咲くような珍奇なことに驚くのではなく、生きた木に花が咲くという当たり前の中にある正に自然の摂理に驚きなさい。

自分の作品にしろ人の作品にしろ、それを見たとき私の心が動く、動かないの違いのひとつはそこにあるんだろうな…と。
あまた並ぶ表現の中、自らの存在を主張するために大声を上げ、大袈裟な身振り手振り、珍奇性を競うようなある種の作品に、自分の心が動かない理由がこの言葉の中にあった。
そして生命の摂理に規範を求めている私自身の造形活動(作る、教える)に確信を与えてくれる。正にこの言葉、我が意を得たり。

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