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相変わらず弊社の福利厚生が素晴らしいという話

はじめに

 チームのふりかえりで、安易に「改善」という言葉を使って、場をミスリードするところだった。その話を、懇親会の中で、補足を入れながら、今回も上司(=キョン氏)とふりかえったら、いい話だったので記録しておこうと思います。


起こった事象とそこから得た学び

起こった事象

 僕が所属する組織では、メンバの状況確認やアクションアイテム共有等の目的で、週次で2階層のミーティングを実施しています。2階層とは、PJ横断でのチームでの現場ミーティングと、そのチームの代表が集まって実施する代表者のミーティングです(Scrum of Scrumみたいな感じ)本件は、代表者のミーティングでの事象になります 
 現場ミーティングでのふりかえりがうまく機能していない、具体的にはその場での思いつきからの+とΔが多く、学びや気づきにつながっていない、より良い場にするために、何かできることがないだろうか、と思い、「例えば、**さんの意見からは継続的な改善のための気付きを得た、他にもそのような意見を多く出して、改善を促すためにはどのように運営するのがいいのだろうか」と議題を出した。
 結果、継続的な改善のために何ができるのかを、話し合おう、という流れができた。が、意見を一通り聞いた後に、議論は保留になった。
 一見、いい感じに見える検討をなぜ止めたのか??ということに関して補足説明をされて、気づかず落とし穴にハマるところだったので共有したい。

上司(=キョン氏)が議論を止めた理由とそこからの学び
(事後説明を受けた情報を下に、僕の理解で補完)

  • 「改善」はPJゴールを同じくするチームのようなコンテキストがあっている状態、で自分たちのプロセスの合目的性を高めるため具体的なアクションを挙げていく行為。

  • 現状、ウィークリーイベントに参加しているメンバはアサインPJが異なり、コンテキストも異なる。その状態で、「改善」という言葉を使って、具体的なアクションを挙げてもらうように促すことは悪い点がある

    • ①できてしまう:各人のPJ状況に合わせて改善に取り組んだ点を挙げることはできてしまう

    • ②悪いことに気づかない:各人が挙げたふりかえり結果は、それ自体否定できることではないので、是として進んでしまう

    • ③効果が薄い:アサインPJが異なるので、個人ができる範囲の改善内容に留まり、チームで取り組むには費用対効果が低い。

  • 代表者のミーティングでの結論はミスリードでも強制力を持つ

    • この場の議論結果はチーム全体にエスカレーションされるので、影響が大きい。しかも、この件は上述したように、一見よく見えてわかりにくい

自分の思い

 僕としては、良かれと思って行った提案で組織をミスリードするところだったので、止めてもらって本当に良かった。提案の起点は良かった(ここはキョン氏とも合意)けど、表現をミスった結果、「地獄への道は善意で舗装されている」を地で行く提案をしてしまうところだったなー、というふりかえりでした

懇親会でこの事象をふりかえったときのふりかえり

 上記は、会議の後の懇親会で話したんですが、個人的には耳が痛い話だったこともあり、受け入れるためにいくつかの実験をしています。その実験についても共有します。

対話中に小さくエッジを超えてみる

 フィードバックは成長の機会なので嬉しい。とはいえ、ネガティブフィードバックはやっぱり重いし、耳が痛いので逃げたくなる。そこで、視線、姿勢、体感覚中心のリソースを意識することでの心の状態操作を試みてみたら、うまくいったことあったのでメモ

  • ネガティブフィードバックが始まった際に「うっ」となって、姿勢はのけぞり、腕組みをして、目線は下を向く。ここまでは、防御反応なので、一旦は許容

  • そこから、 意識的に腕組みを外す(小さなエッジ超え)、姿勢を正す(小さなエッジ超え)、目線を上げる(小さなエッジ超え)、で、だいぶ話が入る状態を作ることができた。加えて、トイレで会って続きを話せたのも良かった(場所が変わると、見え方も変わるし、気持ちも変わる)

  • 相手を見てみる(チラ見から)、相手の話すペースに呼吸を合わせてみる。落ち着いたら、相手のポジションになってみて、話を反芻してみる。多少の無言の間は無視。

イラついてきた先にいい話が待っている

 大前提として、苛つかせて意見を引き出すことを目的とはしていない。ただ、伝えたい気持ちが前に出た際に、伝わらずに苛ついた雰囲気になってしまうこともあり、それを是としようと言うことを伝えたい。
 僕が考えを整理せずに感覚で話し始めることが多いので、対面で話していると、大体20分くらいでキョン氏が噛み合わない点にもどかしさを感じている仕草を観察できる。直近3回は、その状況を収めるのではなく、受け止めようとしており、今回、その対応が自分の中でも腑に落ちたので記録。
 意識的に考え方を変える

  • Before:
    イラついた?
    → 怒ってる?のだな、その場を収めた方がいい。
    → その場をいかに早く終わらせるかに思考がシフト。次のアクションに繋がらず終了

  • After:
    イラついた?
    → 自分は意識せずにできるし、相手にも意識せずにできるようになってほしいことができていないときに現れる素直な表現がでたな、苛ついているのか。苛ついているとしたら、どこに苛ついているのかを少し観察しよう
    =対話の起点になる言葉が素直な言葉で表現され始めた、こっちも感情が乗ってもいいので少々強く想いをぶつけよう、きっと面白い話ができるぞ。このNOTEをかけるくらいの背景情報と次のアクションを得る

「なぜ」を問うのはまだ先

 最初この話題が上がった際に「なぜ、キョン氏はこの話題を選んだのか?」という疑問が湧いたが、「なぜ」を一旦脇において、この話題が放置された際に、「誰が」「どこで」「どんなケースで」「どんなふうに」「どんな気持ちで」影響を受けるのか、自分の発言が引き起こす影響は「何」なのか、を整理する問いから考えてみた。
 結果的に、あの場での決定が引き起こる事象・次の課題(ミスリードによるふりかえりの形骸化)を知ることができたし、向き合うべき問題の理解の解像度が低いことでずれたソリューションをミスリードしそうになったということも府に落ちた。そこから、「なぜ、キョン氏はこの話題を選んだのか?」という「なぜ」についても考えることができた。

なぜを問わないわけではなく、なぜを当タイミングを意図的に後ろにずらした。自分の思考の傾向から、いきなり「なぜ」を問うと、情報が少ないままにメカニズムを考察することになる、結果、たいてい原因を自分と結びつけて、自分を攻める負のループに入るし、メカニズムが改善しないので、チームとしてスケールしない回答になってしまって、費用対効果が悪くなるので、「なぜ」は後で問うことにした(「なぜ」を問うことは重要。一旦脇に置くだけ、状況が把握できたタイミングで問題を捉えるために必ず問う)

※自分の考えの補足

人は置かれた環境で育つなー

 普通にこんな会話がなされる環境に居たら、基準が上がるなー。精神と時の部屋にずっといるみたい。という感想

パーキングロット

 懇親会で挙がった他の話。今回は簡単に触れるだけにします

新しいことをやってなかったのでは??問題

  • コンサルタントを名乗って10年が過ぎるけど、実は新しいことをやって来てないのでは??という話。新しいことって誰も見たことがないものを作ることでしょ。という話から、実は自分は既存のソリューションを組み合わせた問題解決が得意で、そのアプローチを新しいものつくりのアプローチに摘要しようとして苦しんでいるのは??という話になりました。

  • アプローチは「問題を愛せよ」なんだけど。もっと具体のふるまいを挙げて直して行く必要がありそう。指摘はもらえるので愚直に対応しよ。

キョン氏も2日に1度のペースで凹み、週末に学んで、次週にはできるようになっている話

  • 1週間スプリントじゃん。キョン氏を見ていると、心からスクラムを信じていて、適用できる機会があれば、適用してくなーと感動。今回は、具体的なプラクティスまでを話す時間はなかったので、またのお楽しみ。何より、みんな凹みながら育っている環境が素敵だなと思った。

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